工学部
2026.08.25

将来"食べていける"学部はどこ?50年キャリア時代に選ぶべき工学部という選択

将来

【麗澤大学監修】近年AIやロボットの進化により、働き方や求められるスキルは大きく変わりつつあります。人生100年、キャリア50年時代といわれる今、大学の学部選びは将来を左右する重要な選択です。

どのような学部でどのような専門性を身につけるかが、大学卒業後のキャリアの可能性や人生の安定性に大きくかかわります。そこで注目されているのが、社会課題の解決に役立つデジタルテクノロジーを学ぶ工学部です。

これからの進路選びで重要なのは、「何を学びたいか」だけではありません。
「その選択で将来も働き続けられるか」という現実的な視点です。

AIや自動化が進む中で、単純な業務や汎用的なスキルだけでは仕事を得ることが難しくなる可能性があります。一方で、専門性を持ち、チームの中で役割を果たせる人材は、社会の中で継続的に必要とされます。

その意味で、「どの分野に進めば食べていけるのか」という観点は、進路選択において避けて通れないテーマです。そして、この問いに対して現実的な答えの1つが「技術・サイエンスのバックグラウンドを持ちつつ、チームを動かして課題解決に貢献できる人材」になることです。

本記事では、AI・ロボット時代に対応した教育を掲げる麗澤大学工学部の考えや取り組み、後悔しない進路選びについて麗澤大学工学部・柴崎亮介教授に解説してもらいました。

目次

    なぜ「工学部が将来の就職に強い」といわれるのか

    近年デジタル化が進み、「工学部が将来の就職に強い」といわれています。ここでは、その理由について、経済産業省の資料「2040年の就業構造推計について(改訂版)」に示されている「将来の労働力人口推計」をもとに見ていきます。

    将来理系人材が不足し、需給ミスマッチの可能性があるという予測

    経済産業省が示す「将来の労働力人口推計」によると、2040年には人口減少によって就業者数が400万人減の約6,300万人となっていますが、同年までに十分な国内投資や産業構造転換が実現した場合、AI・ロボットの活用やリスキリングなどによって仕事が効率化されるため、全体として大きな労働力不足は生じないと推測されています。参考:「2040年の就業構造推計について(改訂版)」P2(経済産業省:2026年3月)

    ただし、職種・学歴・地域によっては需給のミスマッチが生じるおそれがあります。とくに「人手があまる」と推測されているのは、事務職や、文系人材です。一方で、AI・ロボットを活用する人材を含む専門職や、現場で働く人材、理系人材が大幅に不足する可能性があると指摘しています。

    人生50年働く時代に求められる力とは?

    まもなく50年働く時代が到来するといわれています。今後はよりデジタル化が進み、社会で求められる力も変化するため、就職活動時の求人を考えた場合、理系人材は専門性において有利です。ただし、必要とされる技術は常に変化するため、同じ技術で50年間働き続けることは不可能でしょう。また、特定の先端技術だけで長期間にわたって活躍し続ける、個人が1つのスキルだけで価値を保ち続けることは、技術は常に進化し続けるため容易ではありません。そのため重要になるのは、個人で完結するスキルではなく、チームの中で課題を発見し、他者と協力しながら解決していく力です。専門性はそのための土台であり、チームの中で役割を持つための基盤となります。

    つまり、キャリア50年時代で重要なのは技術(=専門性)だけではなく、課題を見つける力、さまざまな技術や知識・知恵を結集して課題を解決する力、課題解決に向けてチームプレーできる力を身につけることです。これが、麗澤大学工学部の考え方です。※参考「今後の大学改革の方向性について-大学研究力強化に向けた今後の取組の全体像」P2(文部科学省:2025年6月)

    文部科学省も、高等教育で育成する人材像として「持続可能な活力ある社会の担い手やつくり手として、真に人が果たすべきことを果たせる力を備え、人々と協働しながら、課題を発見し解決に導く、学び続ける人材」を挙げています。

    将来「専門性を持つ工学部」が社会の担い手になる

    工学部で身につける専門性は、単に知識や技術を得ることではなく、「社会で役割を持つための入口」になります。企業や組織において、若手は「この専門性なら起用してみようかな」と判断されることが大切です。専門性があることで、プロジェクトに参加する機会、いわば"ピッチに立つ機会"を得ることができます。

    一方で、専門性を持たない場合、そのスタートラインに立つこと自体が難しくなる可能性もあり、そもそも評価の対象に入らないことすらあり得ます。つまり、専門性とは将来の成功を保証するものではありませんが、「挑戦する機会を得るための前提条件」として重要な役割を持っています。

    参考:「2040年の就業構造推計について(改訂版)」P4(経済産業省:2026年3月)

