編集部
2022.02.25|最終更新日:2022.05.26|

中国語の発音は難しい?麗澤大学教員が教える発音上達のコツや勉強方法を解説!中国語の特徴を知ろう

中国語の発音は難しい?麗澤大学教員が教える発音上達のコツや勉強方法を解説!中国語の特徴を知ろう

【麗澤大学監修】中国語の発音がむずかしくて悩んでいませんか?今回は中国語教育に歴史がある麗澤大学の中国語・グローバルコミュニケーション専攻の先生に、発音上達に向けてのコツや勉強方法を聞いてみました!あなたもこの記事を読んで、苦手な中国語の発音を克服しましょう!

目次

    中国語を勉強しているみなさん、発音がむずかしくて悩んでいませんか?今は中学校、高校によっても、選択授業の中で中国語を選択できる学校もあり、中国語に触れる機会が増えた人もたくさんいるでしょう。中国語の第一関門は発音と言われており、正しい発音方法を身につけることができれば、あなたの中国語のレベルは格段にあがります。

    1960年(昭和35年)に中国語学科を設立した歴史ある麗澤(れいたく)大学では、とくに中国語の「発音」に力をいれて指導しています。今回はそんな麗澤大学の中国語・グローバルコミュニケーション専攻の先生から中国語の発音が上達するためのコツと勉強方法を教えていただきました。発音のコツをしっかりと身につけて、これからの社会で十分に通用する、使える中国語を習得しましょう!

    中国語の特徴

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    まずは中国語の特徴を見ていきましょう。

    中国語「汉语(漢語)」とは?

    「汉语(漢語)」とは、漢民族で使われている言語のことです。

    中国では各地域ごとにさまざまな言葉が話されてきました。その地域ごとの言葉は、北京語、上海語、広東語などさまざまで、「方言」と言ってもお互いに聞いてもわからないほどの差があります。

    同じ漢民族といっても地域ごとに話す言葉が異なり、昔の王朝時代はわからなくても困らなかったのですが、現代中国では「国家の指導者が何を話しているのか聞いてわからない!それは、困るし意思疎通ができないのは不便だ」ということで1949年の中華人民共和国成立後、政府は標準語である「普通话(普通話)」を制定し、その普及に努めてきました。

    現代中国は56の民族に分類され、人口の9割以上を占める漢民族と残り55の少数民族からなる多民族国家です。その9割以上の漢民族の間で話されているという意味で、その言語を「汉语(漢語)」と呼び、今ではみなさんが勉強する一般的な中国語のことをさします。この「汉语」の表記は、「汉」は漢字の漢、「语」は漢字の語を中国で使われている漢字簡体字にしたものです。また中国語のことを「中文」とも言いますが、「汉语」も「中文」も意味はほぼ同じように使われています。

    中国で使用されている漢字

    「汉语(漢語)」のように、中国で使用されている漢字は「簡体字(かんたいじ)」です。

    中華人民共和国の成立後、多くの人が漢字の習得をしやすいようにできるだけ漢字の画数を少なくし、統一する改革が行われました。その結果、現在の中国では簡略化された文字、すなわち「簡体字」が使われています。一方、香港や台湾、東南アジアをはじめとする世界の華僑社会の一部では、現在でも簡略化されていない文字、繁体字(はんたいじ)が使われています。

    以下で日本語の常用漢字、簡体字、繁体字を比べてみましょう。

    日本語の常用漢字 簡体字 繁体字

    図書館

    图书馆

    圖書館

    劉備

    刘备

    劉備

    日本語は漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字など様々な文字を使用して表記されますが、中国語は基本的に漢字のみで表記されます。もちろん外来語も漢字に変換して表記します。

    たとえば、パソコンは「电脑(電脳)」となります。

    ちなみに、外来語は意訳だけではなく、音訳、意訳、意訳+音訳など工夫がされていて、漢字ですべてを表そうとする中国語の面白さの一端が見てとれますね。

    コーラは「可乐(可楽)」、アイスクリームは「冰淇淋(冰淇淋)」など。

    ピンイン(拼音)とは?

    このように中国語は基本的に漢字のみで表記されますが、どのようにしてこれら漢字の音を知ることができるのでしょうか。

    そんなときに役に立つのがピンイン(拼音)です。

    ピンインとは1958年に中国で公布された「漢語拼音法案」という表記法で、中国語の音をローマ字で表記したものをいいます。英語の発音記号のようにアルファベットで表記されたよみ仮名のようなものです。

    【例】
    日本:日本(日本)Rìběn←ピンイン

    中国語は母音が36個、子音が21個あり、これらを組み合わせて約400あまりの音になります。日本語の母音は「あいうえお」の5種類に対し、中国語は36種類。400通りも覚えるのは大変だと思うかもしれませんが、基本の母音と子音を覚えることができれば、あとは組み合わせていくだけなので、実はそれほど難しいことではありません。

    声調とは?

