【前編】1年間でTOEICスコアが500点アップ!留学は英語力向上以上に人生を変えてくれる大きな経験という財産になった
英語力アップの成功体験が、劣等感をチャレンジ精神に変えてくれた
高校時代はあまり勉強に興味がなく、テストや成績はひどいものでした。もちろん英語も得意ではありませんでした。そんな私が、海外や英語に興味を持つようになったのは、高校の時、オーストラリアに10日間滞在した経験がきっかけです。その時まったく通じなかった英語をもっと大学ではきちんと学びたいと思うようになりました。そして進学先は英語教育が充実している麗澤大学を希望。勉強が苦手な私も、社会に出るまでに何かひとつはスキルを身につけなければという思いがあり、大学では頑張ろうと思っていました。
留学を意識し始めたのは、1年次の5月頃です。当時の私は「Hello!」「How are you?」くらいしか話せないレベルで、とても不安でしたが、留学を目指して英語の勉強を開始。留学経験のある先輩のアドバイスに従って、一冊のテキストを何度も繰り返し勉強し、ネイティブの先生が常駐するiLounge(International Lounge)に通って英語でおしゃべりをしたり、ネイティブの先生や留学生と一緒に過ごしたりと、英語を話す機会を増やすようにしました。
1年次の8月には、麗澤大学のプログラム「グローバルフィールド経済・経営演習」に参加。オーストラリアのシドニーを訪れ、20ヵ国近い国々から集まる学生たちと英語学習に集中的に取り組み、スピーキング、リスニング力が一気にアップし、英語で考える習慣もつきました。そんなこんなで英語漬けの日々を過ごすうちに、高校3年秋には230点だったTOEICスコアが700点に。それまで「自分は何もできない」とどこか劣等感をもっていたのですが、「英語ならできる、もっとやってみよう!」とチャレンジする気持ちが芽生えたのです。
挫折はチャンス。なぜ留学しているのかを振り返り、目標を立て行動する
努力が実り、語学留学だけではなく、専門留学もできるオーストラリアのオーストラリアン・カソリック大学に留学できることに。専門留学とはただ語学だけを学ぶための留学ではなく、特定のスキルを身につける、もしくはスキルアップを目的とした留学スタイルのことです。簡単に言えば現地大学の学生としてその大学に期間限定で入学するようなもの。私の場合は、前半は語学留学、後半は専門留学という設定でした。
1年次の2月、意欲満々で日本を旅立ちました。――ところが、出だしでいきなりつまずいてしまったのです。前半は語学学校に通いましたが、クラスの半数が日本人学生だったのです。授業が終わればクラスメイトはアルバイトに行ってしまうので、英語を話す機会もなかなかつくることができませんでした。また、ホストファミリーとの関係もうまくいかず...。何もできないまま時間だけが過ぎ「これなら、日本で留学に向けて猛勉強していた頃のほうが良かったかも...」とネガティブになっていました。
でも、このまま終わるわけにはいきません。私は、授業料免除で行くことができたアメリカの大学ではなく、あえて自費でどうしても行きたかったオーストラリアの大学を選んだのです。そのために投資してもらい、その分しっかり学んで、親に返そうと、覚悟してここに来たのです。そんな訳でこの状況を何とか打開するため、私は目標を立てました。自分一人でも外に出て、色んな人にどんどん話しかけて、オーストラリアで世界中の友達を作ろう、英語を話そう!と。
素晴らしい仲間との出会いが、留学生活を変える転機に
大きな転機となったのは5月、一人でゴールドコースト、イーストコーストに旅行した時のことです。宿泊先も決めないで飛行機に乗り、訪れた先で出会った人に教えてもらったホステルに宿泊。そこにはオーストラリアだけでなく、世界各国からのバックパッカーやワーキングホリデーの人たちが20人くらい滞在していて、私を大歓迎してくれたのです。自立心と向上心を持ち、行きたい国へ行き、自分がしたいことをして自由に生きる彼らと交流するうちに、私にもパワーが沸いてきました。日本では出会ったことのない多様な価値観に触れたことで、この留学では英語力を伸ばすだけでなく、自分自身のこと、人生そのものについても学ぶことができたのです。
旅行から帰ると、自立を目指し、ホストファミリーの家からシェアハウスへ引っ越すことに。英語サイトでシェアハウスを探すところから、オーナーとの交渉や手続きも全部自分一人でこなしました。アルバイトにも挑戦してみようと、英語で履歴書を書いて、あちこちに配って歩いたこともあります。アルバイトは成立しませんでしたが、これも日本ではできない良い経験でした。後半、いよいよ専門留学が始まると、環境がまた一変。
今度は、日本人学生どころかアジア人はごく一握り、欧米人ばかりのクラスになったのです。彼らは英語ネイティブであるだけでなく、経済・経営分野の上級編をすでに学んでいて、自信満々。体も大きいし、すっかり圧倒されてしまいました。授業についていくのも、欧米人の輪の中に入っていくのも大変でしたが、気持ちを奮い立たせて、わからないことは優秀なクラスメイトに聞いたり、グループワークのグループ分けも少数のアジア人で固まるのではなく、欧米人に「一緒にやろうぜ!」と声をかけたり。おかげで積極性が身につき、友達も増えました。
留学でマインドセットが大きく変化。ポジティブ、アクティブな自分に生まれ変わった
留学中は様々な人たちと出会い、気づかされることがたくさんありました。たとえばオーストラリア人と一口にいっても、アジア系、ラテン系、アフリカ系など多様で、それぞれに育つ環境や文化、考え方も違うこと。そして、彼らと日本人である私との間にも明らかな違いがあり、私はどう頑張っても、オーストラリア人と同じにはなれないということ――。でも、それでいい。グローバルな思考とネイティブ並みの英語力を備え、国籍や人種を問わず関係を築ける人になろう。そう思うようになりました。10ヵ月のオーストラリア留学を終える頃には、マインドセットが大きく変化。
ポジティブでアクティブな自分になり、家族からも明るくなった、積極的になったと言われます。それは、留学が決して順調なことばかりではなく、大変な経験もしたからこそ。起きたことを前向きにとらえ、チャンスを最大限に活かし、自分で自分を成長させることができるようになりました。このことは私にとって、スキルアップした英語力以上に価値がある、一生の財産です。