発信するための英語教育
子供の頃にテレビドラマ「SHOGUN(将軍)」を観て日本を知り、憧れを抱いた私は、大学を卒業すると同時に日本へ渡ることを決意しました。初めて訪れた日本では、時間に正確でルールを重んじ、優しい国であることを感じ、驚きました。その感覚はカナダ人である私にも非常に心地よいもので、日本という国を知れば知るほど日本を愛する気持ちは高まっていきました。以来、気がつけば20年以上も日本で暮らしています(笑)。
日本の国民性はとても素晴らしいと思います。日本人は奥ゆかしいので、欲求をむき出しにすることは多くはありません。
でも、それを「自己主張をしない」と考えるのは間違いです。日本人は協調性を重んじ、調和を大切にしているので「調和」を守るための「和」としての主張があります。和としての主張にはきちんと筋が通っていて、その筋を曲げることはあまりありません。日本人はまた、一見、海外から情報を取り入れることに敏感で得意なように思われがちですが、実はグローバルな目で見ると、日本食、ファッション、アニメなど、日本文化は日本から世界へ発信され、いま「クールジャパン」が大きなブームとなっています。自分から自己主張してきたわけではないけれど、今や世界各国が日本文化を求めている状況です。だからこそ、これからは文化を取り入れるだけでなく、より一層「積極的に日本文化を発信する」こと、つまり「発信するための英語教育」が必要だと私は考えています。
楽しみながら学ぶことで、自然と力が身につく
私のクラスではコミュニケーションを重要視していて、1年次では積極的にコミュニケーションを取らないと進められないように工夫しています。例えば「辞書を使ってはいけない」というルールを私のクラスには設けています。意味が分からない単語などがある場合には、私に"英語"で質問し、コミュニケーションを増やすように促しています。
もちろん辞書で調べることは悪いことではありませんが「辞書で調べたら終わり」と、自己完結させるよりも第三者とコミュニケーションのチャンスを増やすことで理解力、会話力、応用力を身につけてもらいたいと考えています。また、毎回、ランダムに異なる学生達とグループを作り、積極的にディスカッションをさせています。こういうことの積み重ねで、2年次、3年次には英語でのコミュニケーションが少しでも自然に感じられるように工夫しています。
授業では、耳からだけでなく、ビジュアルからも情報を多く入れるように心がけています。ビジュアルとして、映画やドキュメンタリーDVDなどを素材として使うことも少なくありません。世界で起きている最新のトピックスを使用することで学生たちが興味を抱き、楽しみながら話して学ぶことを大切にしています。
発信された海外情報を"ものにする"
「英語を身につけたい!」と考えている高校生にアドバイスをひとつ。これからは学校のカリキュラムだけでなく、インターネットを有効に利用して世界を知ることが重要だと思います。映画、音楽、スポーツ、アニメ...、自分が興味を持っているジャンルの情報だけでも、ダイレクトに海外から得ることで英語力、理解力は格段に向上します。教科書では学べないこと、あまり興味がなくて頑張らないと頭に入らないことも、好きなことや趣味の延長として情報を得ようとすればスッと入ってくるものです。インターネットで海外のサイトを見ることは、遊んでいると思われがちですが「知ろうとすること」「知ること」そして「理解すること」に繋がると思います。どんな内容でも重要な教材になるので、難しく考えずに「好きなものを英語で調べて読む」ということを実践してみてください。
皆さん個人のスキルに合わせた授業やマンツーマンに近い少人数制の授業を行うなど、麗澤大学の英語教育には魅力があります。また、ネイティブの教員や海外からの留学生も多く、授業以外にも学内でコミュニケーションを取ることができます。「本当に使える英語」のスキルアップに繋がる大きなポイントとなるのではないでしょうか。学生が主体になり、ESS(英会話サークル)、英語劇、模擬国連などアカデミックな活動も活発に行われ、世界を意識した環境も整っています。近い未来、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!