教職員
2022.04.07|最終更新日:2022.04.22|

【前編】「教育改革」を推進中! 2022年度から新しい学事暦へ

【前編】「教育改革」を推進中! 2022年度から新しい学事暦へ

2022年度4月から、麗澤大学では全学を上げて教育改革を進めています。その一環として、本年度(2022年度)から学事暦を変更し、2ヵ月集中型の授業(クォーター制)を増やし、授業時間は1回90分から100分に変更します。その理由とは? 授業方法や学生生活はどう変わるのでしょうか? 徳永澄憲学長、渡邊信副学長にお話を伺います。

徳永 澄憲
麗澤大学 学長
愛媛県出身。筑波大学名誉教授、日本地域学会会長、ペンシルベニア大学等の客員研究員、インドネシア国家経済開発庁(BAPPENAS)経済顧問(JICA長期専門家)などを務め、2019年より現職。「瀬戸内海育ちで趣味は海での遠泳と魚釣り」。
渡邊 信
麗澤大学 副学長
山梨県出身。南カリフォルニア大学卒業後、ノースカロライナ州立大学 、スミス大学にて教鞭を執る。日課は、洋画や海外ドラマで英語力を強化すること。「動画を利用した英語学習は高校生にもおすすめ。英語音声・英語字幕でまずは子ども向け作品に挑戦してみて下さい」。
目次

    強い教育力を兼ね備えた麗澤大学を次世代につないでいきたい

    ―教育改革に取り組む背景をお聞かせください

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    • 徳永学長:はじめに、麗澤大学がどのような大学なのかを改めてご紹介しておきましょう。麗澤大学は1935年、創立者の廣池千九郎が「道徳科学専攻塾」という私塾を開いたのが始まりです。以来、知識と道徳はひとつに調和すべきであるという「知徳一体」の理念のもと、世界と地域に貢献する「品格あるグローバル人材」を育成すべく邁進してきました。道徳性と国際性を併せ持つ教育は、麗澤大学でしか得られないものです。

    2025年に創立90周年を迎えるにあたり、我々教職員は、強い教育力を兼ね備えた麗澤大学を次世代につないでいきたいという思いを新たにしています。持続的に発展し続ける大学を目指し、一層教育力の強化を図ろうと、全学をあげて教育改革に取り組んでいるところです。

    目指すは「集中的で深い学び」へ転換を図ること

    ―新しい学事暦について教えてください

    渡邊副学長:2021年度までは、麗澤大学では1年を2つに分け、学期ごとに完結させるセメスター制を採用していました。これをベースに、2022年度からは授業を1回90分から100分に変更し、1セメスターを15週間から14週間に短縮します。さらに、セメスターを2つに分け、7週間で履修科目の学びが完結する「クォーター制」の授業を併用していきます。

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    徳永学長:学事暦を変更する一番の目的は、広い学びから「集中的で深い学び」へ転換を図ることです。そこへ至るには、学生が1セメスターあたりに履修する科目数が多過ぎるという課題がありました。日本の大学は、1セメスターあたり10科目以上を履修し、1科目につき週1回、90分の授業を15回受けることが一般的です。毎週10科目以上の授業を同時に履修するとなると、それぞれの科目にかける学修時間が必然的に少なくなってしまいます。そこで、2022年度から1セメスターあたりの履修科目数を徐々に減らし、2024年度には本格的に「集中的で深い学び」を目指し、転換します。

    • 渡邊副学長:学長も私もアメリカ留学の経験があります。アメリカの大学では1セメスターあたりの履修科目数は4科目か5科目です。科目数が少ない分、1科目につき授業は1週間に複数回行われます。それも、膨大な文献のリーディングによる予習に始まり、教員のレクチャー、大学院生のTA(ティーチング・アシスタント)によるディスカッション、プレゼンテーション、テスト、レポートの作成とさまざまな授業の形態や方法を取り入れることで学びを深めていきます。それはもう、1科目あたりの学びの密度が非常に濃いものでした。

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    徳永学長:一つひとつの科目の見識を深め、得た知識を自分のものとして活用できるレベルに高めるためには、授業の構造や内容を思いきって転換する必要があります。そのために、学事暦の変更とカリキュラムの抜本的な見直しを行います。

    アクティブ・ラーニングをさらに拡充する。学生に身につけてほしい力とは

    ―新しい学事暦では、具体的に何がどのように変わるのでしょうか?

