
学業に熱心に取り組み、周囲から一目置かれる京須さん。麗澤大学に入学した当初は「気持ちをうまく切り替えられず、悩んでいた」そう。その後どんな学生生活を送ったのでしょうか?今の心境は?京須さんへのインタビュー後編は、「SDGsフォーラム2020学生プレゼンコンテスト」で優秀賞を受賞した時のこと、また4年間の学生生活を振り返った感想を伺います。

※取材時、4年次生
高齢者の孤独死を防ぐアプリ「アバター葬儀」を提案!
2020年12月、麗澤大学で開催された学生プレゼンコンテスト「SDGsフォーラム2020学生プレゼンコンテスト」に2人組で参加し、優秀賞をいただきました。このコンテストは、コロナ禍における社会課題をSDGsの17の目標と結びつけて、課題解決するためのビジネスを提案するというものです。
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私たちは、コロナ禍で人との関わりを制限しなければならない環境の中、高齢者の孤独死を防ぐコミュニケーションアプリ「アバター葬儀」を提案しました。アプリの構想は、高齢者同士がアバターを使ってオンラインでコミュニティに参加し、ゲームをしたりおしゃべりしたりとコミュニケーションが取れ、メンバーが亡くなった時は仲間がアバターで葬儀に参列できるというものです。これなら、直接会うことが叶わないコロナ禍においても高齢者の方が人とつながることができ、孤独死防止につなげられると考えました。
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日本で増加している孤独死は、今すぐ自分たちに直結する問題ではないかもしれません。でも、孤独死された方の住まいの原状回復や遺体の引き取り・火葬埋葬などの費用は、私たちの税金によって賄われるケースもありますし、私たちも将来は孤独死するかもしれません。そう考えたら、これは取り組まなければならない問題、私自身も心をこめて向き合える問題だと思えたのです。市役所の担当部署の方にもヒアリングをさせていただいて、孤独死を防ぐにはそこに至る前の段階のコミュニケーションが重要であると気づき、コミュニケーションアプリを構想しました。
社会に目を向け、人のための課題解決に初めて取り組む
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とはいえ「アバター葬儀」と聞いても何のことかわかりにくいし、不謹慎とも受け取られかねません。私たちが良いと思うだけでなく、高齢者や高齢者を介護する世代、若い世代、どの世代の人たちにも「それいいね!」と共感してもらうにはどうすれば良いか。色々な立場の人の視点に立って「この人はどう感じるだろう?」「どこを疑問に思うだろう?」と常に考えながら内容を詰めていきました。本番当日、目の前には審査員である学長や先生方、グローバル企業の役員の方、JICA(独立行政法人国際協力機構)の部長など名だたる方々ばかり。
私たち学生とは年齢も立場もまったく異なる方たちに、「アバター葬儀」を理解してもらわなければならない。そう思うと一瞬挫けそうになりましたが(笑)「どんな人にもわかりやすく伝えるのがプレゼンテーション。
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審査員の皆さんにも、将来、アプリを使いたいと思ってもらえるように説明しよう」と伝える相手のことを意識し、その場で説明にも補足を加えながら一生懸命に伝えました。私はこれまで、何か企画を考えるにしても自分の興味関心があるテーマを選び取り組んできたので、今回のように社会に目を向けて、世の中のための課題解決に取り組んだのは初めてでした。そのおかげで、普段は読まない記事も読むようになるなど学びのアンテナが広がり、知らないことをたくさん知ることができました。社会で活躍するという目標にも、一歩近づけたと思います。
私が麗澤大学で全力を尽くしたこと。それがすべて
麗澤大学の先生方は、学生一人ひとりと向き合い、学びを深めるために全力でサポートしてくださいます。学生全員が先生にちゃんと見守ってもらえていると感じます。
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最近も、私のゼミナールの先生に他の先生から「京須さんの研究には、このデータが役立つのでは」とデータを提供していただき、「先生方の中でも私の研究内容が話題に上がるんだ」と驚きました。と同時に、大変有難く嬉しくなりました。今回のSDGsフォーラムに参加するきっかけを作ってくださったのも先生です。昨年は高校生のプレゼンコンテストをサポートする機会もいただいて、スケジュールやチーム管理などマネジメントを学ぶ良い経験ができました。
大きな大学だからこそ得られるチャンスもあると思います。けれども、小規模で、面倒見の良い先生方からたくさんの知恵や機会をいただきながら成長できたのは、麗澤大学のこの環境のおかげです。