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2012/11/13

タイ・ベトナム訪問

麗澤大学の海外留学制度は非常に充実しており、この30年間、一年に約100人の割合で本学学生を海外に派遣してきた実績がある。2,800人弱の全学学生数に占める海外派遣学生(短期研修を含める)の割合の高さでは、恐らく全国の大学のトップ10に入ると思われる。

前回のブログでは経済学部のマレーシア・プログラムの取組を紹介したが、今回は外国語学部の東アジア戦略の一つを取り上げたいと思う。外国語学部でも、学生のアジア地域への留学を後押しすべく、平成25年度より釜山外国語大学校(韓国)、実践大学(台湾)、ソンクラナカリン大学プーケット校(タイ)、サイアム大学(タイ)と交換留学を開始する予定である。

今回は、この中でタイとベトナムの高等教育機関との交流、および学術・教育協定へ向けて前進すべく、2012年11月4日(日)~11日(日)8日間、渡邊信外国語学部長、堀内一史国際交流センター長とともに、バンコク、プーケット、ホーチミンを訪問した。
 
以下は渡邊学部長、堀内センター長のレポートである。

ソンクラナカリン大学プーケット校にて(11月6日)

サイアム大学にて(11月7日)

ベトナム国家大学(ホーチミン市校)人文社会科学大学にて(11月9日)




 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイ・ベトナム訪問報告

 外国語学部 学部長 渡邊   信   

11月4日(日)

タイ・ベトナム出張の第1日目。3人別々のフライト(笑)でバンコク入り。 この中でラッキーだったのは堀内先生。


齊藤理恵さんと(2008年ドイツ語学科卒業)

【堀内 一史国際交流センター長からのレポート】

1月のイスラエル、2月のオーストラリア、10月の台湾。いずれも今年は学長に同行しての出張である。今回のタイ・ベトナムへの出張は中山理学長と渡邊信外国語学部長に同行した。出張の全容については渡邊学部長が報告されているので、ここでは特に記憶に残った出来事を記しておきたい。

私は年に数回海外出張をする。今回、学長は全日空、学部長はタイ航空、私は日本航空と、3人とも別々のフライトだった。タイ・ベトナムへは櫻井前外国語学部長に同行して以来2年ぶり、2度目の訪問となる。2度目とはいえ、多少の緊張はある。そんな緊張を解きほぐしてくれる出来事が起きた。成田空港から飛び立った717便がバンコクのスワンナプーム国際空港に着陸する小一時間前に、小柄なフライトアテンダントが私に声をかけてきたのである。

「堀内様でいらっしゃいますか。先ほど搭乗者名簿を見ておりましたら堀内様のお名前がございましたので、声をおかけしました。齋藤理恵と申します。麗澤大学の卒業生です。」

聞けば、竹原ゼミで2008年にドイツ語学科を卒業し、前日(11月3日)のホームカミング・デイの行事に参加していたという。どうして私が麗澤大学の教員と分かったのかは判然としないが、卒業生でしかも客室乗務員に声をかけられた私は、緊張もほぐれ、思わずシャメの撮影と学長ブログへの掲載の許可を得ていた。もちろん答はOK。さっそくもう一人の乗務員に依頼して写真を撮ってもらった。このツーショットは貴重だ。通常は得意のドイツ語を活かしたドイツ・フランクフルト便か米・ニューヨーク便に搭乗する機会が多いが、今回は偶然バンコク便に搭乗したという。比較的海外に出ることの多い私にしてはこのようなことは今回がはじめてである。

直接の教え子でなくても、教師であることの誇りと生きがいを噛みしめたひと時だった。自分の恩師でなくても親しげに声をかけてくださった齋藤さん、ありがとうございました。
                                                            (以上、堀内センター長 レポート)

 

卒業生の皆さんとともに

 現地時間16:00過ぎ、中山学長と堀内先生と空港で待ち合わせバンコク市内のシェラトンへ。19:00から同ホテル内レストランBasilで「麗澤大学」タイ同窓会となった。手配してくださったのは、本学大学院国際経済研究科修士課程を修了し現地で起業されている増田祐介氏。

