教職員
2024.01.25

【後編】皆さんのために最大限力を尽くしたい。中国語は最強の武器になる

【後編】皆さんのために最大限力を尽くしたい。中国語は最強の武器になる

大学時代に日本へ留学し、日本の大学院を修了した温先生は、現在麗澤大学に着任して14年目を迎えます。温先生の授業は「中国語の難解な発音がしっかりと身につく」と在学生・卒業生から絶大な信頼を置かれています。後編では、先生の授業にかける熱い想い、麗澤大学の魅力、高校生へのメッセージなどを伺いました。

温 琳
外国語学部 外国語学科 准教授
中国・山西(さんせい)省出身。山西大学外国語学部日本語学科在学中に日本へ留学。その後、大東文化大学外国語学研究科中国語学専攻修士課程、神奈川大学外国語学研究科中国言語・文化専攻博士課程をそれぞれ修了。 趣味は読書。今野敏さんの作品が好き。
目次

    初めて中国語を学ぶ人でも大丈夫。安心できる授業づくりを

    私は麗澤大学に着任して約14年になります。中国語・グローバルコミュニケーション専攻は約20人で1つのクラスを構成し、授業を行っています。専攻には様々な背景やスキルをもった学生がおり、中国語は0からスタートの人も少なくない一方、親御さんが中国出身の人もいます。どのレベルから中国語を始める人も、安心して授業を受けられるように、最初の授業だけは日本語も使いながら、どのように授業を進めていくかという説明とともに、必ず「わからない時はいつでも聞いてください」「いつでもどんなことでも答えます」という言葉を添えて、安心感を持ってスタートを切ってもらえるようにしています。2回目の授業からは全て中国語で行いますが、少人数の専攻なので学生同士もすぐに親しくなり、中国語が少しわかる学生が周りをサポートしたりと、自然に学び合う環境が出来上がっていきます。レベルの差を感じて、初心者の学生が萎縮したり不安になったりすることのないよう、最大限に留意して、1年次の授業を始めることを大切にしています。


    中国語習得のマイナス要素は0。人生にとってプラスしかない!

    私の発音の指導は厳しい、なんてことが以前の記事に書いてありますが(笑)、今はそのように思う学生は少ないのではないかと思います。というのも、学生のカラーは年々変化していきますので、その変化をしっかり見定めながら、指導のあり方を柔軟に変えていかなければならないと考えるようになったからです。たとえば、発音は繰り返し繰り返し、リピートして練習して上達していくことが必須です。以前は、学生の発音が合っていなかったら、その場で「あなたの発音では中国語として伝わりません」という意思表示をしていましたが、今のスタイルは、たとえ多少発音が変だったとしても「あなたの言いたいことは理解しましたよ」ということをしっかり意思表示してから、正しい発音をインプットさせるという指導の仕方をしています。

    • 中国語は、外国語の中でも特に発音が大事な言語です。学生一人ひとりの性格とレベルを早めに把握して、授業中のフィードバックについても「この子にはこういう言い方をした方がいい」とか、「この子には何もしないでもう一度聞き返すか」など、一人ひとりに合わせて工夫しながら、必ずその場で正しい発音に直してあげるよう意識しています。発音した瞬間瞬間で、正しいことと、間違っていることを本人がきちんと認識することが大事だからです。

    既修者であっても、ネイティブレベルの発音を身につけられるよう、学生にしてあげられることは何でもしてあげたいと思っています。大学で指導してあげられる期間は、長いようであっという間で、実質3年半ほどしかありません。私が最大限学生にしてあげられることをして、ベストな発音を身につけて卒業してもらいたいと日々全力を尽くしています。学生たちから「アルバイト先で会った中国人にちゃんと言葉が通じました」「道を聞かれた中国人に発音を褒められました」というような報告をされた時は、とてもうれしくモチベーションになりますね。

    どの言語を学ぼうか迷っている人に、いつもお伝えすることですが、外国語を完全にマスターすることは、人生の武器になります。そして、中国語をマスターすることは、中国語話者の人口の多さから見ても最強の武器になると私は思います。「中国語習得は素晴らしいスキル。人生にとってマイナス要素は0。プラス・プラス・プラスですよ!」というのが私の心からの実感です。中国語は他の言語と比べて難しいという声をよく耳にしますが、その理由は「速い」とか「きつく聞こえる」といった印象があるからかもしれません。テレビなどのメディアから流れてくる中国語は確かに速く、アクセントがはっきりしているのできつい雰囲気があります。しかし、きつく聞こえる中国語は、実はちゃんと話せている証拠です。いかにきつく聞こえるかは実はとても大事なことで、「もっと、上げて下げて!」「もっときつく! びっくりさせて!」と学生たちには授業で細かくリクエストしていますよ。


    「癒やし」のキャンパスに集う自慢の学生たち

    麗澤大学の一番好きなところは「癒やし」です。私は、自然に囲まれたホッとする環境が大好きなので、登校してキャンパスの芝生が目に入ってくると、「今日も来てよかった」といつも思うのです。特に好きなのは、周りに緑の多い校舎「あすなろ」。緑豊かな環境は心が落ち着いて、自分の本業、やるべきことを素直に思い出させて元気にしてくれる効果があると思います。

    もうひとつの魅力は、親しみやすい先生ばかりなことです。着任した当初から変わらず思っていますが、皆さん話しやすく、ちょっとしたことでも共感してくださる温かさがあります。話しかけやすいという雰囲気はとても素敵なことなので、皆さんも入学したらどんどん担当外の先生にも話しに行ってほしいです。もちろん私のところにも来てくださいね。

    • 学生の皆さんは「素直で真っすぐ」な方が多いですね。授業の中では時に難しいことやわからなくて困る場面もあると思いますが、逃げずに真っすぐ向き合う姿勢を誇りに思います。卒業式の日は私はいつも耐えられません(笑)。4年間のそれぞれの頑張りが全部蘇ってきて、もう最後なのに、号泣してしまいそうで、まともに学生の皆さんの顔を見ることができません。学生のひとつのスキルをマスターしようと努力している姿、素直に見せてくれるパワーを感じるたびに、私も底知れぬ力をもらっています。

    日本の中国語教育をリードする専攻へ

    • 私の将来の夢は2つあります。まずは、企業の方が就職活動で中国語をできる人を採用する際に、「麗澤の学生がほしい!」と思ってくれる人材をどんどん育てていくことです。これまではどちらかというと、中国に駐在して商社などで働くという形が多かったのですが、今は日本に来る中国人の観光客や移住者がどんどん増えていて、その人たちをクライアントとして仕事をこなす市場も広がり、中国語人材の需要はますます増えています。

    もうひとつの夢は、麗澤大学が日本の中国語教育をリードするような立場になることです。麗澤大学の中国語・グローバルコミュニケーション専攻の専任教員は5名おりますが、それぞれ専門が国際関係、異文化コミュニケーション、言語学と、幅広く学べて中国語の力が総合的につきます。そして、最もすごいのは、1学年で換算すると「学生4人で1人の教員を独り占め」という体制です。首都圏の大学の中で、ここにしかない最高に恵まれた環境です! 一緒に勉強できることを心から楽しみにしています。

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