    現代社会の工学部に必要な「デジタル工学」視点

    次に、工学部に必要な専門性とはどのようなものか、麗澤大学工学部の考え方と取り組みについて紹介します。

    従来の縦割り型工学部では社会課題に対応できない理由

    学部学科を選ぶとき、「工学部で先端工学・先端科学をやっておけば未来は明るい」と安易な考えを持つのは、将来を見通す際に現実的ではありません。なぜなら先端工学や科学はすぐに陳腐化するからです。また、縦割り型の専門教育では、その専門以外の知識が足りず、現代の社会課題に対応できないかも知れません。

    麗澤大学工学部では特定の専攻に限定せず、デジタルデータ・デジタル技術にかかわる主要分野については1~2年生のうちに全員が基礎を学びます。例えば、情報システム工学専攻の学生はデジタルデータ・情報システムにかかわる分野の学習をするだけではなく、ロボティクス関連の専門にも触れます。

    これからの時代は、デジタルテクノロジーが普遍的かつ核心的な専門知識と技術になるため、プログラミングやセキュリティ、AI、そしてロボット工学に必要な力学を含めて幅広い知識と技術を身につける必要があります。デジタル工学の専門的な知識と技術は、工学部人材として就職後に即戦力として働くための土台だと捉えています。

    一方、社会で必要なより深く幅広い専門分野は、仕事の中で学びながら蓄積していくイメージです。働いている最中に「ここが足りない」と気づきます。同時にチームの中で「何ができないのか」「どう学べばいいか」を考えなければなりません。ただこれからすべての産業、すべてのビジネスの基礎はデジタルデータにあり、デジタル工学の土台は欠かせません。

    従来の縦割り型工学部の教育では、現代社会に必要不可欠なデジタル工学の基礎を、どう使うか見通しよく学べる学科や専攻はとても限られています。それでは社会課題を発見して解決できる人材育成につながらないのではないかという考えのもと、専攻の設定やカリキュラムの設計を行っています。つまり、従来の工学部とは異なる設計思想に基づいて麗澤大学工学部はデザインされています。

    従来の主な専門分野
    次の表は、政府統計ポータルサイトの「令和7年度 学校基本調査」に示された工学部で分類される主な学科とそこに所属する学生数のデータです。従来の工学部は表のようにわかれており、電気通信工学がもっとも学生数が多いことがわかります。

    参考:「令和7年度 学校基本調査 高等教育機関 10関係学科別 学生数」(総務省統計局)

    現代社会では「ハード×ソフト」を横断できる人材が求められている

    現代社会では、ハードとソフトを横断できる人材が求められています。ハードとソフトとは、狭い意味では「ロボットなどの機械制御系技術とソフトウェア技術」を指します。広い意味では、例えば「ゲームづくりであれば、人間のことを深く理解し、ストーリーを考え、その上でソフトウェアを書くこと」だと捉えられます。

    麗澤大学の工学部では、「チームのために貢献する総合的な力が50年間働いていくための本質的なスキルである」と教えています。デジタルテクノロジーに裏打ちされた課題解決能力を得ることが基本的な戦略です。

    課題解決能力の育成のために、麗澤大学工学部ではデザイン思考をベースにして教育しています。デザイン思考とは、顧客やユーザーが本当に必要としているものを導き出し、それに「刺さる」「継続的に使われる」「社会にとっても望ましい」ビジネスモデルやサービスをつくるためのアプローチです。

    具体的には、顧客やユーザーとの対話からニーズ・共感を見出し、それらに基づいて問題定義を行った上で解決策を考えます。そのプロトタイプを作成し、テストを繰り返す一連のプロセスを踏みながら、1つのビジネスモデルやサービスをつくります。すべてのプロセスはチームで行います。

    麗澤大学工学部のカリキュラムには、1年生からデザイン思考や社会の仕組みなどに関するリベラルアーツ的な要素の授業が組み込まれています。これは社会の課題に対応するためには、デジタル工学的な知識や技術だけではなく、人間や社会に関する深い理解や深い関心(=愛)が不可欠であるという考えに基づいています。

    そういった教育を構築することが「ハード×ソフト」を横断できる人材育成につながるとの思いで、2024年4月から工学部がスタートしました。

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    麗澤大学が実践する工学部のあり方

    ここからは、麗澤大学工学部について紹介します。

    将来に通用するデジタルを基盤にした2専攻体制

    工学部の専攻には、情報システム工学専攻とロボティクス専攻があります。それぞれ詳しく解説します。

    1.情報システム工学専攻
    情報システム工学専攻では、さまざまなサービス・アプリケーションやシステムの開発・運用を通して、人々の生活やビジネスの課題を解決することを目指します。日常生活の中にある人々の困りごとに共感し社会に役立つ課題解決力を養います。

