教職員
2019.09.23|最終更新日:2022.06.21|

【前編】自分が元気になるために、好きなことをたくさんしましょう!

【前編】自分が元気になるために、好きなことをたくさんしましょう!
清水 麗
外国語学部 外国語学科 中国語・グローバルコミュニケーション専攻 教授
中国・台湾の近現代史を研究するかたわら、東日本大震災で町の様子が一変した宮城県の漁師町での漁の手伝いや、子どもたちが自然との共生を学ぶ体験プログラムの立ち上げなど、被災地での活動を行う。週末は宮城で過ごし、平日は大学の授業や研究に励む二拠点生活を送る。「世界は人間だけのものではなく、皆のもの」との想いから、動物と人間が共存する世界を叶える第一歩として、ヤギとも暮らす。「ヤギはとても利口です。人間に寄り添いつつも、プライド高く生きています。人間が動物や自然の力を感じながらどう生きていくかを、ヤギと山歩きをしながら学んでいます」。
目次

    緑豊かなキャンパスに学生の居場所がたくさんある。大学生活はこうでなくちゃ!

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    麗澤大学に初めて来た時は、なんて素敵なところだろう!と、まず環境の素晴らしさに驚きました。緑豊かな広々としたキャンパス、そのあちらこちらで、学生たちが語らっていたり、スポーツをしていたり。自然が大好きな私は、立派な木々がたくさんあるのも嬉しくて。敷地いっぱいに校舎が立ち並ぶ窮屈なキャンパスだったら、こうはいきません。麗澤大学は教室以外にも学生の居場所がたくさんあって、授業だけではない豊かな時間を過ごすことができる、大学生活はこうでなくちゃと思います。

    私は大学から最寄り駅までバスを利用するのですが、帰り際にバス停で「再見(ツァイチエン!)」と、学生が中国語でよく声をかけてくれるんです。麗澤大学では、学生も教職員の皆さんも、すれ違うたびによく挨拶をしてくれるので、とても気持ちがいいですね。挨拶ができるということは、社会に出てからも大切なこと。いつでもそれが自然にできる麗澤大学の学生の皆さんは、素晴らしいと思います。

    本で学ぶ中国より、現実のほうが波乱に満ちて面白い!

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    私が初めて中国を訪れたのは大学2年次、天安門事件が起きる前の1987年のこと。神戸港から「鑑真号」という船で渡航し、上海に降り立った私は、大きなショックを受けました。それまで勉強していた、三国志などからイメージする中国とはかけ離れた中国がそこにあったから。街にひしめく屋台や食堂の、思わず「うわっ」となる強烈な匂い。飲み残したお茶を、部屋の絨毯に平気でぱーっと捨てている光景。

    電車やバスでは降りる人と乗る人が正面衝突して、それでもお互いに譲らないという状況。「ここにはどんな文化があるのか」と衝撃の連続でした。当時は市場がまだ不安定で、冬になると食糧が不足するといった厳しい現実もありました。一方、バスに乗った時などは、乗客がひしめく車中でチケット売りに行き先を告げると、乗客の手から手を伝ってチケットが届く、日本では感じたことのなかった人と人との近さに心が温まることも。良いも悪いも含めて、驚きと発見に満ちていたのです。

    本を読むだけでは見えないリアルな中国に初めて触れた私は「本で学んできた中国より、現実の方がよほど波乱に満ちている。こっちの方が面白い!」と、目を見開かされる想い。以来、中国・台湾を何度も訪れ、文化・歴史・人々の多様性の幅広さと奥深さ、また相手をいったん信頼したらとことん尽くし、絶対に裏切らない人間性など、中国・台湾の魅力を知るほどに「もっと知りたい」と興味は尽きず、探求の旅は今も続いています。皆さんも中国語を学ぶのであれば、ぜひ、実際に現地を訪れてみてください。その土地の匂い、温度を感じて、初めてわかることがたくさんあります。生身の中国と出会い、ニュースやインターネットの情報だけではわからない、たくさんの発見をしてほしいと思います。

    英語も日本語も話さない人たちとつながることができる、本当の中国語を学んでほしい

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    2020年4月、中国語専攻が「中国語・グローバルコミュニケーション専攻」に名称変更し、よりハイレベルな中国語力、英語力の習得を目指し、ビジネスの世界で活躍できる人材を育成する専攻に生まれ変わります。中国をはじめ、シンガポールなど東南アジアの中国語圏の企業は、ビジネスでは英語を使い、日常生活は中国語を使うスタイルがスタンダード。つまり、中国語圏においては英語を使いこなせることが大前提。さらに中国語も使うことができれば、可能性が大きく広がるということです。高校までに身につけた英語にプラスして、今後ますますニーズが高まる中国語を本格的に学びたい。そんな学生と一緒に、元気に楽しく学んでいきたいと思っています。

    当専攻では、1、2年次の2年間、寮の"チャイハウス"という専用のフロアーで中国語圏からの留学生と共に生活をすることができたり、授業だけでなく普段の生活でも、中国語や中国の文化・風習に存分に触れることができる環境を用意しています。

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    また、私は大学の中に留まらず、学生と一緒に、企業のインターンシップやボランティア、自然の中――日本各地の現場にたくさん出かけて行きたいと思っています。学生には、色々なものに出会いながら、そこの人たちがどう考え、何を必要としているか、そこで自分に何ができるかを考え、動ける人になってほしい。そうなった時に初めて「本当の中国語」を話せるようになり、英語も日本語も話さない人たちと、つながることができます。

    これから中国語を学ぶ学生たちには、テストで高得点を取るだけではない、人とつながることができる「本当の中国語」を学び、アジアの人たちと一緒に新しい未来を創っていってほしいと、期待しています。

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