    渡邊副学長:新たに導入するクォーター制科目は週2回が基本です。週2回のセメスター制科目も増やしていきます。それと同時に、授業科目の精選・統合を行い、 同時に履修する授業科目数を絞り込むので、各科目にかける学修量を増やすことが可能になります。2022年度から導入をはじめ2024年度には、「集中して深く学ぶカリキュラム」が完成する予定です。

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    • 徳永学長:授業の質も高めていきます。麗澤大学は、これまでも授業でアクティブ・ラーニングを多く取り入れてきましたが、今後はさらに拡充します。学生が動画視聴などで事前学習に取り組んでから授業に参加する「反転授業」をさまざまな科目で増やし、予習を前提とした授業展開としていきます。学生は、予習で知識を得た上で授業に臨み、授業では学生同士が議論し、教員の問いに対しては自分の意見を述べるというように、主体的・対話的な学びを中心に授業を展開します。反転授業を実施することにより、自宅での学習時間が増えることで、学力向上につながり、その知識に基づいて学生が自分の意見を持ち、自ら発信する力を身につけることができます。

    新しい学事暦においては、たとえば、100分授業を週2回、2日間に分けて行うこともできますし、100分授業を縦に並べて200分授業とすることもできるなど柔軟な授業展開が可能になります。学生は多様な学びをよりしやすくなり、教員も授業で様々な取り組みに挑戦しやすくなるでしょう。同時に、教員の創意工夫と教授技術の向上が求められますので、麗澤大学全体で教育力の改善につながると期待しています。

    新学事暦によりグローバル化を促進。授業では得られない経験もしてほしい

    ―新しい学事暦の導入により、他にどのようなメリットがあるでしょうか?

    渡邊副学長:ひとつは、グローバル化の促進です。たとえば、学生は「第2クォーター(6月と7月)」と「夏セッション(8月と9月)」に海外の大学のサマースクールに参加したり、3ヵ月間以上の語学留学ができるようになります。これまでは留学すると学期の途中で帰国することになるため、長い休暇になってしまうなどの課題がありました。しかし、クォーター制を導入することにより、学生は帰国後すぐに本学の授業に復帰することができます。外国人留学生の受け入れも入学時期を柔軟に設定できるので一層強化できます。学生には、これらの環境を活かし、4年間の大学生活の中で海外留学や国際交流などの経験を積極的に行ってほしいですね。

    徳永学長:新しい学事暦に変わることで履修している期間が短縮される分、課外活動をより充実させることもできます。夏セッションや冬セッションは、自分が好きなことにとことん打ち込む、将来の夢を実現するためのステップアップの時間に充てる、ボランティア活動や長期のインターンシップに参加するなども良し。また、発展途上国を旅して世界を知る、というのも良いでしょう。授業期間はしっかりと学び、週末や長期休暇は授業では得られないさまざまな経験に時間を費やし、メリハリをつけて実りある学生生活を送ってもらいたいと思っています。

    • 渡邊副学長:今回の改革においては、麗澤大学に入学したすべての学生が身につけるべき一定の知識やスキルを学ぶ「麗澤スタンダード」科目を整備しています。具体的には「グローバル教育」「道徳教育」「データサイエンス教育」「キャリア教育」の4つの柱に教養教育を加えて展開していきます。学生には、強化された学修環境の中で学び、社会に出てからも持続的に成長し続けることができる土台をしっかりと築いてほしいと思います。

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