【後編】1年間でTOEICスコアが500点アップ!留学は英語力向上以上に人生を変えてくれる大きな経験という財産になった


努力は嘘をつかない。英語、交渉力、アイデア...誰にも負けない自信がある!
帰国後は、麗澤大学が提供するタイのインターンシップ・プログラムや、国連グローバル・コンパクトが開催する、日中韓の大学生と大学院生による合同シンポジウム「日中韓ラウンドテーブル」に参加するなど、留学前の自分では考えられないくらいアクティブに活動しています。日中韓ラウンドテーブルでは中国を訪れ、ビジネスにおけるSDGsをテーマにディスカッション、プレゼンテーションを行いました。
その中で私は、対立する日中韓のメンバーの意見をまとめる交渉役を担い、提案したアイデアも評価していただくなど、英語で勝負すれば、アイデアやディスカッション、交渉力も、他大学の学生に負けないという自信がつきました。実は、この成功を支えてくれたのも、留学でつながった世界の仲間たち。SNSを使って環境問題に取り組む仲間に意見を仰ぐと、惜しまずにアドバイスをしてくれたのです。改めて、世界中に素晴らしい仲間を持てたことに感謝しました。
一方、タイのインターンシップ・プログラムは、4週間、ホテルのアメニティグッズなどを取り扱うタイ企業にお世話になり、電話でのアポイント取りや市場調査など、主にマーケティングと営業を経験させていただきました。印象に残っているのは、ASEAN加盟国の中小企業が集まる国際会議に同席させていただいたこと。環境問題や貿易問題など国際的な議題が、まさにその当事者たちによって目の前で話し合われ、視野が一気に広がる思いでした。就職するなら大企業がいいと思いこんでいましたが、中小・零細企業も海外に積極的に進出しており、ビジネスを大きく展開している様子を目の当たりにし、重要なのは企業の規模ではなく、ビジネスの規模とその動きなんだなと実感しました。私には新鮮な発見でした。
日本人からも外国人からも認められる人こそ、真の国際人
インターンシップでは視野も広がりましたが、同時に挫折も味わいました。自分は何も知らないということ、英語が話せるだけではダメだということを、思い知らされたのです。タイの企業では英語がほとんど通じなくて、ミーティングに参加しても、タイ語がわからない私はそこにいるだけ。「これじゃ赤ちゃんと変わらない...」と悔しい思いをしました。欧米の人たちは3、4ヵ国語話せるのが当たり前。といっても、外国語を何ヵ国語も話せても、それだけではやっぱりダメなんです。
国連や日本の大企業、タイ政府ともつながりのあるインターン先の社長は、大学ではなかなか聞くことができないような貴重な話をしてくれました。その中で「これは知っているか」「大学でこれは学んだか」と聞かれても、経済・経営の専門知識も足りなければ、日本の文化風習、ビジネスマナーも知らない私は、何も答えられませんでした。学生同士なら「ほんとに日本人か?」なんて冗談言いながら笑ってすまされても、社会に出たら、ビジネスマナーも母国のことも知らない人は、信頼してもらえません。
大学卒業後はすぐにでも海外で就職したいと思っていましたが、今の自分では、日本人からも、外国人からも相手にされないと痛感したのでした。そのため、卒業後3~5年は、日本で日本のことをしっかり学んで、まずは日本人に認められる人間になってから、世界に出よう。そして日本人にも、外国人にも認められる人間になろうと、新たな目標ができました。
人間性も将来ビジョンも、大学4年間でいくらでも変われるから大丈夫
私にとって麗澤大学は、たくさんのチャンスを得られた場所です。大学の奨学金があったから、オーストラリア留学も叶えられました。今はその留学制度も、私が留学した頃より留学先がさらに増え、麗澤大学と留学先の両大学から学士の学位を取得できる「ダブル・ディグリー制度」も導入されるなど、拡充が進んでいます。また、こうした制度に限らず、先生方も「こういうのがあるけど、トライしてみる?」と、学生に成長の機会を与え続けてくれます。おかげで国連グローバル・コンパクトをはじめ、自分一人ではできない経験をたくさん積むことができました。
今「自分は何もできない」「何をしたらいいかわからない」と自信を持てない人も、大丈夫。人間性も将来ビジョンも、大学4年間でいくらでも変われます。ほんの1年間でも自分次第で変わることができます。最初から、あれもこれもできる必要はないと思うんです。私にとっての英語みたいに、何かひとつでも得意なこと、好きなことを磨いていくうちに、できることは確実に増えていきます。楽しみながら、自分のやりたいこと、好きなことを、とことん極めていってください。