工学部
2025.06.02

【後編】基礎から始めて大きな夢へ! 新設工学部で未来のロボット開発に挑む

【後編】基礎から始めて大きな夢へ! 新設工学部で未来のロボット開発に挑む

工学部 工学科 ロボティクス専攻の小川閑舞さんは、「人の役に立ちたい」という思いを原動力に、物理や力学の基礎を着実に積み重ねています。後編では、オープンキャンパスでのロボットデモ隊としての活動や手厚いサポート体制のある学習環境、将来の夢についてお話を伺いました。

小川 閑舞
工学部 工学科 ロボティクス専攻 2024年入学
父の影響を受け、アニメや車など幅広い趣味を持つ。高校時代はコンピュータ部に所属し、3Dプリンターでキャラクターのフィギュアを制作するなど、ものづくりに没頭。現在は、サバイバルゲームサークルに所属しており、年数回の活動を楽しんでいる。
※取材時、1年次生
目次

    ロボットの魅力を伝える活動

    ―オープンキャンパスでは、ロボットデモ隊としての活動を通して工学部の魅力を発信していたそうですね。

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    • はい。工学部に興味を持ってもらえるよう、来場者の方々にロボットの操作を体験していただきました。人型ロボットや車型ロボットの操作体験や小型モビリティの試乗など、さまざまな体験の機会を用意しました。

      当初は私自身も人型ロボットのイメージしかなかったのですが、活動を通じて色々なロボットと出会い、「ロボットってこんなこともできるんだ!」という新しい発見の連続でした。その経験を通じて、ロボット工学への関心がより一層深まっています。

    特に印象に残っているのは、来場してくれた高校生との交流です。ロボットを見て足を止めてくれた高校生には「操作してみませんか?」と声をかけました。実際に操作してもらうと、みなさん目を輝かせながら楽しんでくれて、ロボットの仕組みについて説明する機会もたくさんありました。工学部に興味を持っているという高校生と話ができたのはとても嬉しい経験でした。

    手厚いサポート体制と強い仲間意識

    ―学習面でのサポート体制について教えてください。

    • 工学部の学習支援施設「iStudio」が本当に心強い存在です。授業で理解できなかったところや深く学びたいところを補える場所で、前期は毎日のように通っていました。

      先生方も学生も「学びが遅れている人は助けよう」という意識が強くて、一人で悩むことがありません。私は高校時代に十分な履修ができていなかった科目があり、それをカバーするのは自力でしかないと思っていたのですが、iStudioの先生やチューターの方々が親身になって教えてくださったので、基礎からしっかりと学び直すことができています。

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    また、先生方との距離の近さは魅力だと思います。質問をすると、一つの答えに対して10個くらいのヒントをくださる優しい方々ばかりで、理解がどんどん深まっていきます。所属しているゼミナールの永田先生も「自分で考える力」を大切にしながらも、必要な時はしっかりサポートしてくださいます。親身になってくださる先生ばかりで本当にありがたいです。

    ―学生同士の関係性はどのような雰囲気ですか?

    みんなが一つの目標に向かって協力し合い、誰かが遅れていれば助け合う。そんな強い仲間意識があります。課題でわからないところがあれば、得意な人が丁寧に教えてくれたり、プレゼンテーションの準備で悩んだ時には「こんな意見があったよ」「こういう考え方はどう?」と具体的な提案をしてくれたり、さまざまな場面で助けられています。お互いの得意分野を活かしながら、成長し合える関係が築けています。

    未来を見据えた夢の実現へ!

    ―将来挑戦したい研究や開発について、具体的な構想はありますか?

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    • 私は脳波で動く義足の開発に携わりたいと考えています。きっかけは、テレビで見た地雷被害者の特集です。手足を失った方々の苦悩を知り、「自分の頭で動かせる義足があれば、もう一度走る喜びを感じてもらえるのではないか」と考えるようになりました。

      現在、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方向けに脳波で機器を動かす研究は進んでいますが、まだ信号が弱く、特に足の制御は難しいと言われています。走る時の衝撃や筋肉の使い方など、考慮すべき要素が多いからです。でも、父からは「未来が見えているなら人間は何でもできる」と教わってきました。脳波で操作できる義手が実現している以上、足での応用も可能なはずです。

    今は力学を学びながら、少しずつビジョンが見えてきています。まだ基礎の段階ですが、重心の移動や地面からの反発力など、歩行に必要な要素を一つずつ理解することで、将来の開発に必要な知識を着実に積み重ねています。

    ―これから進路を考える高校生へ、メッセージをお願いします。

    • 中学時代の私は、勉強よりも遊びを優先する毎日でした。でも、周りの頑張る仲間の姿を見て、自分も変わろうと決意し、「今の自分を超えていこう」という思いで、少しずつ努力を重ねてきました。

      大切なのは自分のペースを守ることだと思います。時には息抜きも必要ですが、諦めずに前を向き続ければ、必ず道は開けます。努力を重ねることで、新しい可能性が見えてくるはずです。頑張る過程で見つけた興味や可能性は、必ず自分の力になります。ぜひ、さまざまなことにチャレンジしてみてください。

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