【麗澤大学監修】近年、経済発展が著しい中国はビジネス上でも魅力があり、中国語を学ぶのにメリットが多いでしょう。中国語は英語の次に話されている言語で、中国語を使っている人は世界中で11億2000万人を超えるといわれています。もし中国語を話すことができれば、これからの社会でプラスに働くでしょう。 麗澤大学は1960年に中国語学科を設立し、長年中国語教育に力を入れおり、総合的に中国語を勉強できる環境を整えています。そこで、麗澤大学の齋藤貴志先生に初心者でもできる中国語の勉強方法をはじめ、学習手順やメリット、お役立ちツールを紹介してもらいました。
中国語初心者の勉強法
普段の生活で漢字を使っている日本人には、中国語は馴染みがあって親しみやすい言語です。日本で使用されている漢字とは、表記体系や意味が異なってはいますが、日本人には意味がわかりやすい傾向にあります。基礎学習としてピンインや声調をマスターすれば、正しく伝わる発音が習得できます。同時に、中国語の文法も勉強しましょう。ここでは、中国語初心者向けに3つの勉強法について説明します。

1.発音を学ぼう
「中国語の第一関門は発音」といわれるほど発音が重要視されます。ピンインや声調が違うだけで違う意味になってしまうのが、中国語です。中国語学習者には、ここが難解に感じるところです。ピンインや声調をマスターできれば、正しい中国語の発音にグッと近づきます。そこで、発音に必要なポイントを3つ紹介します。
ポイント01:母音を強調して発音
中国語は「母音を強く発音する」という特徴があります。四声を表す声調記号も母音の上についているので、子音よりも母音を意識して強調しましょう。中国語が通じない場合の多くは、母音の発音が間違っていることがほとんどです。
まずは、正しい母音の発音をマスターしましょう。原則として中国語の母音は、子音によって変化しません。6つある単母音「a、o、e、i、u、ü」を覚えることは、中国語を学ぶうえで欠かせません。正確な発音はリスニング力向上にもつながるため、母音の発音を意識しましょう。
ポイント02:ピンインをローマ字読みしない
中国語の振り仮名をピンインといいます。アルファベットで表記されているので、ローマ字読みで発音してしまいがちですが、ピンインの読み方は別物です。似ている発音はあるものの、口の形など違うところが多いので注意しましょう。
例えば、ピンインで「e」と記載されていて「エ」と読んでしまうと、中国語が通じない原因になってしまいます。最初にピンインの正確な発音を覚えることが、中国語マスターへの近道です。
ポイント03:抑揚・高低を意識して発音する
中国語の発音をマスターするコツは、大きく2つあります。
1.口を大きく開けて発音をすること
口の開きが足りないと、発音がうまくいきません。少し大げさな程度でちょうどいい場合もあるので、最初のうちは恥ずかしがらずにオーバーに発音してみるといいかもしれません。
2.意識的に第一声を高くとること
第1声を高くとることで、第3声(低い平)と第1声(高い平)の幅が広がり、各声調の区別がよりはっきりつきます。

2.単語を学ぼう
私たちに1番馴染みのある外国語は、おそらく英語です。そのため、英語を使った簡単な例を紹介します。英語は人称(1人称、2人称、3人称)や時制(現在、過去、未来)、代名詞の格(主格、所有格、目的格)などによって単語の形が変わりますが、中国語にはそのような単語の変化はありません。
まず英語では、主語が「I」か「he」によって動詞「love」が変化します。現在形の場合は「he」のとき三単現の「s」がつき、過去形の場合は「loved」に変わります。一方、中国語では、主語が「我」でも「他」でも、時制が現在でも過去でも動詞の「爱」が変化することはありません。
例)英語では動詞が変化する
英語 :I love you.
中国語:我爱你。
英語 :He loves you.
中国語:他爱你。
次は、代名詞の格変化の例です。英語では、目的語の位置に目的格である「me」「him」「you」を置かないといけませんが、中国語では、「我」「他」「你」を主語の位置と同様に置くことができます。
例)中国語では動詞が変化しない
英語:You love me.
中国語:你愛我。
英語:You love him.