    声調(せいちょう)とは、中国語の意味を区別するために音節にトーンをつけたものです。中国語の「普通话(普通話)」の音節には、音の高低や上げ下げの調子があり、それを声調(せいちょう)と言い、その高低を表す記号を声調記号といいます。

    声調イメージ (1).png

    声調は第1声、第2声、第3声、第4声の4種類があり、四声(しせい)とも呼ばれます。このほかに、前の音節について軽く短く発音される軽声(けいせい)があります。

    第1声

    高く平らに

    妈(お母さん)

    第2声

    一気に上がる

    麻(麻)

    第3声

    低く抑える

    马(馬)

    第4声

    一気に下がる

    骂(ののしる)

    ※母音の上についている声調を表す記号を声調記号と言います。

    母音と子音が同じでも声調が異なると意味が異なるため、声調はとても重要です。

    たとえば中国語でパンダは「熊猫」と書いて「xióngmāo」と発音します。このとき声調は「第2声(xióng)+第1声(māo)」の組み合わせです。これを間違えて「第1声(xiōng)+第2声(máo)」の組み合わせ、つまり「xiōngmáo」と発音してしまうと、「胸毛」というまったく異なる意味になってしまいます。

    それだけ声調を意識して発音することは大切なんですね。

    中国語の発音上達のコツは4つ!

    中国語は、言葉そのものが音楽のように抑揚があり、美しく聞こえることがあります。その一方、ハキハキとした発音はまるで喧嘩をしているようだと感じる人もいるでしょう。しかし、多くの日本人が話す中国語は、もごもごとしていて抑揚がなく、わかりにくいと言われてしまいます。確かに中国語の発音は簡単とは言えませんが、ちょっとしたコツを意識すれば格段に中国語の発音はよくなります。

    ここでは発音上達にむけたコツを解説したいと思います。

    コツ1:母音を強調して大きな声で発音

    中国語の発音の特徴として、中国語では子音よりも母音を強く発音しています。子音を意識しすぎると声調も違って聞こえるため、とくに母音を意識しましょう。基本的に声調記号は母音の上についているので、母音を意識して強くすると中国人の発音に近づきます。中国語は音に抑揚があります。中国語が音楽のように聞こえるというのは、無意識のうちにはっきりと音に抑揚がつけられているためですね。大きな声で発音するのも、抑揚をつけるために大切なことなのです。また、ワントーン高めに声を出すのも音の幅を広げ発音を良くするためのコツのひとつですよ。

    コツ2:無気音と有気音を意識して区別する

    中国語の子音を発音する特徴として有気音と無気音と呼ばれる発音があります。有気音とはしっかり息を吐きながら発音する音のこと、無気音とは息を抑えて発音する音のことです。日本語では一般的に「タ(ta)」、「ク(ku)」といった清音(せいおん)、「ダ(da)」、「グ(gu)」といった濁音(だくおん)の区別があります。

    中国語にもピンインの表記では、ta、ku、da、guとなる音があります。しかし、これらはすべて清音です。そしてじつは中国語の「普通话」に濁音はありません。かわりにあるのが有気音と無気音です。

    ta、kuは有気音と呼ばれるものに属し、息を強く出して発音します。最初の子音の部分は息だけで発音し、母音の部分であとから音がついてくるイメージです。

    da、guは濁音を表しているように見えますが、実はこれらは無気音と呼ばれるもので「ダ」や「グ」とは発音せず、「ター」「クー」と息を抑えて音だけで発音します。

    清音、濁音がないかわりに、中国語ではたくさん息が出るのか、出ないのか、この無気音と有気音を区別すること、何よりも無気音を濁音で発音しないこと、これらのことがしっかりできるようになると、より中国語らしいきれいな発音になります。

    コツ3:ピンインをローマ字読みしない

    中国語のピンインは、中国語の「音」を便宜的にローマ字で何とか表記しているものです。英語を勉強してきた方に多く見られるのですが、ピンインをローマ字読みするとうまく発音できないことが多々あります。

    中国語の音節は母音、子音、声調の3つの要素から成り立っていて、母音と子音については日本語とは大きく異なる音があります。たとえば、母音の「e」、子音の「zh」などが当てはまります。

