
麗澤大学のオンライン授業についてお届けするコンテンツ。今回は、経済学部2年次の授業「ミクロ経済学」をご紹介しています。後編では、授業を担当する森田先生に、オンライン授業の良いところおよび課題など、今後の授業はどうなっていくのか?お話を伺います!

まるで個別指導。理解できるまで自分のペースで学ぶことができる
――先生が実施されている「録画配信型」授業のメリットは、どんなところだと思われますか?
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「色々ありますが、ひとつは、学生が自分のレベルやペースに合わせて受講できるということです。『ミクロ経済学』という授業では、数学をよく使うのですが、数学の理解度は学生が30人いれば30人それぞれ違って、たとえば問題を解く時も、1分で解ける学生もいれば10分かかる学生もいて、個人差があります。一人ひとりのペースに合わせて進めることができればいいのですが、教室の授業ではなかなか難しい。その点、録画配信型は『一時停止』できるので、学生は自分のペースで問題を解くことができます。
他にも、計算過程を写す時や『因数分解って何だっけ?』となって参考書を引っ張り出してきて見直す時なども、一時停止をすれば、自分のペースで取り組むことができます。また、一度見てわかりにくいと思ったところを見直したり、あるいは、自分がすでに理解しているところは再生速度を上げて見たりと、学生各々の状況に応じて色んな見方ができるのは、録画配信型の大きなメリットだと思います」
――学生の反応はどうでしょうか?
「やはり、自分のペースで受講できるのが良い、という声が多く好評です。この授業では、視聴する時間も、一定期間内に視聴すれば良いことにしているので、それもやりやすいようです。見たい時に好きなように見て、学ぶことができる。録画配信型の良いところを、学生の皆さんもうまく活用してくれていると思います」
――学生からの質問には、どのように対応していますか?
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「Google Classroomというツールを使って、学生からの質問を受けつけています。回答する際は、メールなどテキストでやりとりすることもあれば、オンライン会議システムのzoomを使って、オンラインで学生の顔を見ながら話すこともあります。時には、数学の問題に対する質問から、気づいたら人生相談に発展していた、なんてことも(笑)。教室で話すよりも、プライベートな空間なので、人に聞かれることもないですし、話しやすいのかもしれませんね。これもオンラインの良いところかもしれません」
学生の多様なニーズに対応できる。オンライン授業には大きな可能性がある
――オンライン授業で課題に感じることはありますか?
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「録画配信型授業の場合、やる気のある学生は自分のペースでしっかり学ぶことができて良いのですが、自主性に任されている分、中には動画配信を見ること自体を課題と感じている学生もいます。そんな彼らのモチベーションを、いかに引き上げるかというのが課題のひとつです。またこれも重要なことですが、オンライン授業全般で言えば、やはり、学生同士が直接交流する機会が限られてしまうことも課題だと思います。新しい仲間を作るにはオンラインでは限界がありますし、良いアイデアなども、実際に会って話すからこそ生まれるものがあるはず。オンライン化が進む中、改善していかなければならない課題だと思います」
――今後の大学の授業について、どのようにお考えでしょうか?
「私はもともと、大学にオンライン授業がもっと取り入れられていくべきだと考えていたので、今回が良い転換期になるのではないかと期待しています。たとえば、片道2時間かけて通学している学生も、オンラインで受講できれば通学の時間を省けますし、インターンシップや就職活動で欠席せざるを得ない学生も、録画配信型授業で都合の良い時に受講できれば、学修の機会が失われることはありません。今後、対面授業とオンライン授業のそれぞれ良いところを活かしていけば、学生の様々なニーズに、より柔軟に対応できるようになるでしょう。オンライン授業には、今後もさらに大きな可能性を感じています」