
麗澤大学外国語学部の大越さんと關口さんは釜山外国語大学校での1年間の留学を通して、語学力だけでなく、自立心や積極性も大きく育みました。 K-POPや韓国ドラマへの関心から始まった留学への夢は、異なる文化の学生とペアで学ぶタンデム授業や国際的な環境での経験を通して、「挑戦すれば何とかなる」という自信へと変わりました。現在、二人は外国人向け不動産業と航空業界という夢に向かって歩み出しています。前編では、韓国留学を決意したきっかけや現地での体験について伺いました。

※取材時、4年次生

※取材時、3年次生
奨学金で実現! 費用を抑えて韓国留学へ
―韓国へ留学しようと思った理由や経緯を教えてください。
大越さん:高校時代、K-POPに夢中になったことが、韓国留学を考えるきっかけとなりました。好きなアーティストを応援するうちに、韓国の文化や言葉をもっと深く知りたいと思うようになり、釜山外国語大学校への短期留学に参加しました。実際に韓国を訪れたことで、長期留学への思いはさらに強くなり、異文化に触れ語学を学びたいという気持ちが明確になりました。
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麗澤大学に入学後も韓国への熱意は冷めず、3年次生の時に釜山外国語大学校への交換留学制度と奨学金の存在を知りました。費用面での不安が解消され、麗澤大学で初めて韓国政府の奨学生に選ばれた時は本当に嬉しかったです。高校時代に訪れた釜山外国語大学校で再び学びたいという強い思いがあったからです。先生方もその想いを理解してくださり、書類作成など親身にサポートしてくださいました。麗澤大学の充実した留学制度と先生方の温かいご支援のおかげで、念願の留学を実現できました。
關口さん:私もK-POPや韓国ドラマがきっかけでした。特に韓国ドラマを見て「いつか字幕なしで理解できるようになりたい」と強く思うようになったのです。これが韓国語を学びたいと思った最初の動機でした。
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麗澤大学に入学後、第二外国語として迷わず韓国語を選びました。学びを進めるうちにその面白さに惹かれ、英語力を伸ばすことに加えて、もう一つ言語を習得することが将来の強みになると考えるようになりました。
語学を活かした仕事に就きたいという思いもあり、トリリンガルになれば可能性が広がると感じて留学を考えるようになりました。麗澤大学には専攻言語と第二外国語を両方学べる「クロス留学」があると知ったことも、留学を具体的に意識するきっかけになりました。K-POPや韓国ドラマへの興味が入り口でしたが、大学での学びを通して韓国語や文化をさらに深く学びたいという気持ちが強くなり、留学を決意しました。
K-POPとドラマから始まる韓国語への挑戦
―留学生活で楽しかったことや苦労したことはなんですか。
關口さん:韓国留学で嬉しかったのは、新しい友達との出会いです。韓国人だけでなく、さまざまな国から来た友人と交流し、観光に出かけたり、文化について語り合ったりする中で、自分の世界が大きく広がりました。
一方で苦労したのは語学面です。韓国語は初心者レベルからのスタートだったため、授業についていくのがやっとでした。外国人向けの授業は、ウズベキスタンや中国、インドなど、さまざまな国の留学生が受講していたため、異なるアクセントに戸惑い、自分の韓国語も通じず、もどかしい思いをしたこともありました。
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大越さん:留学生活は楽しかったという一言に尽きます。また、授業を通して韓国語が上達していると実感できたことが、とても嬉しかったです。
苦労したことは、食生活です。辛いものが得意ではなかったので、寮の食事には苦戦しました。でも、それも今となっては良い思い出です。ルームメイトが日本人だったこともあり、ホームシックにならずに生活できました。
言葉は壁ではなく、扉
―授業の様子や印象深かった授業について聞かせてください。
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大越さん:韓国語能力試験(TOPIK)最上級の6級を目指して、前期ではタンデムという授業に力を入れました。この授業では、韓国人と日本人がペアを組み、お互いの言語や文化を教え合います。たとえば、アルバイトや習慣、ことわざなどをテーマに、50分×3コマ使って各々の言語で意見交換します。最初の50分は日本語、次の50分は韓国語で会話し、最後の50分でその日話したことを各自の目標言語でノートにまとめ、先生にチェックしてもらうという流れです。
前期は、日本語能力の高い韓国人が在籍するクラスに入ったため、つい甘えて韓国語と日本語を混ぜて会話をしてしまい、思ったほど語学力が伸びませんでした。そこで後期は、日本語が苦手な韓国人のクラスへと変更し、韓国語を使わざるを得ない状況に身を置いたのです。その甲斐あって、留学生活の後半では語学力が飛躍的に伸びました。
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關口さん:私は英語と韓国語の授業をバランスよく履修するよう工夫しました。日常生活では韓国語を使う機会が多いため、英語力が低下しないように意識して英語の授業も選択しました。最初は授業について行くのが大変で、先生の話が全く理解できず、とても苦労しました。毎日予習と復習を行い、そのの結果、後期からは授業にもついていけるようになり、難易度の高い授業にも挑戦できました。
授業を通して韓国の文化や社会に触れ、多様な国の学生との交流により国際感覚を磨くことができました。