    さらに、日本語と似ているような音でも違いがあります。たとえば母音の「u」は唇を突き出してのどの奥から発音します。唇を突き出さずに発音する日本語の「ウ」で代用することは絶対にできません。したがって、ピンインの表記をそのままローマ字読みをしても正しい発音とは言えず、中国の人との意思疎通も難しいでしょう。

    コツ4:リスニングを極めよう

    どの言語にも共通していますが、中国語の発音を習得するためには耳から学ぶということが非常に重要です。

    「da」と「gu」というピンインを目から覚え、それをローマ字読みしても、中国語の発音の上達にはつながりません。繰り返し音を耳から聴いて音の違いを理解し、その通りに発音する訓練を積み重ねていくことが上達への道です。

    声調の習得も同様です。先ほど第2声は一気に上がる音であると説明しましたが、中国語学習者のうち、第2声が上がりきらずに中途半端な音の高さで発音し終わってしまう人が少なくありません。さらに、一音節の場合は問題なく発音できていても、二音節以上になると途端に声調がぶれる人も多くいます。特に「美国 Měiguó(アメリカ)」、「导游 dǎoyóu(ガイド)」といった「第3声+第2声」の組み合わせは難関です。

    したがって、ある音はどんな音か知識として知っていても、実際にどのくらいの高さまで上がる音なのか、ある声調とある声調が組み合わさったときの音はどのようなものかなどは、やはり実際に音を耳からたくさん聴いて理解し、その音のイメージを構築する必要があります。

    麗澤大学で徹底的に中国語を学ぶ

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    【麗澤大学:中国語・グローバルコミュニケーション専攻の特色】

    • 発音に力を入れている
    • 「中国語」「英語」「ビジネス(語学力を社会の現場に生かす)」の3つの柱を学ぶ
    • 1年次から3年次まで週5コマ以上の演習授業で実践的に学ぶ
    • 全員留学→全員が留学へ、現場で学び続ける力をつける

    1960年(昭和35年)に中国語学科を設立し、50年近く中国語の指導をしてきた歴史ある麗澤(れいたく)大学。とくに中国語の「発音」に力を入れて指導しています。

    麗澤大学の中国語・グローバルコミュニケーション専攻では、少人数のクラス設計のため、教員は発音する学生一人ひとりの口元をみて発音指導をおこないます。決して簡単ではありませんが、4年間、本専攻で中国語を学び社会にでた卒業生は、発音に自信をもっているので現場で使うことをためらわず、仕事で使いながらさらに伸びていくことができます。

    また、麗澤大学の中国語・グローバルコミュニケーション専攻では、「中国語」「英語」「ビジネス」の3本柱を学びます。中国語だけでなく英語にも磨きをかけ、日本語と合わせて3つの言語世界を生きるトライリンガルを目指します。

    3年次には原則として全員が中国や台湾に留学し、中国語だけでなく英語も学び2言語のレベルアップを目指すことができます。また大学内では世界各国から集まった教員とともに、授業以外でも聞く・話す機会に溢れる実践的な環境の中で語学力を高めます。英語、中国語の力を高めながら、その語学力を社会にどのように生かすのかについて、ビジネスやフィールドワークでの学びを通じて考え、将来多様な文化や世界観が錯綜する社会を生き抜く力や社会の変化にチャレンジしていくマインドを身につけることができます。

    卒業までに目指すレベルは、中国語検定資格「新HSK」(漢語水平考試)の上級レベルに相当する「5級、240点以上(300点満点)」。3年次終了までに、全員が「5級210点以上」をクリアする実力をつけていきます。

    あなたも麗澤大学で徹底的に中国語を学んでみませんか。

    麗澤大学の先輩の声

    【ゼロから学べる新たな言語(中国語)との出会いと学び】
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    • ■山﨑 沙緒里さん
      2009年 外国語学部中国語学科(現在の中国語・グローバルコミュニケーション専攻)卒業

    中国語は発音が命。最初の3カ月くらいは徹底して中国語の発音の「特訓」です。この時の鍛錬がその後の中国語学習の大きな礎になります。日本語に存在しない音を聞き分けるのは、かなり難しいことです。日本人には同じように聞こえても、中国語ではまったく違う音であり、意味も異なります。発音や音程をしっかり身につけないと、いくら文法を正しく理解しても相手に伝わらないので、妥協のないトレーニングが大切です。

    先生やCDの手本に続いて一つひとつの単語や例文を繰り返し声に出し、自身の発音と手本との違いを考え、先生に質問しアドバイスをもらう。徹底的な反復練習により体で覚えていきます。これらの学習方法はとても地味で、まさしく下積み。単調に思えますが、これこそが肝心です。似た発音の単語でも私がしっかりと聞き分けられるようになったのは、下積み時期を諦めずにやり遂げたからだと思っています。また、先生とマンツーマンに近い形でこれほどみっちり鍛えてもらえるのは、麗澤大学ならではの贅沢な環境ではないかと思います。

