卒業生の活躍
2025.08.29

【前編】英語劇で学んだ"言葉の力"が、世界をひらいた―― カナダで羽ばたく卒業生の今

【前編】英語劇で学んだ

中学1年生で英語の楽しさに目覚めた金原悠実さん。高校時代に麗澤大学の文化祭で観た英語劇に感動し、「ここで学びたい」と進学を決意しました。大学では英語劇グループに所属し、舞台に立つことで自分の殻を破り、卒業後はカナダでWebエンジニアとして活躍するまでに。挑戦を重ねる中で、何を得て、どんな景色が見えたのか。英語劇グループ顧問のトリキアン先生、OBでもある田中先生とともに、その歩みを振り返ります。 前編では、英語劇との出会いや、舞台を通して得た自信と成長、そして麗澤大学での学びについてお伺いしました。

金原 悠実
外国語学部 英語・英米文化専攻(現 英語・リベラルアーツ専攻) 2017年卒業
学生時代は英語劇グループに所属し、『青い鳥』で主要な役を演じる。卒業後は制作会社で営業職を経験後、カナダ・バンクーバーへ。専門学校でプログラミングを学び、現在は現地企業でWebエンジニアとして勤務。
トリキアン, マーウィン K.
外国語学部 教授
専門は英語教育・言語教育。長年にわたり英語劇グループの演出・指導に携わり、学生の英語力や自己表現力、協働力を育んできた。英語を「生きた言葉」として体感する教育を重視し、温かくユーモアある指導で学生の成長を支えている。
田中 俊弘
外国語学部 教授
専門はカナダ研究(歴史)。自身も麗澤大学英語劇グループの出身で、現在は教員として後輩たちの挑戦を支えている。英語を通じた自己表現や対話を重視し、授業・課外活動の両面で学生の主体的な学びを後押ししている。
目次

    英語、そして麗澤大学との出会い 

    -麗澤大学に進学を決めたきっかけを教えてください。 

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    • 金原さん:英語に興味を持ち始めたのは中学1年生の時です。初めての英語のテストで99点を取れたことが嬉しくて、「英語って楽しい!」と感じたのが始まりでした。大学を選ぶ時も「英語が強い大学に行きたい」と思い、色々と調べる中で麗澤大学に出会いました。

      進学の決め手になったのは、高校時代に麗澤大学の文化祭で観た英語劇グループの『レ・ミゼラブル』です。舞台上で堂々と英語を操りながら演じている先輩方の姿が本当に格好よくて、「この部活に入りたい」と強く思いました。

    -もともと英語での会話は得意だったのですか?

    金原さん:いえ、まったく得意ではありませんでした。小学生の時に少し習った程度で、『レ・ミゼラブル』の内容も完全には理解できていませんでした。それでも、「私もあの舞台に立ちたい」という気持ちが勝っていました。父には「本当にできるの?」と心配されましたが、「今はできなくても、やってみたい」と素直に伝えたことを覚えています。あの一歩が、すべての始まりでした。

    伝えたい一心で乗り越えた"言葉の壁"

    -英語劇グループに入ってから、いかがでしたか?

    金原さん:最初は本当に大変でした。もともと人前に立つのが苦手だった上に、トリキアン先生の英語による演出指導も、最初はほとんど理解できなかったのです。毎回、先輩が丁寧に通訳してくれて、なんとか食らいついていく日々でした。

    それでも、英語の授業を積極的に履修し、自主的に勉強を重ねるうちに、少しずつ耳が慣れてきて、先生の言葉が自然に頭に入ってくるようになりました。

    ―学生たちの成長を見て、先生方はどのように感じていましたか?