15人の卒業生に集まっていただき本当に和やかで楽しい会となった。外国語学部、国際経済学部、大学院、留学生と、麗澤大学時代の所属は違ってもみんな麗澤で「同じ釜の飯を食った仲間」である。麗澤の卒業生はたくましく生きている。現地の大学で日本語を教えている方も数名おり(特に大学院日本語教育学専攻ご出身のマツナリ博士はNaresuan University Department of Oriental Languages Humanities Facultyの学科長)、そういう大学と今後提携できないか模索していけば麗澤とタイとの関係もますます深まって行くだろう。
旧英語学科出身の村松正章さん(現在は日本企業現地法人のDeputy Executive Manager)、阿部明日香さんと会えたのは英語の教員としては感慨もひとしおであった。

 

 

 

 

11月5日(月)

 
Bumrungrad International Hospitalを訪問し、日系市場セグメント・マネージャの田村優子氏に院内を案内していただいた。本来はタイ富裕層対象の病院であったが、現在はバンコクの「メディカル・ツーリズム」の中心地で、周辺の諸国からは高度な医療を求めてこの病院を訪れる。平成25年度(4月)よりバンコク市内のサイアム大学と交換留学を開始するが、麗大生が留学中に万一体調を崩すことがあっても同病院と田村氏がいらっしゃるので心強い。

その後、国際交流基金バンコク日本文化センター所長福田和弘氏、スミタカルチャーセンター社長住田千鶴子氏とバンコク市内で会食、タイにおける日本人の生活や日本語教育の現状についてご意見を拝聴した。住田氏は昨日の本学同窓会に参加してくれた国際経済学部出身で財団法人国際労働財団タイ・フィールドマネージャ―の関口輝比古氏の元上司だった方だ。タイ社会で活躍されている本学ゆかりの方々とできるだけつながり「海外インターンシップ」の充実に将来つなげたいとの思いを一層強くした。

 

 

11月6日(火)

 
バンコク・スワンナプーム国際空港から空路プーケットへ。1時間弱のフライトは超満員であった。正午すぎに空港に着き、ホテルまでは1時間弱。「一流ホテル」のはずだがフロント・クラークのゆったりとした仕事ぶりに驚く。堀内先生の部屋はまだ用意すらできていなかった。やはり何事も日本のようにはいかない。

14:30にソンクラナカリン大学プーケット校の小山先生とホテルで待ち合わせ。15:00より当該大学でブトラット副学長、ソンタヤ国際学部長、ジラサック韓国研究学科長、ケシネ国際関係副学部長他の皆さんと提携拡充協議を行った。本学ドイツ語・ドイツ文化専攻コーディネーター山川教授が粘り強く交渉を行ってきた結果が実を結んだものだ。本学とPSUは2010年6月に包括協定を締結している。

外国語学部は「異文化研究D」として短期研修を3回、30名近い学生を送り出した。2011年にはPSUより1名の特別聴講生を受け入れている。平成24年度よりPSUと念願の授業料免除での交換留学が始まる。

PSU国際学部は、中国語、韓国語コースの他に、2013年にはアセアンコースが、2014年ごろに日本語コースの開設を見込んでおり、麗澤との関係は徐々に強まっていくだろう。




11月7日(水)

 

調印式の様子

バンコクにとんぼ帰り。バンコク市内にあるサイアム大学との意見交換および、「包括協定書(Comprehensive Agreement)」「交換留学に関する覚書(MOA; Memorandum of Agreement)」の調印式を行った。サイアム大学からはポーンチャイ学長、ニムヌアン副学長、ウサニー副学長、高田知仁先生他が出席された。年2名の学生を1学期間授業料・寮費免除で交換する。麗澤からの参加条件はTOEIC500点以上、インターナショナルコース(ビジネスまたはホテル・ツーリズム)の授業から履修科目を選択する。

サイアムからは日本語能力試験N4級以上が条件となるが、既に日本語専攻の2人のアピンヤーさんとサラワンさん(いずれも女性)が4月から麗澤大学で学びたいと手を挙げてくれている。2人にお会いしたがとても聡明で親切、日本語も上手な努力家だ。

サイアム大学の学生とともに

バンコク市内はタイ系、インド系、中国系のタイ人と各国のビジネスパーソンとその家族からなる多文化社会だ。麗澤大学の学生にとって貴重な経験になることは間違いない。



 

 

 

11月8日(木)

 