    引用:置かれた場所でベストを尽くし、自分の選択に責任を持つ。そうやってきたからこそ得られた力

    【メキメキと上達していくのが嬉しい!】
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    • ■小笹 結香子さん
      2020年 外国語学部外国語学科中国語専攻(現在の中国語・グローバルコミュニケーション専攻)卒業

    私にとって、中国語はゼロからのチャレンジ。周りには高校から勉強していた人もいるので、正直最初は焦りましたが、麗澤大学の先生方は本当に丁寧に教えてくれるので、2年次の今は周囲に遅れを感じることはなくなりました。ちゃんと追いつくことができたということなので、自信にも繋がりました。中国語はとても発音が難しいのですが、先生は正しい発音ができるまで、その場で何度も繰り返し、根気強く教えてくれます。もちろん厳しく、かつ的確に指摘しながら指導してくれるので、単語の発音一つも気を抜かずに(笑)丁寧にしなければと意識を高く持てるようになりました。これほど一人ひとりをしっかりとサポートしてもらえるのは、少人数制だからこそ。

    ゼロから中国語を始めて、2年目にして留学したいと思えるくらい上達しました。中国語が未経験でも、やってみたい気持ちがあればきっと大丈夫!

    少人数で、先生方の手厚いきめ細やかなサポートを受けながらしっかりと学ぶことができます。勉強は楽しいだけではなく大変なこともありますが、間違いなくメキメキと力がつきます!中国語を修得する上で、麗澤大学の学習環境は必ず大きな強みになる。自信を持ってお薦めします。

    引用:中国語を学んで2年。留学をする自信がついた

    【異国の地で大切なのは、「伝える」こと】
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    • ■溝口 さや香さん
      2009年 外国語学部中国語学科(現在の中国語・グローバルコミュニケーション専攻)卒業

    麗澤大学では活きた中国語を学べ、また語学を学ぶ上で文化を学ぶことは重要だと考えていたので、それも叶い、ネイティブの先生も豊富にいらっしゃるということが決め手だったと思います。実際に入学してみても、語学だけでなく中国語の背景にある経済や文化も知ることで、より理解を深める学びをすることができました。

    語学の勉強は、本を読めばある程度できます。しかし、実践で使える中国語や、言語の背景まで知見を深めていくことは難しい。そういった意味でもネイティブの先生、そして、中国に精通している日本人の先生が多く在籍する麗澤大学は、語学修得に加え、領域を超えた学びができる良い環境だったと思います。

    日本と海外の企業とでは文化は異なることが多いです。

    異国の地でも順応しながら仕事や生活ができているのは大学での経験が活きていると思っています。中国語の授業で、瞬発的に話す練習をしていたことも積み重ねることで大きな糧になっています。間違っていようと、反射的にでも何かを伝えるという行為は海外に出た時に重要だと強く感じています。日本人が外国語を苦手とする理由として「完璧さを求める」や「シャイ」になってしまうからとよく言われます。自信がないと話せないという状況によって、多くの経験を得るチャンスを逃してしまっているのです。そういった意味でも、麗澤大学の授業では実践を重んじる姿勢があったので、海外に出た時に躊躇せずに伝えるという行為に繋がったのだと思います。

    引用:海外で働きたいなら、自分をオープンにしてコミュニケーションを取ること。新しいことに挑戦することを恐がらないで。

    中国語習得は発音を極めることが一番の近道!

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    中国語をマスターするためには、まずは発音を極めましょう。一度身についた「間違った発音」を直すことはなかなか容易ではありません。はじめの時点で発音を決しておろそかにせず、正しい発音を身に付けることが中国語をマスターする上では必須といえるでしょう。

    現在、中国語を学んでいる人が劇的に増えてきています。それは世界中で中国が与えている影響を考えると自然に答えはでてきます。中国が貿易や観光産業に与える影響は大きなもので、みなさんも食べ物や生活の中の商品からも中国を身近に感じているでしょう。

    2021年現在では、中国語(普通话)を話す人口は世界約11億2000万人、英語を話す人口は約13億5000万人といわれています。(参照:The most spoken languages worldwide in 2021(外部サイトに移動))中国語と英語を習得できれば、あなたの日常生活やビジネスの幅が大きく広がります。

    ぜひ麗澤大学で中国語と英語を同時に学び、真の国際人として活躍してみませんか?

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