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2024.01.25|最終更新日:2024.01.26|

【前編】皆さんのために最大限力を尽くしたい。中国語は最強の武器になる

【前編】皆さんのために最大限力を尽くしたい。中国語は最強の武器になる

大学時代に日本へ留学し、日本の大学院を修了した温先生は、現在麗澤大学に着任して14年目を迎えます。温先生の授業は「中国語の難解な発音がしっかりと身につく」と在学生・卒業生から絶大な信頼を置かれています。前編では、先生が来日するまでのことや、大学院時代のことなど、夢に向かって努力し続けた半生についてお話を伺いました。

温 琳
外国語学部 外国語学科 准教授
中国・山西(さんせい)省出身。山西大学外国語学部日本語学科在学中に日本へ留学。その後、大東文化大学外国語学研究科中国語学専攻修士課程、神奈川大学外国語学研究科中国言語・文化専攻博士課程をそれぞれ修了。 趣味は読書。今野敏さんの作品が好き。
目次

    幼稚園生の頃から憧れ続けた教員への道と、日本語との出会い

    中国・山西省に3人姉妹の末っ子として生まれ、一番上の姉とは7歳離れていたので、家族皆からお人形のように可愛がられて育ちました。私が子どもの時は、本を好きなだけ買えるほど経済的に余裕のある家庭はまだ少なかったのですが、病院勤めの母が毎年職場で注文できる本のカタログを持って帰ってきてくれて、好きなものを自由に選ばせてくれたことを今でもよく覚えています。小学校高学年から高校まで続いたその習慣は、私を読書好きに育て、研究者になる大きな素地になりました。

    「教員になりたい」という思いは、実は幼稚園生の頃からずっと変わらずに持っていて、最初は国語の先生に憧れ、中学校で初めて英語に触れてかっこいいと思い、大学は英語の先生を目指して山西大学の外国語学部に入学しました。しかし、クラス分けの結果、英語学科ではなく日本語学科に進学することになりました。その時は、「じゃあ日本語の先生になろうかな」と思うくらい、柔軟ではありました(笑)。

    • 山西大学の日本語学科は22人の1クラスのみで、自分でもよく勉強したなと思うくらい新しい言語の習得に必死でした。当時日本人留学生は少なく、日本人留学生と話す機会は、クラスメイトと奪い合いになるほど、貴重な時間でした。その貴重な時間にうまくコミュニケーションをとるためには、教科書の内容を覚えて語彙力と文法力をブラッシュアップしておくことが必要です。中国の大学は大体2時間半の比較的長い昼休みが設けられていて、その時間に昼寝をする学生も多いのですが、私はその時間を削って教室に一人残り、教科書を覚えていましたね。

    勉強は大変でしたが、家族は私の奮闘に協力的で、全面的にサポートしてくれました。大学受験の時から大学卒業まで、家族は見たいテレビ番組を我慢して30分のニュース番組が終わるとテレビを消し、私が勉強に集中できるように静かな環境をつくってくれました。今振り返っても、感謝しかありません。

    「これも運命。」一度も帰国せずに挑戦を続けた大学院時代

    日本には、日本語学科の学生時代に、大東文化大学への交換留学で初めてやって来ました。元々1年間の留学の予定だったのですが、帰国寸前に山西大学のゼミナールの先生から「大学の教員を目指すのであれば、最低でも修士の学位は必要だよ」とアドバイスを頂き、そのまま大東文化大学の修士課程の受験に挑戦し、進学することになりました。さらにこれでは終わらず、修士の2年を修了し中国に帰国しようと思ったところ、また先生から「修士では中途半端だから、まだ頑張れるのであれば、このまま博士に進みなさい」と言われました。私は良くも悪くも素直に物事を受け止めるタイプだったので挑戦する道を選びましたが、さすがに一度も故郷に帰らないまま、そのまま進学することを両親に告げるのは勇気がいりましたね。両親は「後悔のないようにやりなさい」と言ってくれましたが、母は涙声だったことを今でも覚えていますし、「これも運命だな」とその時に私も決心がつきました。

    • 博士課程は神奈川大学に進学し、2年次からはティーチングアシスタントを務めながら、「形式意味論」について研究していました。修士時代に公民館の中国語サークルで中国語を教えるボランティアをしていたのですが、そこでは「真似て話す」ことがメインで、私としては上達するには「理論的に理解して、アウトプットできる」ことが必要だと考えていたので、もどかしさも感じていました。「どうしたらこの中国語をもっと理解しやすく教えられるのか」と考えていたところ、「形式意味論」と出会い、もっと研究したいと思うようになりました。形式意味論の世界も中国語の世界もあまりにも広いので、博士課程の間も「受身」や「使役構文」くらいまでしか研究できませんでしたが、今でも引き続き研究に取り組んでいます。


    ―夢に向かって一生懸命努力し続けた温先生。後編では、麗澤大学での授業にかける熱い想いや、中国語を学ぶことの魅力などについて伺います。

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