

留学生から話を聞く。世界が広がる!
小籠包や屋台料理などのグルメ、高層ビル・台北101や九份(きゅうふん)といった観光名所などの魅力に加え、親日家が多い国として知られる台湾。急速な発展を遂げるアジア諸国の中でも一歩先を行き、IT分野の発達でも世界から注目を集めています。隣国でもあり、日本にとって今後ますます関係性が深まる国の一つ。それだけに、台湾語を学び身につけることは、社会で活躍するための強い味方となってくれることでしょう。
しかしながら、第二外国語として台湾語を選択できる大学は少ないのが現状です。本学では2016年4月より本格的に台湾語を第二外国語として選択できるようになりました。以前から留学生を数多く受け入れてきた麗澤大学には、台湾からの留学生も在籍しており、この授業にも聴講生として参加しています。
なぜ、母語である台湾語の授業を台湾からの留学生が受けるのか。それは台湾では母語を学問として学ぶという習慣がなく、また地域や家族構成により台湾語の種類も異なるようで、日本人が学ぶ台湾語に興味があるとか。授業中、時折聴講生に「あなたの地域ではどう?」「実際はどうだった?」などと質問を投げかけると、台湾語、中国語、日本語を交えて説明してくれる留学生。日本人の学生も非常に興味深く聞いており、学んだことをその場で確認できる環境が整っているこのクラス。「学内で国際交流」とは、まさにこのこと!言語を学ぶことは、その国の文化や習慣を知ることに繋がります。テキストからだけでなく、ネイティブの先生を始め留学生からも現地の声をダイレクトに聞くことができるのは、麗澤大学ならではかもしれません。
楽しんで学ぶからこそ、身につけることができる
教壇に立つ先生は、笑顔が素敵でとても魅力的。また先生自身が楽しみながら授業を行っているのが伝わってきます。少人数制で学生同士も顔見知りのため、授業は和気あいあいとした和やかな雰囲気の中で行われます。また、学生たちに呼びかける時「耳慣れない名前だな」と思っていたら、なんと台湾語読みでの呼びかけ。漢字を使う国同士だからこそできる、親しみのこもった呼び方です。
実際の授業内容は、会話を中心としたテキストが用いられ、主に旅先での様々なシチュエーションを通して台湾語を学べるようになっています。キーワードとなる単語の発音から始まり、例文の音読、そしてポイントとなる文法を学んでいきます。
テキストに沿った発音練習が終わると、応用として単語を変えながら似たような質問を学生一人ひとりに投げかけていきます。ただ机に向かうだけでなく、それぞれのレベルに合わせて丁寧に指導していく先生。これなら学生も安心して授業に参加できます。
台湾語で面白いのは、日本語と同じ単語や発音があること。例えば「月給」は "ゲッキ"と発音し、意味も同じです。また、「トラック」や「スリッパ」などは、日本語がそのまま外来語として台湾語の中に浸透していったそうです。授業内でも、なぜこんなに外来語として日本語が浸透しているのかを説明するために、台湾の歴史を振り返ります。折々に歴史的背景などの話を盛り込んで授業を進めることで、学生も納得しながら学んでいるように見受けられました。
また、授業をより楽しく理解できるような工夫も凝らされています。台湾人に人気の旅行先がタイやシンガポールであることやカラオケが好きな人が多いことなど、学生にとっても身近で興味のある分野を例に、台湾の国民性を伝えることで記憶に残ります。また、台湾の不動産屋では売買物件のみで賃貸物件が扱われず、借りたい時は大家さんを見つけ出して直接交渉しなければならないという日本では考えられないような話も話題にあがり、学生たちは興味津々。授業に参加している台湾人聴講生に質問するなど、授業は大盛り上がり。
気がつけば、あっという間に90分の授業が終了。授業後には先生のまわりに学生たちが集まり、台湾での暮らしについてや「さっきの賃貸物件の話ですが...」などと質問が尽きないようでした。
言語を学ぶことで、その国が身近に感じられ、旅行に行きたくなる。旅先でたとえ片言の単語だけでもその国の言葉を使えば、現地の人は喜び、伝われば自分自身も嬉しい。お互いが嬉しい気持ちとなるその旅は、いっそう充実したものとなることでしょう。そして将来、その言語を仕事に役立てることができたら素晴らしいですよね。
台湾語を学ぶことが、もしかしたら世界に羽ばたくための一歩につながるかもしれません。第二外国語として台湾語という選択肢も視野に入れてみるのはいかがでしょうか。