    1年生からチームを組んで大学の困りごとを解決するなどトライ&エラーを繰り返しながら段階的に学びを深め、3年生から企業・自治体と連携するプロジェクト型授業などを展開するため、4年間モチベーション高く学び続けることができます。

    3つのポイント

    ✓個人の知識や進度に合わせて、チューターなどの支援を得ながら数学やプログラミングを基礎から学ぶ
    ✓ 実践的な授業を通して情報技術を活用して社会課題を解決する力を培う
    ✓企業や自治体と連携し、データ分析やアプリ開発などに取り組む

    ■麗澤大学サイト「情報システム工学専攻

    2.ロボティクス専攻
    ロボティクス専攻では、ハードウェアとソフトウェアの両方の技術を身につけ、社会貢献できるロボット(これはいわゆるヒューマノイド(人型ロボット)などに限らず、自律的・自動的に動き、機械的な動作などを含むシステム全体を指します)を創造することを目指します。プログラミングなどのソフトウェアと、各種機器の製作を行うハードウェアの両分野を学習します。

    実際にプログラミングなどの「手を動かす」体験学習とともに「ロボットを社会にどう役立てるか」を重視したロボット技術の開発学習を積み重ねながら、社会に展開する力を養成します。

    3つのポイント

    ✓数学や物理、ロボティクスに関する基礎を実践的な授業を交えて学ぶ
    ✓ ロボットの多様な活用事例を通して、目標や興味を見つける
    ✓3D・CADや3Dプリンタを活用した設計・制作演習を通して、ロボット開発に取り組む

    ■麗澤大学サイト「ロボティクス専攻

    企業連携PBLによる実践型教育

    麗澤大学工学部では、企業連携やPBL(Project-Based Learning)による実践型教育を重視しています。1年生から少人数のゼミにわかれ、大学内の課題などの解決に取り組むことから始め、次第に範囲を広げて3年生から本格的に地域や企業の課題解決を行います。これが実践的な学びの積み重ねにつながります。

    1年生では、例えば「ツールを組み合わせてゼロからプログラムを作成する」といった細やかな指導を必要とする課題に個別対応しながら、個別サポートによってスキルアップすることを重視しています。そのため、実践で通用する基礎知識は、全員が頭と手を同時に動かしながら養います。

    ■麗澤大学サイト「工学部

    「何をつくったか」を語れるポートフォリオ設計

    何をつくったかを語れるポートフォリオ設計とは、単に「どのような作業をしたか」ではなく、「どのような課題を解決できたか」「どのような貢献ができたか」を語れるような体験を積んだという意味です。

    例えば、誰かに何をつくったかを語る際、「はんだ付けをしました」では、そもそも自分のスキルの社会的意味を認識できていません。「はんだ付けによって、困りごとやハンディキャップを抱えた人が道具を便利に使えるようになった」という説明ができたのなら、社会的な文脈で1つの課題を解決したことになります。そういう意味で、大学4年間で語れるポートフォリオをつくることに重きを置いた教育をしています。

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    麗澤大学工学部が目指す将来の進路・就職先

    2024年4月より新設のため、卒業生はおらず、進路・就職実績はありません。それぞれの専攻に関する進路・就職先は想定になります。すでに企業による就職説明会からSPIテストの模擬試験まで幅広く、実践的な就職準備を進めています。

    1.情報システム工学専攻
    IT、コンサルティング会社、メーカー・通信事業者、医療・福祉・教育、DXの推進やIoT技術の活用を進めたい各種行政機関・企業、スタートアップ・ベンチャー企業など

    2.ロボティクス専攻
    メーカー(機械・電気・自動車など)、IT、物流、医療・福祉、ロボティクス技術の活用を進めたい各種行政機関や企業、スタートアップ・ベンチャー企業など

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    【麗澤大学 工学部・柴崎亮介先生】

    職名:教授/副学長
    学部/学科:工学部工学科

    プロフィール参考
    https://www.reitaku-u.ac.jp/about/teachers/engineering/1776677/

    ■工学部を目指す学生へのメッセージ
    工学部には社会のニーズに応える機会が多くあり、具体的でわかりやすい「技術」や「知識・経験」を身につけられます。それは就職活動時にアピールしやすい有効なポイントとなります。ただし、技術はあくまで手段であり、真の目的は「身につけた技術を使ってどれだけ困っている人を救ったか」「課題解決に貢献したか」です。

    技術に溺れることなく、広い視野を持ち、他の専門家と協力して課題解決を達成することが重要です。工学部では、そのための知識やリテラシー、実践力を身につける教育を用意しています。ぜひ麗澤大学という選択をご検討ください。

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