
2020年4月に国際学部が開設し、国際学部国際学科のシンボルともいえる授業「文化の多様性と価値--道徳科学A--」(以下、道徳科学A)がスタートしました。麗澤大学の建学の精神と国際学科の理念を理解し、さらには、国際学部の学びの特色"つなぐ学び"を実践する基礎力をつけることを目指しています。


※取材時、1年次生

※取材時、1年次生

※取材時、1年次生
「建学の理念」や「道徳」をつなぐことで、何が生まれるのかを考える授業
"つなぐ学び"とは、異なるものをつないで、新しい価値を生み出すための学びのプロセス。何を、どうつないだらいいのか?この授業で体感し、自らの"つなぐ学び"につなげてほしいと思います」(宮下先生)
それでは、一体どんな授業なのか?のぞいてみましょう!
なぜ、つなげるのか。つなげるとどうなるのか? 言語学の理論を通して理解する
潜入したのは、野林先生の授業。言語学の意味論・記号論の観点から「意味とは何か」を考える3回シリーズの最終回。受講者は国際学科の1年次生約80人。ビデオ会議システム「Zoom」を使ったオンライン授業です。
たくさんの学生が「チャット機能」を使って発言します。「学生間の競争がなくなる」、「達成感がない」、「成績が良いのか悪いのかわからない」、「Aに意味がなくなる」など様々な意見が出てきました。 「"Aに意味がなくなる"まったくその通りです。ここに、意味というものの重要な特徴があります」(野林先生)
ここからさらに複数の事例を見ながら、今度は「関係によって意味が変わる」ことを確認していきます。「『ドラえもん』ののび太を例に考えると、のび太はジャイアンとの関係においては"いじめられっ子"ですが、スネオとの関係においては"お人よし"というように、関係が変わることでキャラクターの意味が変わります。
さらに、先生は建学の精神へと話をつなげていきます。
「"麗澤"という語は中国の古典・易経に由来し、その意味は、並んでいるふたつの澤が互いに潤し合うように、友と切磋琢磨していこうということ。そして、このふたつの澤が合わさって新しい流れとなり、大海原へと知の冒険に乗り出していく――。これが私たち国際学部のストーリーです」 意味論・記号論の観点から、国際学部のコンセプトと麗澤大学の建学の精神とのつながりが示され、野林先生のパートは終了。