中村氏(中央)とともに、「Chaho」にて

本学卒業生の中村寿男(ひさお)氏(麗澤大学第36期、イギリス語学科卒業、島根県松江市の「中村茶舗」代表取締役)が出資する「Chaho」にお邪魔した。「日本茶のスタバ」と言えばイメージが伝わるだろうか。Central World Plazaというショッピング・モールの4階にあり、タイで現在7 店舗を展開中で、年内にあと2店開店するそうだ。「異文化研究D(タイでの短期研修)」に参加した外国語学部の学生が今年8月にお邪魔したお礼と、海外インターンシップで学生を受け入れていただけるかを打診するためだ。

お店では中村氏と社員ピムペスさんから事業形態について丁寧に説明を受けた。日本茶はタイの富裕層に健康飲料として受け入れられているそうだ。「お茶と言う商品と共に日本文化を輸出している」という中村氏の言葉が印象的だった。本学卒業生が海外で展開する事業が成功しているのを見るのはうれしい。


11月9日(金)

 

日本の歌を披露する学生

11月8日(木)18:25の便でベトナム・ホーチミン・タンソンニャット国際空港に移動。ホテルに移動しベトナム国家大学(ホーチミン市校)人文社会科学大学のフー日本学科副学科長(通称「かおり先生」)、以前より同大学に日本語教材を提供している本学の関連法人である公益財団法人モラロジー研究所上信越ブロック長の西田誠氏らと明日の講演会などについて打ち合せ。

翌11月9日(金)、カーン副学長、ルック日本学科長、フー日本学科副学科長らとそれぞれの大学の特徴などに関して情報交換した。

その後講堂に移動し、いよいよ講演会となった。学生数人による日本語の歌で始ま

中山学長の講演

り、賑やかで和やかな雰囲気だった。以下がプログラムである。

  9:25~9:50   開会挨拶
  9:50~10:15  渡邊 「麗澤大学での学びについて」
  10:15~10:40 堀内教授「松下幸之助の道徳的経営」
            休憩
  10:50~11:50中山学長「21世紀の日本と道徳の再構築」
            10分間の質疑応答

質疑応答では多くの学生が手を挙げ、正直驚いた。実際ああいう場面で質問するのには勇気がいるだろう。一生懸命日本語で質問する学生の姿に燃えるような向学心を感じた。現在タイには1,500社近い日本企業が進出していると聞く。近い将来、彼らはそうした企業で重要な役割を果たすだろう。

19:00からは統一会堂(旧大統領官邸)において本学の中山学長がホストとして夕食会を行い、セン学長他を招待した。ベトナム国家大学の学生もカラフルなアオザイを着て参加してくれた。

堀内教授の講演

渡邊学部長の講演







学生とともに

統一会堂(旧大統領官邸)での会食

 

 

 

 

 

 

 

 

終わりに

今回のタイ・ベトナム出張を通してまず感じたのは対日感情の良さである。韓国と中国にある提携大学はとても大切なパートナーであるが、尖閣諸島や竹島にかかわるセンシティブな問題などが、時折留学生の送り出し・受け入れに影響する。今回訪問したタイ、ベトナムに関しては対日感情が抜群に良いこともあり、留学関係のパートナーシップは極めて安定的に運用できるだろう。

ソンクラナカリン大学プーケット校およびサイアム大学とは交換協定を結ぶことになった。前者が世界的なマリン・リゾート、後者が首都バンコクの中心地にあるということで棲み分けができよう。失業率0.6%が示すようにタイはまさに好景気に沸いている。治安も悪くない。2010年6月~9月の記録的大雨で国土を縦断するチャオプラヤ川が増水し堤防が決壊、450の日系企業が被害を受けたことは記憶に新しい。ただ洪水後も日系企業によるタイへの投資は加速しており、平成24年1月~6月の日系企業の直接投資額は前年度比2.4倍だそうだ(日経新聞2012年11月5日)。この好景気が長期間に渡って続く訳ではないだろうが、タイの言語と文化に関する知識を深めることは本学学生の卒業後のキャリアにとってきっとプラスに働くことだろう。

専攻語以外の言語が主言語の国・地域の提携大学に留学し専攻語と当該国の言語を修得する「クロス留学」を外国語学部は推奨してきた。本学部独自のプログラムだと自負している。タイへ留学するのは主に英語2専攻、IECの学生およびドイツ語・ドイツ文化専攻の学生で、彼らにとってタイ留学はまさに「クロス留学」である。この新しい方向性を大切に育てて行きたい。