【後編】石垣島での経験が変えた視点―Link-RUが深めたSDGsの学び

「課外活動と地域連携で未来を拓く」と語るのは、麗澤大学の伊藤さんと久保田さん。起業と国際協力という異なる道を志す二人に共通するのは、自主活動団体Link-RU(リンクル)での石垣市における廃棄物削減への取り組みでした。ホテルや地域との交流を通じてSDGsの視点を育み、自らの成長と社会貢献の手応えを実感しました。後編では、お二人が考える持続可能な社会や麗澤大学の魅力について伺います。

※取材時、4年次生

※取材時、3年次生
"行動"が変化を生む。持続可能な社会の第一歩
―お二人が考える持続可能な街づくりについて教えてください
-
伊藤さん:私は、小さな一歩から社会を変えることが大切だと考えています。Link-RUとして石垣市の廃棄物削減に取り組んだことで、その想いはより強くなりました。たとえば、麗澤大学主催のSDGsフォーラムで提案した「学内の自動販売機をドリンクバーに置き換える」という取り組みもその一つです。大学という小さなコミュニティからプラスチックごみの削減を進め、将来的には街全体へと広げていきたいと考えています。
起業を目指す私にとっては、環境への配慮と経済性の両立が欠かせません。石垣市での経験を通じて、廃棄物を資源として再活用することや、地域の魅力を活かした観光の形に新たなビジネスの可能性を感じました。大学やインターンシップで得た知識を活かし、持続可能なビジネスモデルを実現していきたいです。
-
久保田さん:地域の特性を活かし、住民が主体的に関わることが持続可能な社会づくりには大切だと思います。石垣市での活動を通して、自然を守りたいという地元の方々の思いに触れ、観光と環境保全のバランスの難しさを肌で感じました。だからこそ、文化や暮らしに根ざした解決策が求められるのだと思います。
麗澤大学で国際協力を学ぶ中で、グローバルな視点の重要性も実感しました。地球温暖化などの課題は一地域では解決できませんが、足元から意識を変えることが、やがて大きな変化につながるはずです。石垣市での経験を胸に、将来は国際的な視点も活かして、持続可能な社会づくりに貢献したいです。
机上では得られない、実践の学び
―一連の活動を通じて、どのような気づきや学びがありましたか?
-
伊藤さん:Link-RUでの活動を通して、机上の学びでは得られない実践的な学びの大切さを実感しました。石垣市での取り組みでは、地域の方々と協力し、SDGsという言葉の先にある「行動すること」の意味を体感しました。
ホテルや地元企業との連携からは、持続可能な社会の実現には地域に根ざした連携が不可欠であることを学びました。小さなアイデアでも、実際に行動に移すことが大切であること、また、リーダー経験からは、人を巻き込み行動する力も養われました。自由な学びの環境で多くに挑戦できたことは自信となり、企業という夢に一歩近づいたと感じています。
久保田さん:石垣市での活動は、忘れられない経験です。美しい観光地の裏にある深刻なゴミ問題に直面し、環境課題がいかに私たちの生活と密接にかかわっているかを痛感しました。
さまざまな活動を通して、社会に貢献できているという喜びを感じました。また、島の人々の温かさや自然への想いに触れ、地域と共に生きることの大切さを学びました。この経験は、今後の人生にも大きな影響を与えてくれると感じています。
Link-RUがくれた大きな挑戦と無限の可能性
―山川先生の印象とLink-RUの魅力を教えてください
久保田さん:山川先生はとても行動力があり、学生の可能性を信じて背中を押してくれる方です。先生は私たちの活動を温かく応援してくださり、その支えが大きな力になりました。
伊藤さん: Link-RUの魅力は、学生が主体的に活動できることです。少人数ながら、それぞれの興味を活かし、活動を進める中で、社会に貢献できる喜びを感じました。地域連携は簡単ではありませんが、自分たちで考え、動く中で達成感と学びがあります。学内でのラジオ企画なども含め、今後も工夫しながら挑戦し続けてほしいです。
大学入学はゴールではなくスタート!
―最後に、お二人の夢や高校生に向けてのメッセージをお願いします
-
伊藤さん:高校時代から変わらず、私の夢は大学卒業から5年以内に起業することです。目指すのは、みんなが夢を諦めずに挑戦できる環境をつくることです。知識や経験がなくても、誰かのサポートがあれば、夢は実現できると信じています。
麗澤大学は、学生の挑戦を応援してくれる環境が整っています。先生との距離も近く、小規模だからこそチャンスが多いです。
高校生のみなさんには、ネームバリューや偏差値だけで大学を判断するのではなく、入学後どのように過ごすかを考えてほしいです。「思っていたのと違う」と感じても、工夫次第で楽しめます。課外活動にも積極的に参加して、やりたいと思ったことには迷わず挑戦してみてください。後悔のない大学生活を送ってほしいです!
-
久保田さん:私の夢は、困っている人を支えることです。高校時代から国際協力に関心があり、大学では国際交流のおもしろさにも惹かれました。将来は大学での学びを活かして、地元に貢献できたらと思っています。
麗澤大学の先生方は多様で親しみやすく、自由に学べる環境が整っています。Link-RUの活動を通して、地域や自然とのつながりの大切さも実感しました。
高校生のみなさんには、自分が学びたいことを軸に進学先を選んでほしいです。そして大学に入学したら、いろいろなことに挑戦して、自分の可能性を広げてください。きっと新しい自分に出会えるはずです。