中国語:你愛他。
3.文法を学ぼう
中国語の文法構造は基本的に英語と似ており、「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)」の語順で成立しています。また、目的語が2つある場合は「S(主語)+V(動詞)+O1(目的語1:人)+O2(目的語2:物)」となります。先に「人」、後に「物」の語順になるのが基本ルールです。
この基本構造を理解するのが、中国語の文法を習得するうえで土台となります。もちろん、中国語独自の文法もあります。中国語の文法は数学の公式のようであり、文法を覚えて単語を当てはめると正しい文章ができます。中国語を効率よく習得するには、文法をマスターすることが重要です。
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中国語の効果的な学習手順
中国語の効果的な学習手順も、他の言語と同じです。学習目標を立て、基本的な単語と文法を覚え、中国語を聞いたり話したり書いたりしながらインプットとアウトプットを地道に繰り返すことが大切です。
1.学習目標を立てよう
他の言語と同様に、中国語の習得への近道も目標を立てることにあります。語学学習では、モチベーションを持つことは大切です。目標があることで、モチベーションを維持しやすくなります。人によって中国語を学びたい理由がさまざまあると思います。それを目標とし、勉強をスタートしてみましょう。
「中国人留学生と日常会話を楽しみたい」
「中国で働きたいので、ビジネス会話までマスターする」
「中国語を学んで、1人で台湾旅行を満喫」
「学生のうちに中国語検定準1級を取得したい」... etc.
2.ディクテーションをしたりフレーズを覚えたりしよう
中国語を話せるようになるためには「多聴多読」がポイントです。これは「たくさん聞いてたくさん話す」という意味の中国語です。その方法として、ディクテーションがおすすめです。ディクテーションとは、音声を聞きながら一語一句すべて書き取る学習方法のことです。
何度も繰り返し音読したり、自分自身の発音を録音して聞き返したりしながらアウトプットしましょう。ほかにも、中国語のSNSやニュースなどを活用して言い回しや口語表現を覚えたり、ドラマや音楽、映画などでシチュエーションに沿ったフレーズを覚える方法もあります。
3.HSK(Hanyu Shuiping Kaoshi)を受験しよう
中国語の主な検定試験には『HSK』や、『中国語検定試験』などがあります。実力試しとして検定取得を目指す人は、中国政府公認で世界共通資格の『HSK』がおすすめです。理由は、HSKが世界共通の資格だからです。
大学によってはHSKの上級レベルの資格を取得していれば、中国留学時に奨学金を受けられたり中国進学の後押しになったりします。また、ビジネス上においては中国企業や国内企業への就職や国際的なキャリアアップができたりと、将来の可能性が広がります。
中国語検定試験は、日本中国語検定協会が主催する日本独自の検定試験です。日本語と中国語の相互理解が求められるので、中国語を扱う日本の企業に就職したい人におすすめの検定となっています。
※参考:HSKとは(HSK)
中国語の勉強に役立つおすすめツール
中国語を勉強する方法には、語学スクールやオンラインレッスンなどもありますが、YouTubeやアプリなどを使えば気軽に始められます。補助教材として使うのもおすすめです。
中国語のSNSやアプリを利用する
まずは中国語に触れてみるという意味ではアプリ、YouTubeなどの各種SNSが有効です。好きな中国人アーティストやSNSインフルエンサーなどを見つけてチェックしてみましょう。中国版のインスタグラム「小红书」や、中国版YouTubeといわれる「ビリビリ」なども、今の中国カルチャーを学べます。
■アプリ
NHKゴガク アプリ
「声調確認くん」があり、自分の声調とお手本の声調を比べられたりします。
■モジュール
東外大言語モジュール|中国語 (tufs.ac.jp)
東京外国語大学が作成した言語モジュールです。
中国語のニュースをチェックする
今起こっているニュースを中国語でチェックすると、現在の習得レベルや理解できない単語を知るきっかけになります。時事用語がわかれば、ビジネスにも直結します。また、中国のポータルサイトを活用すれば、中国や台湾の大学の授業を見られます。
■ニュース
新闻提要 | NHK WORLD-JAPAN News
■ポータルサイト
中国大学视频公开课_网易公开课 (163.com)
最新上線 - 臺大開放式課程 (NTU OpenCourseWare)
中国語を学ぶメリット
近年、中国は世界に影響を与える経済大国になっており、中国語を学ぶ人も増えています。それは貿易や観光産業への中国の影響は大きく、日本人の生活から切っても切れない中国製品の存在や、中国から観光客として大勢が来日している事実を見ても明らかです。ここでは、中国語学習で得られるメリットを紹介します。
