大学の授業
2018.06.26|最終更新日:2020.09.24|

よく学びよく遊ぶ。そして一生付き合える仲間ができるゼミナール

よく学びよく遊ぶ。そして一生付き合える仲間ができるゼミナール
金融論ゼミナール
中島 真志 
1981年から20年以上にわたり日本銀行(国際局、金融機構局など)に勤務。その後、金融情報システムセンター(FISC)、国際決済銀行(BIS)などを経て、2006年4月より現職である麗澤大学経済学部教授を務める。専門分野は「決済システム」であり、この分野ではわが国の第一人者とされる。主な著書に、『決済システムのすべて』『証券決済システムのすべて』『外為決済とCLS銀行』などがある。また、日本の大学で一番多く利用されている金融論のテキストである『金融読本』の改訂も手掛ける。最新刊の『アフター・ビットコイン』は、仮想通貨を扱った1冊として注目され、4万部を超えるベストセラーとなっている。
目次

    プレゼンテーションのスキルを鍛えるため、様々な舞台を用意しています

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    中島真志先生の「金融論ゼミナール」で特に力を入れているのが、プレゼンテーションとディスカッションの指導です。4年次の授業は毎回、学生が卒業論文で取り組んでいるテーマに基づいて発表し、発表内容について全員でディスカッションするスタイルで進行。この日は、宮本彩花さん(経済学科4年)が「モバイルペイメント(携帯電話などのモバイルデバイスを使って、商品やサービスの支払い・決済を行うこと)」をテーマに、約20分間の発表を行いました。

    宮本さんはスライドを使って、日本と世界のモバイルペイメントの動向を解説していきます。もちろん原稿は読みません。時折、先生からは「もっと皆とアイコンタクトを取りながら発表しよう」などの指導も入ります。発表後には中島先生から資料の作り方や効果的なデータの活用法についてアドバイスがあり、他のゼミ生メンバーからも「モバイルペイメントの普及が進んでいる国の事例として、スウェーデンと韓国を選んだ理由は?」「データが豊富で面白い、説得力がある」「グラフは棒グラフだけでなく、円グラフも使うともっと比較しやすいのでは?」といった質問や意見が投げかけられます。

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    中島ゼミではこうした授業内での発表にとどまらず、関東圏の経済系の学生がプレゼンテーションを競いあう「インナー大会」や、麗澤大学・成城大学・専修大学による「3大学対抗ディベート大会」、日本銀行への提言を行う「日銀グランプリ」など、学校の枠を越えて交流するイベントに、毎年挑戦しています。当初はゼミナール内での発表だけで四苦八苦していた学生も、数々の大舞台を経験するうちに、プレゼンスキルがみるみる磨かれていきます。

    「社会のあらゆる場面で求められるのが"人に伝える力"。このゼミナールでは、学生がプレゼン力やコミュニケーション力を鍛える場を、できるだけ多く与えたいと考えています。私のゼミ生は、就職活動の面接で話す材料には困りませんよ(笑)」と中島先生。

    人前で話す力を養うために中島ゼミを選んだという銭谷健人さん(経済学科4年)は「人に伝えるということは難しいけれど、伝わった時はすごく嬉しい。そう思えるようになったのは、中島先生のおかげです」と笑顔で話します。社会で役立つ金融の知識とプレゼンテーションの実践力が身につく。それが、中島ゼミの強みです。

    金融は、勉強すればするほど"自分のため"になるのが楽しい

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    中島ゼミのルール、それは日本経済新聞を毎日読むことです。ゼミの冒頭でも、当番の学生が最近の気になる新聞記事を取り上げ、内容を要約して発表するのがルーティーンとなっています。「新聞を読みこむことで、学んでいることが机上の空論ではなく、世の中の動きとリアルに繋がっていることが理解できるようになります」(中島先生)

    メンバーのほとんどが、最初から金融に興味があったわけではありません。それでも、慣れない新聞を読みこむなどして金融に触れるうちに、金融が身近なものとなり、興味が湧いてきます。同じく小川優華さん(経済学科4年)は「私は留学を経験しましたが、英語だけでなく、プラスアルファの武器として金融を選びました。

    お金の知識は生活に直接役立てることができ、勉強すればするほど自分のためになるのが楽しいです」と金融を学ぶ意義を教えてくれました。「金融」と聞くと難しそうな印象もありますが、「日々の買い物をはじめ、家を買う時にローンを組む、年金や株投資など、人はお金と無縁では生きられません。経済は、生活と密着した身近なものです。また、難しそうに見えて、なかなか手を出しにくい分野だからこそ、学んでおくと他の人との差別化ができて、社会に出たときに有利ですよ」(中島先生)。

    先生が次々に機会を与えてくれるので、いろいろな経験ができました

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    「よく学びよく遊ぶ」「一生付き合える仲間をつくる」これが、中島ゼミのモットーです。その言葉通り、メンバーは全員でファイナンシャルプランナー3級の資格取得にチャレンジし、毎年ほぼ全員が合格。目標を持って意欲的に学ぶ一方で、2泊3日のゼミ合宿では学ぶだけでなく皆でBBQをしたり、大学祭では中島ゼミ名物「モッフル」(おもちで作ったワッフル)屋さんを出店するなど、楽しいイベントも盛りだくさんです。

    この様にゼミ生は、授業以外でも絆を深め合っているため、歴代のゼミの先輩たちは、卒業後も頻繁に連絡を取り合っているそうです。「私は自分から積極的に行動できないタイプですが、中島先生が次々に機会を与えてくれるので、いろいろな経験をすることができました」(銭谷さん)。

    仲間と共に「金融」を楽しく学び、社会に通用する力と一生続く友情を育んでほしい。中島先生の想いを、メンバーはしっかりと受け止め、充実したゼミライフを送っているようです。

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