    トリキアン先生:誰でも最初は戸惑います。しかし大切なのは、英語という言語を通して「どう伝えるか」を学ぶ姿勢です。金原さんも、最初は苦戦していたものの、稽古を重ねるごとに表現力を磨いていきました。言葉の壁を越えて、想いを届けようとする過程こそが、最も価値のある学びだと思います。

    • 田中先生:新入生がつまずかないよう、上級生が自然にフォローする文化が根づいているのも、英語劇グループの大きな魅力です。

      私自身も学生時代にこのグループに所属していましたが、金原さんのように挑戦し、支え合いながら成長していく姿は、今も昔も変わりません。この文化が代々受け継がれていることを誇りに感じます。

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    仲間とともに創り上げた最高の舞台、『青い鳥』

    -特に思い出深い公演はありますか?

    金原さん:2年次生の後期に上演した『青い鳥(The Blue Bird)』です。「Light」という光の精の役を演じました。主人公の子どもたちを導く重要なポジションで、セリフ量も多くプレッシャーもありましたが、その分とてもやりがいを感じました。衣装やメイクもとても華やかで、演出も素晴らしく、今でも一番好きな作品です。

    -作品を成功させるために、どのような努力をされましたか?

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    • 金原さん:当時は朝から夕方まで授業があり、その後に稽古がありました。演技指導が終わった後は衣装づくりを手伝ってから帰宅し、そこから授業課題に取り組む毎日でした。睡眠時間も少なくて大変でしたが、「やりたい」「成功させたい」という強い想いが支えでした。

      トリキアン先生:金原さんは本当に真面目で、セリフもきちんと覚えてきますし、忙しい中でも衣装づくりやメイクにも積極的に関わってくれました。英語劇はひとつの作品を仲間と一緒につくり上げる場ですから、彼女の存在はグループにとって非常に大きなものでした。

    ―トリキアン先生の指導の中で印象的な言葉はありましたか?

    金原さん: "Strive to do better!"という言葉が一番心に残っています。「さらなる向上を目指して奮闘せよ!」という意味で、この言葉を合言葉にして練習に励んでいました。うまくいかない時も、「もっと良くできるはず」と前を向けたのは、この言葉のおかげです。

    トリキアン先生:このスローガンは、シェイクスピア『King John』の中の一節に由来するもので、私がずっと大切にしている言葉です。そしてもう一つ伝えているのは、「まず楽しむことが一番大切」ということです。舞台の準備には多くの時間とエネルギーが必要ですが、それを乗り越えた先には、必ず「やってよかった」という気持ちが待っています。

    田中先生: "Strive to do better!"という言葉は、日本人の価値観にもとても合っているとと思います。今あるものをより良くしようとする姿勢は、日本の文化や精神性とも深くつながっているからこそ、学生たちも自然と共感できるのではないでしょうか。

    舞台で育んだ力は、社会でも活きている

    -英語劇グループの経験は、今どのように活かされていますか?

    • 金原さん:一番は、「へこたれない力」がついたことです。英語劇は楽しいだけでなく、努力や困難もたくさんありましたが、「最後までやりきったときの達成感」を信じて続けていました。観に来てくれた方から「よかったよ」と声をかけられた時の喜びは、今でも忘れられません。

      舞台経験を重ねる中で、人前で話す力も自然と身につきました。社会人になってから会社のプレゼンテーション大会に出場した際、私の部署が優勝したのです。あの時、「英語劇での経験が活きたな」と実感しました。

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    田中先生:英語劇は語学力だけでなく、リーダーシップやチームワークも育てます。だからこそ、社会で活躍している卒業生がたくさんいるのです。金原さんのような姿を見ると、この活動の意義を改めて感じますね。

    授業から広がった、新たな興味と挑戦

    -大学の授業で印象に残っているものはありますか?

    金原さん:英語だけでディベートをする授業は印象に残っています。毎回テーマも難しくて大変でしたが、英語力に加えて、論理的に考える力や自分の意見を持つ姿勢が養われました。

    また、中国語の授業も楽しかったです。中華風の漫画や小説に興味があり、夢中で勉強して、中国語のスピーチコンテストにも出場しました。先生の熱心な指導もありがたく、挑戦の機会がたくさんあった麗澤大学での学びは、今の私の原点です。

    ―後編では、麗澤大学の魅力や卒業後の進路選択、カナダでの仕事、そしてこれからの夢についてお話を伺いました。

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