片山 大輔
キャンパスにはグローバルな出逢いの場が広がっている
コミュニケーション力の大切さを学んだ広山さんは「カンバセーションパートナーシップ」もそのひとつだという。交換留学生であるクンツェさんとの出逢いは彼女にとって大きな成長を促す絶好のチャンスと考えているようです。
「カンバセーションパートナーシップは単に留学生のお世話をするわけではありません。一緒に学び、共に成長するためのプロジェクトのようなもの。ペアというよりも『バディ』と表現する方がしっくりくるかもしれません。私は、課外活動としてミクロネシアの環境教育活動をする団体に所属しているのですが、クンツェさんもその活動に共感してくれて、今では一緒に参加しています。
日本人とは異なる文化で育った彼女の意見はとても新鮮で、私たちとは違う視点での意見が大きな刺激になっています。また、カンバセーションパートナーシップだけでなく、麗澤大学のキャンパスには色々な国の学生が多く、常に異文化交流の場所としてチャンスが広がっています。本気で異文化を学びたい人には、これほど環境が整った場所はないと思います」(広山)
お互いが向上しあえる素晴らしい制度
ドイツの提携校であるイェーナ・フリードリヒ・シラー大学から交換留学生として麗澤大学へと通うクンツェさんは、麗澤大学の「カンバセーションパートナーシップ」を高く評価してくれました。
「麗澤大学は素晴らしい学校です。キャンパスの中は国や地域を感じさせないボーダーレスな雰囲気があり、留学生が過ごしやすい環境が整っています。私が参加した『カンバセーションパートナーシップ』はとても良いシステムだと思います。というのも留学生はどうしても共通言語の英語や母国語を話す留学生同士だけが集まってしまい、
日本人学生と友達になる機会は少ないのですが、あえてこのシステムでペアを組むことでたくさんの日本人と関わることができ、友達づくりもスムーズに。また、日本人学生と留学生の相互にメリットがある"Win-Win"の関係はとても素晴らしいですね。
日本語を教えてもらったり、ドイツ語や英語を教えたり、お互いが向上しあえる関係です。実は、日本に留学して2週間目くらいにドイツにいる家族や彼氏に会いたいとホームシックになってしまったのですが、すごく寂しい時に広山さんや友人たちが親身になってくれました。もしも、この制度がなかったら私だけでなく、多くの留学生は耐えられなかったかもしれません。広山さんをはじめ、多くの友人と出会う機会を与えてくれた麗澤大学には感謝しています」(クンツェ)
「広山さんとクンツェさんのペアは、広山さんの交友関係や様々な活動に一緒に参加することにより、クンツェさんも交流範囲が広がっています。広山さんとクンツェさんペアのように、このカンバセーションパートナーシップをきっかけにして、学生も留学生もどんどん交流の幅を広げていって充実した学生生活を送ってほしいと思います」(片山)
パートナーシップを通して出会えた一生の友達
「カンバセーションパートナーシップ」を通して親交を深めた広山さんとクンツェさんにお互いへのメッセージを語ってもらいました。
「ドイツからの交換留学生として遠く離れた日本での生活は苦労も多いはずなのに、いつも笑顔でいてくれるクンツェさん。私も留学した経験があるので苦労していることは本当によくわかります。その気持ちを少しでも分かち合って楽しい留学経験にしてもらいたい。この出逢いは大学時代の思い出だけではなく、これからも生涯の友人としてつき合っていきます」(広山)
「広山さんには感謝の気持ちでいっぱいです。寂しい時に励ましてくれ、お互いに同じ目的でミクロネシアのボランティア活動をするなど、充実した毎日を送れているのも彼女のおかげ。
カンバセーションパートナーシップを通じて出会いましたが、これからも一生の友人としておつき合いをしたい。交換留学生としての滞在期間もわずかとなってしまいましたが、その時間を有効に使ってより充実した日々を過ごしたいと思っています」(クンツェ)
共にリスペクトし合い、素晴らしい関係性を築いている広山さんとクンツェさん。麗澤大学という学びの場で奇跡的な出逢いを果たした二人は、一生涯の友人としてこれからも素敵な関係を続けていくに違いありません。
麗澤大学として次のステージへのステップアップを目指す
最後にグローバル戦略室の主任である片山大輔さんに「カンバセーションパートナーシップ」の成果と今後の目標をお伺いしました。
「2018年にスタートしたカンバセーションパートナーシップですが、学生たちが主体となり留学生に対してサポートを行うスタイルで、第4期まで終了し(2019年12月現在)、ひとつの成果をあげたと思っています。私たちは次のステージとして、もっと交換留学生を増やすことを考えており、より幅広く学生たちに国際交流のチャンスを提供したいと色々計画しています。初めて日本を訪れる留学生たちを日本の学生がサポートする。
それは決して一方通行ではなく、お互いが理解を深め合うことで日本に居ながらも留学に近い経験すらできるはずです。麗澤大学として、この一年で培った経験を活かし、より深く濃密な国際交流を図る場所作りをしていきたい。それが私たちに課せられた仕事であり命題だと思っています」(片山)
麗澤大学は小規模であり、先生と学生の距離が近いとよく言われます。それだけではなく、留学生と日本人学生の距離も近く、コミュニケーションがとりやすい環境であるということも今回のインタビューを通して感じました。これからも小規模で国際的な環境を活かし、日本国内にいながら国際感覚を養う場として有効に活用してほしいと思います。