
抽選になるほど人気のある授業「入門計量経済学」(2年次)を担当する池川先生。徳永澄憲学長の教え子でもあり「徳永先生のように、懐の深い教員になることが目標」と語ります。経済学との出会い、そして徳永先生との出会いについて、池川先生の学生時代のお話を伺いました!

「人間の行動が数式で表せる?!」経済学との衝撃的な出会い
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実は私は初めから大学で経済学を学びたいと思っていたのではなく、当時、花形だったバイオテクノロジーを学びたいと思い、農学部に入りました。しかし、いざ授業を受けてみるとまったく向いていないと感じてしまって(笑)。バイオテクノロジーは実験がメインなのですが、私はとにかく実験のセンスがなくて...。わずか2時間の実験で試験管を5本割ったことも(苦笑)。また、実験ではチームワークがとても大切であるにもかかわらず、人とコミュニケーションをとることが得意ではなく...。
自分なりに頑張ろうと努力しましたがうまくいかず、そうこうしているうちに大学生活が楽しくなくなってしまいました。そんな時大きな転機となったのが、たまたま選択していた経済学の授業。経済学といっても農学部なので内容は農業に特化していましたが、そこで初めて経済学というものに触れて、「人間の行動って数式で表せるの?!」と大きな衝撃を受けました。
- その授業では、たとえば、ある都市の中心部から何キロ圏内は商業エリアとして利用する、そこからさらに離れた何キロ圏内は住宅地として、さらにその外側は通勤コストが高くなるので農地として利用する、というように、最も経済効率の高い点を計算して、土地を効率よく利用する世界があるということを学びました。理論上とはいえ、人間の行動を数式で現わせるなんて思わなかったので、そんなことができるんだ!と興味が湧きました。その授業を担当していたのが、麗澤大学の現学長である徳永澄憲先生で、私の恩師でもあります。
好きなことを学ぶ大切さ。恩師と出会い、データ分析の道へ
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徳永先生の授業に衝撃を受けた私は「先生のゼミナールに入れてください」と直談判すべく、研究室を訪ねました。徳永先生といえば、今でこそ優しい先生ですが(笑)、当時はとても厳しく、授業中少しでも私語をしようものならピシャーッと叱られるような先生。声をかけるのも躊躇しましたが、恐るおそる話をしてみると、先生はパーッと笑顔になり「ぜひ来てください!」と言ってくださいました。快く受け入れていただけたことに驚きつつも、すごく嬉しくて「頑張ろう!」と気力が湧いてきたのを、今でも覚えています。