モーガンゼミでは毎年、学生自身が取材・執筆を行うフリーペーパーを制作しています。テーマは「地域課題」。柏市や流山市など、大学近隣の地域社会に足を運び、学生たちは現場で人と出会い、声を聞き、記事として発信してきました。後編では、モーガンゼミに参加し、実際の取り組みをレポートします!
教室が編集会議の現場に!
国際学部のモーガンゼミ。教室では今日も、中国や韓国からの留学生を含む学生たちが、自身の取材原稿について、活発な議論を交わしています。
「高市早苗氏の中国に対する姿勢はどう見える?」
「この記事、もう少し経緯の説明が必要かもしれないね」
黒板を使った一方向的な授業とは異なり、双方向のコミュニケーションが展開されていきます。その様子は、まるで新聞社の編集会議のようです。

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本ゼミナールの研究テーマは「ジャーナリズム」。しかし、モーガン先生が目指しているのは、机上の学問としてのジャーナリズムではありません。
「ジャーナリズムを通して学んでほしいのは、一言で言うと『世界のリアル』です。普段の講義では、できるだけフラットでアカデミックな情報を提供しています。しかしゼミナールは、研究を深める場。実際に人に会い、話を聞き、その人がなぜそう考えるのかを知る。ジャーナリズムは、人と人との関係で成り立つ世界なのです。」
実際に足を運び、当事者に会い、話を聞いて記事を書く。そうした経験を通して、学生たちは教室の中だけでは出会えない「世界のリアル」に触れていきます。
モーガン"編集長"と学生ジャーナリスト
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実際に学生が執筆した「国際結婚と多文化家族における社会問題」に関する原稿に対して、モーガン先生からは、導入部(オープニング・センテンス)から本論への流れを見直すと、より読みやすくなるのではないかと、具体的なアドバイスが送られていました。
文章表現だけでなく、学生自身がその内容をどこまで理解しているか、根拠を持って説明できているか。モーガン先生は、先輩ジャーナリストの視点で、一文一文を丁寧に読み込み、鋭く問いかけていきます。

「"4~5%"。この数字が何を表しているか、説明できますか」
「"is often pointed out"と書くと、少し受け身な印象になってしまうかもしれないね」
専門家や研究者の意見を引用(quote)するのか、それとも当事者の声(voice)で裏付けるのか。そうした選択一つひとつが、記事の説得力を左右します。
先生と学生という立場を超えた、ジャーナリスト同士のやり取りが印象的な場面でした。
取材の鍵は、データではなく「違和感」
授業の後半では、中国出身の参議院議員・石平(セキ ヘイ)氏への取材※に向けた準備についても話題に上がりました。

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モーガン先生が特に重視するのは、取材当日だけではなく、そこに至るまでの準備の過程です。事前に石平氏の経歴や政治家としての活動、考え方を調べ、学生同士で議論を重ねていきます。
「なぜ、そう考えるようになったのか。その背景やプロセスを理解した上で取材に臨むことが大切です。」
そして、取材の場で重要になるのが、数値や言葉だけでは捉えきれない"違和感"だと語ります。
「話を聞いていると『あれ?雰囲気が変わったな』と感じる瞬間がある。なんで急に汗をかき始めたのだろう。この人は笑顔だけど、少し答えづらそうだな。そうした心の引っかかりが、人の話を見極めるための大切な手がかりになります。」
情報が溢れる時代だからこそ、自分の目で見て、耳で聞き、感じ取る力が問われます。こうした「人と向き合う感覚」そのものが、モーガン先生の考えるジャーナリズムの本質です。
※石平氏への取材は2025年12月19日実施しました。取材の様子はこちらからご覧いただけます。
一つひとつが学びの機会。「同僚」として、ともに成長する
「取材って、誰でも緊張するものです。もちろん私も含めてね」
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モーガン先生は、取材現場での緊張も含めて、すべてが成長の糧になると語ります。政治の最前線に立つ人に直接話を聞く経験は、簡単なものではありません。しかし、その壁を乗り越えることで、自信が積み重なっていきます。
実際、このゼミナールからは優れた記事が次々と生まれています。学生が執筆した記事が国内の英語メディアに掲載された例もあり、学生の発信はすでにキャンパスの枠を超え始めています。

「ゼミナールは、講義とは違って、お互いの考えを遠慮なく出し合える場です。からこそ学生とは距離感を縮めたいと思っています。友達とは言いませんが、仲間、同僚だと思っています」
授業中、学生がモーガン先生に「先生はどう思いますか?」と意見を求める場面もありました。互いを尊重しながら、本音をぶつけ合う。そんな関係性が、このモーガンゼミにはありました。



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