 
高校時代にアメリカへ留学した時、友人に「"私は"と"私が"ってどう違うの?」と聞かれ、言葉に詰まった――その経験から「日本語をきちんと学びたい」と強く思うようになった麗澤大学卒業生の渡部梨沙さん。学生時代には異文化交流や学園祭、ゼミナール活動などで多彩な経験を重ね、現在は日本語教師として活躍しています。 大学での学びがどのように現在につながり、そしてどのような未来を描いているのか。前編では、日本語教育に興味を持ったきっかけや学生時代の学びなどについて伺いました。

(現 国際学部 国際学科 日本学・国際コミュニケーション専攻 2018年3月卒業)
アメリカ留学で気づいた"日本語の奥深さ"
 
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高校時代、私は1年間休学してアメリカに留学しました。幼い頃は母親とメキシコにホームステイに行くなど、海外に触れる機会はありましたが、長期滞在はこれが初めての経験でした。ある時、現地の友人から「"私は"と"私が"ってどう違うの?」と聞かれ、言葉に詰まってしまいました。普段当たり前に使っていた日本語なのに説明できない。その瞬間、自分は日本語について何も知らないことに気づき、強い衝撃を受けました。この経験こそが、将来の進路を決める大きな転機となりました。 
また、アメリカの同世代は政治や歴史、言語などについて自分の意見をしっかりと持ち、積極的に発言していました。それに比べて、私は試験のためだけに知識を覚えてきたことに気づき、このままではいけないと強く実感したのです。
「日本語や日本の文化について、きちんと勉強したい」。そう考えるようになり、帰国後はその想いを軸に大学を探しました。数校を見学した中で、麗澤大学のオープンキャンパスを訪れた時に、緑あふれるキャンパスや少人数制の中で学べる環境に惹かれました。家族も一緒に見学し「ここなら安心できる」と言ってくれたことが決め手になり、進学を決めました。
この時芽生えた「言語を深く学びたい」という気持ちは、大学生活での選択や経験を通してさらに強まり、やがて日本語教師という職業選択にもつながっていきます。
寮生活から始まった異文化交流
入学後は当時あった学生寮に入り、2年半ほど3人の留学生と共同生活しました。冷蔵庫や食卓も共有していたのですが、ある日扉を開けるとキムチの匂いが広がり、見たことのない調味料や野菜が並んでいて驚いたのを覚えています。最初は戸惑いましたが、「これどうやって食べるの?」「私も食べてみたい!」と声をかけるうちに、一緒に食事をつくったり食卓を囲んだりするようになりました。
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こうした共同生活は、麗澤大学が多くの留学生を受け入れているからこそできた経験です。国や文化が違っても、生活をともにすれば理解し合える。その実感は「知らないから避ける」のではなく「知らないからこそ試してみたい」と思える姿勢を育ててくれました。 寮だけでなくキャンパス全体にも多様な国籍の学生がいて、授業やイベント、日常の会話までもが異文化交流の機会になります。自然に視野が広がっていく環境があるのも、麗澤大学の良さだと感じています。 
 
仲間と意見を交わすことで強くなれた
 
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大学時代、特に印象に残っているのは、学園祭実行委員会での活動とゼミナールでのディスカッションです。 学園祭実行委員会には友達に誘われて軽い気持ちで参加しましたが、活動を続けるうちに本格的に関わるようになりました。2年次には上級生が抜け、急に広報リーダーを担当することに。楽しく取り組んでいた活動が一転、責任ある立場となり、先輩から厳しく指摘を受けて「私ってダメなのかな」と悩む日々もありました。それでも仲間に支えられながら続ける中で、人をまとめる立場へと成長していきました。 
リーダーとは前に立って引っ張るだけではないことも学びました。「この範囲は自由にやっていい。責任は私が取るから」と任せるスタイルの方が自分には合っていると気づき、3年次には委員長として学園祭全体を、4年次には学友会会長として組織をまとめました。就職活動と重なり後輩に任せすぎた反省もありますが、その経験も含めて貴重な学びでした。
一方で、授業ではゼミナールでのディスカッションが印象に残っています。「グローバルと異文化の違い」といったテーマで学年を超えて自由に意見を交わし、正解のない問いに向き合いました。その中で私は「人の意見を否定せず、自分の考えを伝える」姿勢を大切にするようになりました。違う意見を受け入れることで自分の視野が広がり、学園祭でのリーダー経験とも重なって、自分の成長を実感しました。
麗澤大学の魅力は"つながり"にある
麗澤大学の一番の魅力は、在学中、そして卒業してからも続く「つながり」だと思います。私は在学中から同窓会組織の運営に携わり、卒業生を招いたパーティーを企画していました。卒業後も大学のイベントにはよく参加しており、先生方に「お久しぶり」と声をかけていただくことがあります。1年次に授業を受けただけの先生が十年以上経っても覚えていてくださったこともあり、その時は本当に感動しました。
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さらに、ホームカミングデイや同窓会では、後輩たちと顔を合わせる機会もあります。コロナを経てからは「学生がやりたいことを持って行動する姿勢」が一層強くなったと感じていて、社会人として大学を訪れると、世間話をしたり、ちょっとしたアドバイスをしたりすることもあります。在学期が重なっていなくても、先輩・後輩として自然に交流できる距離感があるのは、麗澤大学ならではの特徴だと思います。 先生と学生の間に壁がなく、相談すれば親身になって話を聞いてくださる。卒業してからも、先生方や後輩たちとのつながりが続いていく。その関係性は、私にとって大きな財産であり、支えになっています。 
 

 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
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