経済学部
2021/11/19

【後編】「反転授業」とは?「学生にホンモノの力を身につけてほしい」教員の熱意

【後編】「反転授業」とは?「学生にホンモノの力を身につけてほしい」教員の熱意

経済学部経営学科1年次前期の履修必修科目で、国際学部グローバルビジネス学科にも設置されている「簿記原理」の授業では、2021年4月から「反転授業」と呼ばれる授業形態を導入しています。これまでのこの授業は、講義後に復習・応用として課題や演習に取り組んでいましたが、反転授業では、学生は授業前にオンライン教材で事前学習し、授業で復習・応用を行います。後編では、実際の授業の様子をレポート!

鈴木 大介
経済学部 経営学科 教授
東京都立大学大学院社会科学研究科経済政策専攻博士課程修了。専門分野は「財務会計」。趣味は釣り。週末、教職員の釣り仲間と早朝から福島や茨城まで出かけ、ニジマスや岩魚釣りをすることが最近の楽しみ。「自然のきれいな景色に癒されます」
目次

    授業冒頭にテストを実施。事前学習の理解度をチェックする

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    • 「簿記原理」の授業は、レベル分けテストにより、上級・中級(2クラス)・基礎の全4クラスに分かれて授業を行います。今回お邪魔したのは、鈴木先生が担当する中級クラス。受講するのは約50名の学生です。
      学生は事前に、先生がYouTubeに公開している1本50分間ほどの動画教材を自宅などで視聴してから授業に臨みます。授業は1日に2コマ(1コマ90分)が連続して行われるため、事前に視聴する動画も2本あります。

    • 授業が始まるやいなや、配布されたテスト用紙。授業冒頭に、動画で学んだ内容に関するテストを行い、事前学習の理解度を確認するのです。1コマ目は、「仕訳」に関するテストです。
      テスト時間は20分間。終了時間が近づくと、スマートフォンやタブレット、パソコンに何やら入力している学生の姿がちらほら。Googleのアンケート集計ツール「Googleフォーム」に、学生は自分がわからなかった設問にチェックを入れているようです。

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    • テストが終わるとすぐに、教室のスクリーンにグラフが表示されました。学生がGoogleフォームでチェックを入れた内容を集計したもので、設問ごとの学生の理解度が一目瞭然です。この結果をもとに、授業では学生が理解できていないところを重点的に解説していきます。

    問いかけで学生の理解度を何度も確認。丁寧な解説で確実な理解につなげる

    • 学生が理解できていない設問の解説に入る前に、本日のテーマ「商品売買に関わる決算整理」の概要を簡単に復習。学生はすでに事前学習で学んだ内容です。
      「商品は企業にとって、とても重要なもの。なぜなら、企業が売上を上げるための根幹となるものだから。それだけに仕訳方法は何通りもあります。ここでしっかり理解しておきましょう」(鈴木先生)

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    決算整理とは、実際のお金の動きがなくても、会社の状況を財務諸表に適切に表すため、決算期に帳簿の修正を行うこと――。それはつまりどういうこと?どんな時に決算整理が必要になるのか?先生は専門用語をあまり使わずに、八百屋さんのキャベツの仕入れを例に、わかりやすく解説します。それも一方的に説明するのではなく、教室を縦横無尽に歩きながら、学生に頻繁にマイクを向けて問いかけます。

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    • 「自分がお店の経営者だとして、商品を売る。増えるのは?」(鈴木先生)
      「現金」(学生)
      「減るのは?」(鈴木先生)
      「商品」(学生)
      「それは帳簿に書かれている?」(鈴木先生)
      「書かれていません」(学生)
      「それはどうして?動画でも寺本先生が解説してくれていたよね」(鈴木先生)

    学生に問いかけることで、学生がどこを理解できていないのかをより詳しく把握でき、「ここの理解が不十分」とわかれば、その部分を徹底的に解説します。このように、理解できていないところの確認と、確実に理解するためのフォローに授業の時間を充てられることが、反転授業の大きなメリットです。

    • 復習の後は、学生が「わからない」と回答した設問に対し、集計にもとづいて詳しく解説。それも「ここがわからない、というのがあったら教えて」「わかった?本当に理解できた?」と学生の理解度を逐一確認しながら進めていきます。学生が手を挙げ「●●がわかりません」と伝えると、「良いね、授業はわからないことを理解する場だからね」と親身になって解説してくれます。教室は静かですが、先生にマイクを向けられても学生がしっかり反応している様子から、学生全員が授業に集中していることがよくわかります。

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    学生が"どこが"わからないのか?を、もっと理解したい

    2コマ目の授業冒頭では、Googleフォームを使って2本目の動画「試算表」についてのテストを行います。今度のテスト時間は30分間。学生はタブレットやパソコンで回答を入力しています。麗澤大学では2021年度の入学者からノートパソコンが必携となり、どの授業もパソコンを持ち込むことが前提です。
    テスト結果はその場で集計。点数だけでなく設問ごとの回答率も把握できます。

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    • 「満点が10人いますね。試算表にまだ慣れていない学生も一定数いますが、大丈夫!ここからまだ伸びていきますからね。皆がどこで引っかかったか、大体、見当がつきますよ。では解説していきましょう!」(鈴木先生)

    • 授業終了後、先生は本日の授業の感想を「理解することも大切ですが、それ以上に学生がしっかり反応してくれたのが良かったですね。それでも、学生個々人の"どこが"わからないのかを、もっと理解したいと思っています。学生はまだまだ、恥ずかしい思いをしたくないという気持ちがあるので、理解があやふやでも「わかった」と答えてしまいがちです。学生の緊張をもっとほぐして、わからないところはわからないと正直に言えるような環境づくりをしていきたいです」と話してくれました。

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    すでに大きな成果をあげているこの授業。それは、先生方の確実に「学生にホンモノの力を身につけてほしい」という熱意があるからこそだと感じました。反転授業は今後、他の授業にも導入予定。学生の今後のさらなる成長が楽しみです。

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