教職員
2017.10.25|最終更新日:2022.03.30|

大学で学んだ中国語を一生の武器にしてほしい。一人ひとりの発音にも目配りを

大学で学んだ中国語を一生の武器にしてほしい。一人ひとりの発音にも目配りを

麗澤大学ではネイティブな外国語を学ぶためにグローバル教員も多数在籍しています。その中から今回は、中国語・グローバルコミュニケーション専攻の温 琳 准教授にお話を聞いてみましょう。世界でもトップクラスに発音の難しい中国語ですが、少人数制のメリットを活かした質の高い授業をしています。

温 琳(WEN Lin)
外国語学科 中国語専攻 准教授
中国・山西(さんせい)省出身。山西大学外国語学部日本語学科卒業。その後日本へ留学、大東文化大学外国語学研究科中国語学専攻修士課程、神奈川大学外国語学研究科中国言語・文化専攻博士課程をそれぞれ修了。他大学での非常勤講師も務めながら、麗澤大学外国語学部の准教授に就任。同じく中国語教員という日本人の夫と娘とともに日本で暮らす。
目次

    近いけれど知らない国、日本との縁

    192-1.jpg

    私の出身は中国・山西省。内モンゴル自治区に隣接した、冬はとても寒い地域です。私は外国語を勉強するために大学へ進学しました。正直に申し上げますと、第一志望は英語でしたが枠がいっぱいで選べず、第二志望としていた日本語を専攻することになりました。日本に行ったこともなければ、日本のこと自体よく知らなかったのですが(笑)、中国から近い国ということで第二志望にしたのです。

    とにかく「何か外国語を学びたい!」という気持ちが強かったですし、日本語という言語への興味もあったので、ネイティブの指導官の元で勉強に励みました。卒業後はそのまま山西大学の教員になりました。本格的に教壇に上がる前に、大学側から日本行きを勧められて留学を決意。日本語学習者としてはずっと日本に行きたいと思っていたので決意は固かったです。まさか、そのままずっと日本に滞在するとは(笑)。

    学生の中国語発音をうまくしたい!

    192-2.jpg

    麗澤大学の教員になる前は、日本の他大学で中国学科の指導教官の助手をしていました。この時、接している学生の中国語の発音がとても気になったんです。もっとネイティブに近い、流暢な中国語を話せるようにするには、どう伝えて、どのように教えれば良いのか。麗澤大学に着任後も、発音は指導の重点ポイントとなっています。いくら中国語の文法が完璧でも、単語を知っていても、発音がうまくできないと正確に伝わらないからです。

    192-3.jpg

    麗澤大学で中国語を勉強したい人は、心に留めておいてください。1年次には最初の2ヵ月間、中国語専攻の学生も第二外国語で中国語を選択した学生も、授業では発音を徹底的にトレーニングします。日本人にとって、漢字は他の国の学生よりも親しみやすいですよね。日本と中国で同じ漢字もあるし、どことなく漢字から意味を推測できるものもあるので、比較的覚えやすいと思います。欧米圏からの学生はこのあたりが大変なので、それだけでも恵まれています。

    けれども発音は、欧米圏の学生の方が発音しやすいようです。日本人にとっては中国語の発音は特殊で難しいと感じるかもしれません。日本語にはない発音の仕方がたくさんありますし、口の動かし方が全く違うからです。中国語学習で戸惑う1つですので、最初にまとまった時間を充ててしっかり習得するのです。英語と違って、ほとんどの学生が、大学で初めて中国語にトライします。不安はあるかもしれませんが、まずは発音から徐々に解消してほしいですね。

    一人ひとりの口の動きをフォロー。最適な中国語発話を目指す

    192-4.jpg

    私は中国語専攻の学生と第二外国語として中国語を選択した学生、特に1〜2年生を対象に授業を受け持っています。第二外国語の授業は週2コマあるので、日本人の先生とペアを組んでいます。最初に日本人の先生がその週で学ぶ言葉や文法を教えて、その教わった内容をベースにネイティブとして授業を行います。リスニングはもちろんですが、特にスピーキングの練習をしてほしいので、習った会話の内容を使って、私と学生が話をする時間も必ず設けています。

    麗澤大学の仕組みでとても良いところは、少人数制(10~20人)の授業スタイル。授業では、学生を前に「これでやっと私の理想の語学教育ができる!」なんて思って教えています。例えば、私は授業中によく学生の口の動きを注意して見ています。

    192-5.jpg

    中国語が適切に発音されているか確認するためです。少人数だと発音練習をしても一気に見渡せるので、正しい口の形をしていない学生を見つけたら、個別でフォローできます。もし何人か似たような間違いをしていた場合には、重点的にその発音を練習します。もしこれが倍の40名くらいの授業になると、個別のフォローをするのはかなり難しい。一度の発音で40人全員は見切れないからです。

    中国語は発音が大事ですので、麗澤大学の少人数制の授業スタイルで学習できると実践感覚も掴みやすいでしょう。学生からは、「よく当てられる」「授業中に休む暇がない」「すぐ注意される」なんて言われていますが(笑)、そうしないと中国語の発音は習得できないと思います。中国語を学ぶ意欲の高い人ほど、最高の環境と言えると思います。

    そしてせっかく教えるのであればきちんと将来に活かせる、使える中国語を習得させたいと思っていつも授業を受け持っています。中国語専攻の学生達は目的意識が高い学生が多いです。私の最初の授業では「将来の夢」について書いてもらいますが「世界中を飛び回る職業を目指している」「化粧品関係の仕事に就いて日本の化粧品を中国に紹介したい」など具体的に中国語を身につけた後の自分をイメージしている人が多い。そうした高い目的意識に応えられる授業をこれからも提供していこうと思います。

    中国語でのアウトプットを意識して!

    192-6.jpg

    世界各地に華僑がいたり、チャイナタウンがあったり、中国語が武器だと感じる場面に今までも、またこれからもたくさん遭遇するはずです。中国語を皆さんの武器にしてほしい。一生困らない武器になると思います。

    上達のためには、中国語で話すこと。なるべく中国語でのアウトプットを心がけてほしいですね。語学学習がある程度進んでくると、あとは学習者のアウトプット次第だと思います。間違えることを恐れないで、間違いに対して指摘するのがネイティブ教員である私の役割。嫌われ役ですね(笑)。でもその繰り返しで必ず上達します。

    私の中国での学生時代は、日本人の先生を取り合うほど(笑)。
    ネイティブと話をして日本語がうまく話せるようになりたいと必死でした。でもそのおかげで今の私がいますから。今度は私が麗澤大学の少人数制授業で少しでも再現できればと奮闘しています。皆さんと会える日を心待ちにしています!

    この記事を読んだ方にオススメ

    将来的に起業を考えていたり、グローバルビジネスに携わりたいのなら中国は切っても切り離せません。取引先と通訳なしでコミュニケーションが取れるようになれば、ビジネスのレベルも加速します。まさに一生使える武器になるわけですね。ほかにもこの記事をご覧になった方にオススメの記事をご紹介します。

    外国語学部の授業の様子
    卒業生へインタビュー

    SNSでこの記事をシェア