教職員
2021.03.12|最終更新日:2022.06.14|

【後編】人々の幸せのために、AIやテクノロジーを使える人材を育てたい

【後編】人々の幸せのために、AIやテクノロジーを使える人材を育てたい
清水 千弘
麗澤大学 特任教授
麗澤大学AI・ビジネス研究センター / 都市不動産科学研究センター センター長
岐阜県大垣市出身。研究テーマは、ビッグデータを用いて見えない価値を測定する「経済測定」。東京大学空間情報科学研究センター特任教授、日本大学スポーツ科学部スポーツデータ解析研究室教授、マサチューセッツ工科大学不動産研究センター研究員。その他、リクルート、ドバイ政府など国内外の企業・組織のAI関連部門のアドバイザー、国土審議会・社会資本整備審議会の専門委員、内閣府統計委員会専門委員なども務める。
プライベートではおいしいコーヒーの淹れ方を研究中。海外旅行が好きで、世界各国にいる友人たちを訪ねるのが楽しみ。
目次

    最先端のAIビジネス教育プログラムを提供する。そのための研究開発を行っています

    • 世界的にAI(人工知能)技術が進歩する一方、その技術を社会で活用・運用できる人材が少ないことが課題となっています。それに応えるべく、麗澤大学は2020年4月から経済学部経営学科にAI・ビジネス専攻を新設しました。それに先駆けて、2019年9月に設置したのが、AI・ビジネス研究センターです。ここで行う研究とは、AIテクノロジーの研究ではなく、AIビジネス教育プログラムの研究開発です。研究員として、東京大学の研究者、リクルート、富士通クラウドテクノロジーズ、Amazonの現役データサイエンティスト、元googleのエキスパートが参加してくれて、AI・ビジネス専攻のカリキュラムおよび教材の開発に取り組んでいます。

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    私たちが重視するのは、常に変化する社会のニーズにマッチした教育を提供すること。企業は今、どのようなAI人材を求めているのか?銀行やメーカー、不動産など様々な業界のトップにヒアリングを行い、また、AIビジネス入門という科目のゲスト講師として来ていただき、教育コンテンツに反映させています。私たちがしっかりと研究を行い、これからの時代に必要だと確信した最先端のAIビジネス教育プログラムを提供する。それが、麗澤大学のAI・ビジネス専攻なのです。

    AIは手段のひとつ。問題解決の最善策を判断できるビジネスパーソンに

    今、どこでも「AI、AI」と言われますよね。でも実は、AIを使わなくても解決できることもたくさんあるのです。電卓で解決できることは電卓を使えば良く、コストに見合った効果がなければ多額のコストをかけてAIを使っても意味がありません。AIは数ある手段のひとつにすぎず、必要な時に必要なAIを使えばいい。

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    • 言葉にすると簡単に聞こえますが、今、その判断ができる人材が、社会で圧倒的に不足しているのです。  麗澤大学のAI・ビジネス専攻が目指すのは、テクノロジーを開発する人材の育成ではありません。AIテクノロジーを基盤に経営戦略を考えることができる、ビジネスパーソンの育成です。そこには基本的なプログラミングができるといった技術的なことも含まれますが、重要なのは、ビジネスや社会において、今直面している解決すべき問題とは何なのか、を定義化できること。簡単に言い換えると「問題を問題として見つけることができること」がとても大切なのです。

    そして、その問題を解決するためにはどうしたらいいのか、どのAIを使うのか、もしくはAIを使わないのか、を判断することができる力が必要です。AIでは何ができるのか。コストはどのくらいかかるか。効果はどうなのか。AIを正しく理解し「最先端のAIでなくても、2世代、3世代前のAIで十分」「AIを使わなくてもこれで解決できますよ」と判断して提案できるスキルを、4年間で修得していきます。

    自分が解決したい社会課題を持ち、その解決のためにAIスキルを学ぼう!

    • 「AIビジネスを学ぶ=IT企業に就職」するわけではなく、むしろ、就職先はメーカーやサービス業、金融など、他の専攻で学んだ学生と変わらないと考えてもいいと思います。たとえばスーパーマーケットなら、POSデータ(販売情報)を使って商品戦略を考えるし、営業の仕事でも事務の仕事でも、AIを使って業務効率の向上やコスト削減を図るというように、業種職種を問わずAIスキルは活かせます。普通に働きながらAIを使うことが、これからは当たり前になっていくはずです。社会にはたくさんの問題があり、テクノロジーを使いこなし解決できる人材が、あらゆるところで求められています。

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    これからAIビジネスを学ぶ皆さんは、自分が解決したい社会課題を、何かひとつでも持ってほしい。その課題を放っておいたら、5年後10年後には確実に状況が悪化し、困る人がたくさん出てしまうという長期の課題を。その解決改善のためにAIスキルを学び、困っている人たちを助けるため、より良い社会のために、大いに役立てていきましょう!

    大学は、なりたい自分を実現するための通過点。目先の合格・不合格に振り回されず、未来に向かって勉強しよう!

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    • 大学選びはとても大事です。しかし大学は、将来、なりたい自分を実現するための通過点にすぎません。夢を見つけ、夢を叶えるための自分の応援団を見つける場所です。合格したからといって、なりたい自分になれるわけではないし、受験に失敗したからといって、なりたい自分になれないわけでもない。目先の合格・不合格に振り回されず、自分のキャリアを長いスパンで考えてください。良い師を自分で見つけてください。5年後10年後に実現したい、自分が本当に大切だと思う目標に向かって、教員や職員の方、友人に甘えて、支えてもらって、勉学に励んでください。そして、生涯の仲間を一人でも多く作ってください。一人でできることは少ないですから。

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