1.約11億人と意思疎通ができる
1つ目は約11億人もの人と意思疎通ができるようになることです。中国語を話す人は世界に約11億人いるといわれており、中国語を話す国や地域は中国本土だけではありません。シンガポールや台湾、マカオなども、公用語は中国語です。マレーシアにも華人が多く、中国語が第2言語として話されています。意思疎通ができれば生活はもちろん、ビジネスにも役立ちます。
【世界の話者人口】
1位 英語:15億人
2位 中国語:11億2000万人
3位 ヒンディー語:6億人
※参照:The most spoken languages worldwide in 2022
2.ビジネスチャンスがある
ビジネス面でも、中国語を勉強するメリットは大きいです。2021年4月には、IMF(国際通貨基金)が発表した経済見通しで中国の経済成長率を8.4%としました。2021年1月時点の予測値である8.1%から上方修正されたという発表です。2011年には、中国が日本を抜いています。
中国語は中華圏のみならず、さまざまなシーンで使う機会がある言語となりました。日本を訪れる外国人の3人に1人が中国人といわれる昨今、国内でも中国語を使うシーンは多数あります。中国との取引や中国の方をもてなす機会など、中国語が話せる人材を求めている企業も多く存在します。
そのため、中国語ができれば就職活動にも有利です。ホテルや旅行会社はもちろん、海外営業やCA、貿易関係、通訳・翻訳など就ける職種も広がります。
3.視野を広げるきっかけになる
近年、中国ではIT分野が急成長しています。広大な敷地で栽培をしている大規模農場で種蒔き、施肥、薬剤散布などの作業をドローンで実施したり、日常になりつつある電子決済もいち早く取り組み、公共料金や医療費の支払い、屋台での会計にもQRコード決済が使えるようになっています。
また、中国の企業が配信しているデジタルサービスには、世界的にヒットしているSNSやゲームもあります。どこかで知らず知らずのうちに目や手に触れていたりするかもしれません。中国語を学ぶと中国自体に興味が湧き、さまざまな文化に触れることによって視野を広げるきっかけになります。
麗澤大学外国語学部「中国語・アジアグローバルコミュニケーション専攻」で学べること
麗澤大学の中国語・グローバルコミュニケーション専攻では、語学力はもちろん、ビジネスに必要な知識とセンスを学べます。1960年(昭和35年)から中国語の指導をしてきた麗澤大学では、中国語の「発音」に力を入れて指導しています。入学時より発音とリスニングの基礎を徹底して身につけ、2年次からは中国語のみで進められる実践的な授業もあります。3年次には原則として全員が中国や台湾に留学し、中国語をはじめ、現地の文化を学んでコミュニケーション能力を磨きます。
口と耳を鍛えるカリキュラムだからこそ、一生モノの中国語が習得できます。中国語のみならず、英語も4年間を通じて勉強できるので、トリリンガルも夢ではない環境です。ビジネスはもちろんのこと、環境問題や人々の暮らし、中国・台湾、アジアの歴史や現状など、グローバルな視点で考え方を学び、社会で活躍する人材の育成を目指しています。
麗澤大学には中国語を学ぶ環境が充実している
麗澤大学は、実践的に中国語を学ぶ環境を整備しています。学生寮には「多聴多読」を合言葉にチャイハウスを設けています。また、校舎に設置されたスペース「iFloor」があり、グローバルな先生や多国籍の留学生と交流したり、1対1で指導を受けられます。
ほかにも、ここでは中国語をビジネスレベルで話せるナショナルスタッフが同僚や取引先と円滑なコミュニケーションを図りながら業務を進めており、中国語に関する相談も可能です。中国語習得のため、積極的に活用してみましょう。
iFloorを活用して日常的に中国語を実践できる
校舎に設置されたスペース「iFloor」では、多国籍のグローバルな先生や留学生と交流したり、1対1で英作文指導を受けられるシステムもあります。麗澤大学の卒業生には、グローバルな活躍をしている人が多数おり、中国語の文献を読み解けるほど語学能力を鍛えた先輩もいます。
先輩曰く「私のように中国語と英語の2か国語をビジネスレベルで使いこなせる人材は少ないのが現実で、日々中国語と英語を駆使してナショナルスタッフの同僚や取引先と円滑なコミュニケーションを図りながら、業務でも結果を出せると自負しています」
【麗澤大学 外国語学部・齋藤 貴志准教授】

職名:准教授
学部/学科:外国語学部/外国語学科
専門分野:中国語学、中国語教育
研究テーマ:中国語テスト、現代中国語の語彙・語法
取得学位:
・修士(言語学)(東京外国語大学)
・学士(文学)(麗澤大学)
麗澤大学公式サイト:齋藤 貴志 准教授
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