

(現在の国際学部 グローバルビジネス専攻)2019年3月卒業
(現在の国際学部 グローバルビジネス専攻)2019年3月卒業
経済学部の後藤さんと菅原さんは、2015年、ビジネスコミュニケーション論の授業の一環として、麗澤大学と同じキャンパス内にあるサービス付き高齢者向け住宅「麗しの杜 光ヶ丘」(以下、麗しの杜)にて聴き書きボランティアを行いました。その時ふたりにお話を聴かせてくれたのが、入居者の宍戸さんです。以来、手紙をやりとりするなど、世代を超えて交流を続けている3人。どんな友情を育んでいるのでしょうか?
きっかけはオランダから送った手紙
「宍戸さんには最初、授業の課題でお世話になりました。内容は、障害を持つ子ども達や年長者の方など、普段あまり接点がない方々と交流をはかり、異文化を学ぶというもので、私達は宍戸さんにお話を伺い、これまでの人生をレポートにまとめさせていただきました。その時、宍戸さんが『私はすごく楽しい人生を歩んだ』とおっしゃっていたことが、今も印象に残っています。私も宍戸さんみたいに、いつか人生を振り返った時、楽しかった!と後悔しないように生きたい。人生の先輩から、勉強になるお話をたくさん聴くことができた、貴重な機会でした」(菅原)
「宍戸さんとこんなに親しい関係になれたのは、インタビューの中で、宍戸さんは旅行がお好きで、ヨーロッパにもたくさん旅行されたと伺ったことでした。私と菅原さんはちょうどオランダ留学を控えていたので、3人でヨーロッパの話で盛り上がり意気投合しました。
その時に『オランダに行ったら手紙を書きます』と約束したのです。実際にオランダからふたりで手紙を出しました。お返事をいただけるとは思っていなかったので、宍戸さんから手紙が届いた時は『お返事が届いた!嬉しい!』と、ふたりで大興奮したのを覚えています。宍戸さんからの手紙には『帰国されたら、留学中のお話を聴かせてくださいね』と書かれていたので、帰国後にはふたり揃って会いに行きました。留学中の写真をパソコンで見ながら『ここに行ってきましたよ!』『同じところに私も行ったわ』と、お互いの旅先での話で大いに盛り上がりました。私も旅行が大好きなので、宍戸さんと旅行のお話をしていると時が経つのも忘れるほど楽しいです」(後藤)
「私は卒寿(90歳)を迎えました。後藤さん、菅原さんとは70歳離れたお友達ですね(笑)。オランダから手紙が届いた時は、とっても嬉しかったです。まさか本当に、海外から手紙をくださるなんて。でも、お返事を出そうとしたら、英語の住所が読めなくて一苦労 (笑)。私が若い頃は戦時中で、英語の勉強ができなかったものだから。生まれて初めてのエアメール、ドキドキしながら出したのですよ」(宍戸)
いくつになっても笑顔で楽しんでいる、宍戸さんみたいになりたい!
「実は私、人とマメに連絡をとるのが苦手で...なかなか仲良くなれなかったのです。今は、後藤さんとは大学の授業も留学先も一緒、親しい仲になれたし、授業をきっかけにこうして宍戸さんと出会い、手紙のやりとりをしたり、心に響くアドバイスをいただいたり。お友達って、出会いって素敵だなぁって思うようになりました。これからは出会いを大切に、ご縁をつないでいきたいです。出会いの機会を与えてくださった山下美樹先生や、麗しの杜のスタッフの方々にも感謝の気持ちでいっぱいです」(菅原)
「宍戸さんは、いくつになっても笑顔で、人生をアクティブに楽しまれている姿がとても素敵なのです。
学ぶことも多く、宍戸さんのアドバイスを一つひとつ守っていけば、宍戸さんみたいに充実した人生になるのだって思えるのが心強いです。私にとって宍戸さんは、ちょっと年の離れた、敬愛するお友達です」(後藤)「ふたりの素敵なところは、心が素直で純粋なこと。手紙を書くと言って本当に書いて送ってくれたり、お話を聴かせてね、と言ったら、会いに来てくれたり。物事を素直に受け取るようにするとその方が自分の気持ちも楽だし、まわりも気持ちがいいですよ。世の中に出たら、いろいろなことがいっぱいあるけれど、これからもずっと、素直な心を持ち続けていてくださいね」(宍戸)
出会いを大切に。友人と思い出は人生の宝物になる
「私はこれまで、やりたいことは思い立ったらすぐにやるようにしてきました。時には『しまった!』と思うこともあるけれど(笑)、やらないで後悔するより、ずっと良かったと思っています。若いおふたりや学生の皆さんは、勉強でも趣味でも、これから何だってできる。思い残すことのないよう、精一杯、生きていってくださいね。
そして、学生時代のお友達とは、卒業しても連絡を取り合って、ずっと仲良くしてほしいです。友人との思い出は、人生の宝物ですよ。実は、私に麗しの杜を勧めてくれたのは、息子なのです。息子はボーイスカウトの活動で麗澤大学を何度も訪れていて、環境の良さや、大学の職員の方々のこと、穏やかで温かな校風をよく知っていたのですね。『麗澤大学にある施設なら、絶対に大丈夫!』と太鼓判を押してくれました。
おかげさまで、素晴らしい環境に暮らせて、しかも、若くて心の綺麗なキラキラ星みたいな素敵なおふたりにも出会うことができました。もう感謝しかありません、どうもありがとう」(宍戸)
宍戸さんと出会った学生は、授業をきっかけにこの出会いを大切に今も友情を育んでいます。これからも出会いとご縁を大切に、人生を豊かに歩んでいってほしいと思います。