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2007/07/03

麗澤に咲く美徳の白バラ 1

白バラと聞いて何を連想するだろうか。赤バラと白バラをそれぞれ紋章としてランカスター家とヨーク家が争ったバラ戦争を思い浮かべる人もいるだろう。しか し、麗澤の中央花壇で淑やかに咲く白バラは、そのような血なまぐさい争いの象徴ではない。麗澤の白バラとは、国際経営学科の卒業生、葛西(旧姓鈴木)照美 さんが、本学に寄贈してくれた新種、「アレン&アイリーン・ミラー」(Alan & Eileen Miller)のことだ。

「ア レン&アイリーン・ミラー」とは、葛西さんがイギリス留学中(1993~1994年)にお世話になったホストファミリー、ミラー夫妻の名前。葛西 さんとご夫妻との交流は、留学中はもとより帰国後も、日英の国境を越えて続いていた。葛西さんを我が子のように慕うお二人は、亡くなられた際にその遺産の 一部を葛西さんに贈るという遺言を残された。葛西さんはその遺志を、同じように留学した学友たちの思いも込めて、白バラに託したのだ。

今日、海外留学へ出かける学生は多い。語学習得を目指す者、学問を修める者、見聞を広める者など、その目的も様々だ。だが、葛西さんのように、親子以上に心の通った、温かな絆を築いてきた留学生は少ない。

麗 澤の教育理念の特徴の一つに「出藍の教育」がある。「青は藍より出でて藍よりも青し」、つまり教え子が教師をよりも立派になる教育をいう。実は、小生も若 かりし頃イギリスに二年間ほど留学したが、葛西さんほどの出会いはなかった。その意味では、今回の白バラのエピソードは、まさに麗澤教育の特徴、「出藍の 教育」の模範例であり、学長としても、これほど嬉しいことはない。

モラロジー研究所には、学祖廣池千九郎の道徳思想を象徴する自然のオ ブジェがある。昭和10年に、学祖が自らステッキで指示して植えたソメイヨシノの桜並木、廣池千九郎記念館のひさしをくりぬいて伸びる樹木・・・。私たち は、70年の時の流れを超えて、学園の木々に学祖の「仁草木に及ぶ」の精神を読み取ろうとする。今回、大学にも、学祖の自然愛と人間愛の精神を受け継ぐ自 然のオブジェが誕生したのだ。それも卒業生の手で・・・・。

『ソネット』1番で“beauty’s rose might never die”と詠ったシェイクスピアにとって、バラは「美の象徴」であった。しかし、麗澤にとっての白バラは “virtue’s rose”でもあり、「徳の象徴」というにふさわしい。白バラよ、アラン&アイリーン・ミラーよ、永遠なれ。

葛西さん(中央)

葛西さん(中央)