経営学部
2026.09.30

【前編】「簿記って面白い!」が未来を変える。先生と学生が語る、麗澤大学の税理士プログラム

【前編】「簿記って面白い!」が未来を変える。先生と学生が語る、麗澤大学の税理士プログラム

税理士と聞くと、「数字が得意な人に向いている仕事」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。麗澤大学経営学部では、2026年度から、学部4年+大学院1年の5年一貫で学べる「税理士プログラム」がスタートしました。実務経験豊富な教員の指導のもと、身近な事例と結びつけながら会計を学ぶ中で、学生からは「簿記って面白い」という声も上がっています。前編では倍和博先生に、プログラムに込めた思いや、麗澤大学ならではの学びについて伺いました。

倍 和博
経営学部 教授
大学時代に税理士や公認会計士などの職業会計人に関心を持ち、会計理論と実務が結びつく面白さに魅力を感じて、会計学の道へ進む。現在は、CSRやSDGsに関わる企業活動を数値で捉える手法や、その成果を統合報告として会社に伝える仕組みを研究している。2018年までの17年間、麗澤大学で教鞭を執り、2024年度に再着任。
鈴木 悠治郎
経済学部 経営学科 AI・ビジネス専攻 2023年入学
高校時代は友人たちと過ごす時間を楽しみ、高校3年生の進路選択を機に、得意な数字を生かせる仕事として税理士を志す。麗澤大学進学後は、仲間と切磋琢磨しながら簿記や会計を学び、税理士を目指している。
※取材時、4年次生
目次

    実学の伝統を未来へ。税理士プログラムに込めた思い

    ―税理士プログラムを設置した背景や、経営学部としてこのプログラムに込めている狙いについて教えてください。

    • 倍先生:麗澤大学には、会計や税務の教育を大切にしてきた長い歴史があります。私が以前在籍していた頃は、「簿記の麗澤」と呼ばれるほど学びに熱気があり、税理士として日本や海外で活躍する卒業生も数多く巣立っていきました。

      時代とともに学生の関心や進路が多様化する中で、これまでの伝統を今の時代に合った形で受け継ぎ、専門職を目指す学生を力強く支えたい。そんな思いから、2026年度にスタートしたのが、この税理士プログラムです。

    私たちが目指しているのは、試験に合格するための暗記やテクニックだけを教えることではありません。身近な出来事や社会の動きと結びつけ、数字の背景にある「なぜそうなるのか」を理解すること。それが、社会や経営を読み解く力につながると考えています。

    経営学部には、企業や会計・税務の現場を経験してきた教員が多くいます。ただ計算方法を覚えるだけでなく、会計の知識を経営にどう生かすのかまで学べることが、麗澤大学の実学の面白さです。

    AIが進化する中、単純な計算や定型的な業務は、ますます機械が担うようになるでしょう。だからこそ求められるのは、数字の背景を読み取り、経営者に寄り添いながら必要な提案ができる専門家です。学生が卒業後も自信を持って歩めるよう、そのための力を一緒に育てていきたいと思っています。

    学部4年+大学院1年。5年間で専門性を磨く

    ―「学部4年+大学院1年」の5年一貫で学ぶことには、学生にとってどのようなメリットがありますか?

    • 倍先生:このプログラムの大きな特徴は、学部4年間と大学院1年間の計5年間で修士課程を修了できることです。通常は2年間かかる大学院での学びを1年間で修了できるため、時間と学費の負担を抑えながら、専門的な知識を身につけられます。学生本人はもちろん、学費を支える保護者の方にとっても、大きなメリットだと思います。

      さらに、大学院修士課程で税法を専攻し、税法に関する修士論文を執筆したうえで、国税審議会の認定を受けることにより、税理士試験で合格が必要な税法科目3科目のうち、2科目が免除されます。税理士を目指す学生にとって、資格取得への挑戦を支える心強い制度です。

    5年間で修士課程を修了できる仕組みを支えているのが「先行履修制度」です。学部4年次から大学院の授業を最大14単位、7科目分まで履修できます。3年次までに学部の単位を計画的に修得しておくことで、4年次には就職活動や税理士試験の勉強と両立しながら、大学院の学びを進められます。無理に授業を詰め込むのではなく、計画的に大学院へ進める仕組みです。

    大学院に通うこと自体も、難しい試験勉強を続けるための「ペースメーカー」になります。一人で勉強を続けるのは簡単ではありませんが、キャンパスには、ともに学ぶ仲間や、いつでも質問できる教員がいます。自習室や図書館も活用しながら学習のリズムを保ち、途中で孤立することなく、目標に向かって学び続けられることも大きな魅力です。

    「計算ができる」で終わらない! 経営と会計を結びつける学び

    ―税理士を目指すうえで、経営学部で会計・税務を学ぶことには、どのような強みがあるとお考えですか?

    倍先生:税理士試験の合格に必要な知識や計算方法は、予備校でも学ぶことができます。しかし、それだけでは「計算はできても、その先の提案ができない人」になってしまうかもしれません。

    麗澤大学の経営学部で会計や税務を学ぶ強みは、経営と会計を結びつけて学べることです。経営者が求めているのは、帳簿を作ることだけではありません。数字の背景を読み取り、経営の判断に役立つアドバイスをすることも、税理士の大切な役割です。

    • 授業では、実務をイメージしやすい具体例を多く取り上げます。たとえば、会社で車を購入した場合、その費用を購入した年にすべて経費にするのではなく、車を使用できる期間に分けて計上します。これが「減価償却」です。

      新車と中古車では、この期間が異なる場合があります。中古車は、使用年数に応じて耐用年数が短くなり、購入費用をより短期間で経費にできることがあります。こうした身近な例から「なぜそうなるのか」を丁寧に考えるため、数字が苦手な学生も納得しながら学べます。

    大学院では、実際にあった税務に関する裁判例を読み、自分の考えを論理的に文章へまとめる、より深い学びにも取り組みます。そこで身につく「筋道を立てて考える力」や「本質を見抜く力」は、AIが進化する時代にも欠かせません。社会から必要とされる専門家になるための土台を築けることが、麗澤大学ならではの強みです。

    先生も先輩も、チームで支える。挑戦を続けられる環境

    ―税理士プログラムでは、学生が安心して学び続けられるよう、どのようなサポート体制を整えていますか?

    • 倍先生:難しい資格に挑戦する学生を支えるため、このプログラムでは、実務経験を持つ教員3名がチームとなって学生をサポートしています。一人の教員に任せるのではなく、それぞれの専門性を生かし、多角的な視点からアドバイスできる体制を整えています。

      教員と学生の距離が近いことも、麗澤大学らしさのひとつです。論文の書き方や課題だけでなく、「試験前はどのような心構えでいればよいか」「試験当日の宿泊先はどう手配すればよいか」といった細かな相談にも、家族のように寄り添います。わからないことや不安なことがあれば、学生はいつでも、何度でも教員に相談できます。

    先輩とのつながりも、学びを続けるうえで大きな支えになります。授業外でも学生が自習室に集まり、互いに教え合い、議論する光景が日常的に見られます。また、先輩が後輩の学びを支える「SA(スチューデント・アシスタント)制度」もあり、教える側と教わる側の双方が成長できます。教員と学生が一緒になって高め合える環境があるからこそ、難しい資格にも安心して挑戦し、自分のペースで学び続けられるのです。

    ―後編では、卒業生ならではの視点や、現在の仕事に活きている経験、大学選びのポイントなど伺います。

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