大学の授業
2021.05.28|最終更新日:2022.06.10|

【後編】 日本にいながらアメリカの大学院生と共同プロジェクト!麗澤大学COILの取り組み

【後編】 日本にいながらアメリカの大学院生と共同プロジェクト!麗澤大学COILの取り組み

前編では、2020年秋に行われた、麗澤大学とポートランド州立大学によるオンライン国際協働学習「COIL」の取り組みをご紹介しました。後編ではCOILやオンラインの可能性について、山下先生にお話を伺います。

山下 美樹
国際学部 グローバルビジネス学科 教授
山梨県出身。ポートランド州立大学大学院成人教育学科博士課程修了。専門分野は成人教育と異文化コミュニケーション。趣味はヨガ。
インド在住のインド人の先生からオンラインレッスンを受けている。
アハマド ルバ(AHMED RUBA)
経済学部 グローバル人材育成専攻 (現在の国際学部 グローバルビジネス専攻) 2022年3月卒業
日本で生まれ、6歳の時祖国パキスタンへ。16歳で再び日本に戻る。趣味は料理。得意料理はお母さん直伝のパキスタンカレー。麗澤大学校舎「あすなろ」2階にあるInternational Floor「iFloor」でWriting Centerのスチューデントテューターとして勤務。
※取材時、3年次生
ユー スーセン(余 思嫻)
麗澤大学大学院 経済研究科 経営学専攻修士課程 2021年3月卒業
台湾出身。2019年来日。様々な文化を持った人々と交流をし、異文化を学ぶことが大好き。
麗澤大学校舎「あすなろ」2階にあるInternational Floor「iFloor」にSS(Student Support)として勤務。
目次

    COILは、現地で学ぶのと同等の効果を得られる可能性を秘めている

    • COILは、日本にいながら、オンラインで海外の学生と交流し、一緒に学び合うことができる新しい教育手法です。授業では文化の違いやコミュニケーションについて知識を教えることはできますが、実際のところ繊細さやもどかしさまで伝えることはできません。しかし、COILではプロジェクトを通して現地の教員や学生たちと直接関わることができますから「アメリカ人は本当にハッキリと意見を伝えるんだな」「日本人は遠慮がち」などと、自分が学んだことを直接感じとることができます。言語の壁や文化によるコミュニケーションスタイルの違いなど、肌で感じて理解することができるのです。

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    異文化交流を身近に、そして日本にいながら経験できるのはCOILの大きな利点です。また、今回は、プロジェクト進行中に一時、アメリカと連絡が取りにくくなり、日本側で「どうしてアメリカから返信がこないのか?」と議論したことがありました。折りしもアメリカは大統領選挙中で、大接戦の最中。さらに、ちょうど同じ時期にPSUがあるポートランド州では大規模山火事が発生しており、外出禁止令が発令されるという非常事態でした。

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    • 麗澤大学の学生たちが出した答えは「PSUの学生たちはきっととても動揺しており、プロジェクトが手につかない状況なのではないか、もう少し様子を見てみよう」でした。まさにこれがエンパシー。「自分たちだったらこうするのに...」と単に相手を批判するのではなく、相手の置かれている社会情勢をきちんと理解し、相手の立場に立って考えるために、その状況に合わせて適切と思われる形で対応していくことも、異文化交流に大切な態度といえます。

    COILを通じたパートナーシップ、信頼関係が構築できていたからこそ得られたとても貴重な体験であり、学びでした。オンラインはできることが限られると思われがちですが、プログラムの組み方次第では、現地で交流するのと同等の効果を得られると思います。

    オンラインで越える、文化、国...あらゆる垣根。
    世界をまたぐツールを駆使してほしい

    • 私たちは今、世界中のあらゆる国の人たちと、オンラインで直接、簡単につながることができます。一人ひとりとつながることで、たとえば今までは「パキスタン人はこんな人」とひとまとめにして見ていたのが、その人個々のジェンダーや貧富、家族、暮らしぶりと、いろんな色が鮮やかに見えてくるんですね。その姿はニュースなどから受ける印象とはまるで違うこともあり、パキスタンに住む子どもたちはこんな風に楽しい毎日を送っているのか、同世代の女性はこんな想いで生きているのかと、相互理解を大きく進めることができます。

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    個々とつながることで、お互いに学び合えること、共有できること、サポートできることもたくさんあります。そして、直接つながることの何が素晴らしいかって、元気になる、励ましをもらえるんですよ。置かれている状況は違っても、一人じゃないと思えるのです。

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    • 今、コロナ禍のために海外を往き来することはなかなか叶いませんが、COILのようなオンラインを活用すれば、世界とコネクト(つながる)することは可能です。むしろつながりやすくなっていると思います。孤独な社会、分断された社会ではなくより「つながる社会」を実現するために、オンラインなどのテクノロジーを駆使して、役立ててほしい。リアルとオンライン、様々な手段を状況に応じて使い分けながら、学生には、国や文化、年代や障がいの有無、あらゆる垣根を越えて世界をつないでいってほしいと思っています。

    高校生の皆さんに、私たちからのメッセージ

    • 「麗澤大学は国際的な環境。今回のCOILのように、いろんな国の人たちと交流する機会がたくさんあって楽しいです。皆さんもぜひ、麗澤大学で国際交流を体験してください。英語は無理、話せない!なんて思わないで、リラックスして話せば大丈夫ですよ」(ルバさん)

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    • 「麗澤大学は、第2、第3言語まで学べる環境があります。たとえば私も勤務するiFloorは、様々な国籍の教員や、留学生がいて、気軽におしゃべりしながら語学スキルを磨くことができます。麗澤大学に入学したら、私とぜひ、おしゃべりしましょう」(スーセンさん)

    • 「好奇心をいっぱい持って大学に入ってきてください。苦しい、つまらないと思って学ぶのと、面白い、知りたいとワクワクしながら学ぶのとでは、吸収力が全然違います。好奇心を持って、失敗を恐れずに、私たちと一緒に学んでいきましょう!」(山下先生)
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