経済学部
2025.04.23

【前編】教室の向こうに広がる街が、もうひとつの学び舎。地域と歩む私の未来図

【前編】教室の向こうに広がる街が、もうひとつの学び舎。地域と歩む私の未来図

「人のために尽くすことが何より楽しい」と語る経済学部の運藤さん。高校時代は文化祭の実行委員として活躍し、大学では「こたつピクニック」や「ロッキンベジタブル®」など、ユニークな地域活性化プロジェクトに取り組んできました。前編では、あけぼの山農業公園で行われた「冬空の下でこたつピクニック」などについて伺いました。

運藤 楓太
経済学部 経済学科 観光・地域創生コース 2021年度入学
千葉県出身、三人兄弟の長男。趣味はサバイバルゲームやカメラ、旅行、舞浜のテーマパークなど多種多様。SNSを通じて多くの友人をつくり、旅をしている。
※取材時、4年次生
目次

    街が先生になる! 麗澤大学の学び方

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    • 高校時代の3年間は文化祭実行委員会の活動に力を注ぎ、副委員長まで務めました。人と関わることが好きな性格は、幼い頃に両親に連れて行ってもらった旅行での経験が影響しているのかもしれません。大洗水族館から大阪観光まで、家族との思い出は今でも鮮明に覚えています。

      麗澤大学を選んだのは、地元である千葉県柏市で観光や地域創生を学べる数少ない大学だったからです。もともと観光分野に興味があり、グルメや観光資源の活用方法などをもっと知りたいと思いました。実際に入学すると想像以上に多くの学びがありました。観光だけでなく、地域経済や都市経済など、幅広い視点から学べたことは大きな収穫でした。

    大赤字の収支。学生だからできた挑戦

    • 2023年12月、柏市のあけぼの山農業公園で「冬空の下でこたつピクニック」と題した地域活性化イベントを実施しました。風車が立ち並ぶ広場を舞台に、冬の夜空の下で温かい思い出づくりに挑戦したのです。

      広場に設置したこたつエリアで、キャンプファイヤーを囲みながら、マシュマロを焼いたり、キッチンカーの食事を楽しめる空間づくりに取り組みました。さらに、大学のアカペラサークルによるステージパフォーマンスや、公園のイルミネーションとのコラボレーションで、聴覚と視覚の両面から楽しめる工夫もしました。また、装飾にもこだわり、手づくりの竹灯籠で会場を彩りました。

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    一日限りの開催でしたが、家族連れを中心に多くの方が来場しました。残念ながら売上は目標の半分にも満たない厳しい結果になりましたが、それでも来場者からは「外でこたつに入るという非日常的な体験が楽しかった」との声が多く寄せられ、新たな可能性を感じる機会となりました。

    風が吹いても、人が来なくても。それが私たちの成長物語

    このイベント企画で最も苦労したのは、関係各所との調整です。公園の運営会社、柏市観光協会、大学など、多くの組織との連携が必要でした。特に大学のロゴ使用許可を得るための手続きは想定以上に複雑で、プレスリリースの作成や配布など、一つひとつの作業に細心の注意が必要でした。

    また、当初計画していたステージ設営が、予算との兼ね合いで大幅な見直しを迫られ、既存設備の活用へと方針を転換せざるを得なくなりました。

    さらに、チーム内の情報共有の難しさも感じました。コミュニケーションロスや、役割分担の不明確さから生じる混乱など、組織運営の課題と向き合いました。

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    • 苦労は多くありましたが、一方で、この経験を通じて得られた学びは計り知れません。特に「まずはやってみる」という姿勢の大切さを痛感しました。企画から運営まで、すべてを自分たちの手でつくり上げる経験は、かけがえのない財産となりました。寒空の下、キャンプファイヤーを囲みながら、人々が笑顔でくつろぐ姿は、すべての苦労を忘れさせる光景でした。

      チームワークの重要性や理想と現実のギャップへの対応など、社会に出る前に貴重な学びを得ることができました。

    理論を超えて、実践の場へ

    • 最も大きな発見は「見た目と本質の違い」でした。イベントは赤字でしたが、来場者の「こんな体験は初めて!」という声に、数字では測れない価値を見出すことができました。外でこたつに入るという非日常的な体験が、人々の心に響いたのです。まさに見た目の数字損益だけでは判断できない価値の存在を実感することになりました。

      もうひとつの発見は「エリア設計の重要性」です。有料エリアと無料エリアの境界が曖昧だったため、多くの人が無料エリアから見学するだけにとどまってしまいました。経済学でいう「フリーライダー問題」を、身をもって体験することになったのです。理論で学んだことが、実践の場でこんな形で現れるとは思ってもみませんでした。

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    -後編では、「ロッキンベジタブル®」プロジェクトや麗澤大学の魅力などについて伺います。

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