大学の授業
2021/10/20

【前編】「全米模擬国連大会」をもとに生まれた授業とは?英語オンリーの白熱したディベートを繰り広げる授業の中身とは!?

【前編】「全米模擬国連大会」をもとに生まれた授業とは?英語オンリーの白熱したディベートを繰り広げる授業の中身とは!?

今回ご紹介するのは、麗澤大学の課外活動「麗澤模擬国連団体」が毎年参加している「全米模擬国連大会」からインスピレーションを受け、2020年4月にスタートした授業"Introduction to UN Studies"一体どのような授業なのでしょうか? 授業の発案者であり、麗澤大学模擬国連団体の顧問でもあるウォーカー・リチャード先生に伺いました!

Walker Richard(ウォーカー・リチャード)
外国語学部 外国語学科 准教授
2019年度から麗澤模擬国連団体の担当教員に就任。英国出身、アストン大学(英国)TESOL修士課程修了。アジアに関する研究を約25年間続けている。2013年から麗澤大学外国語学部の教員を務める。
目次

    日本人学生の課題は英語力だけじゃない。国際問題を英語で理解・議論し、発言できるように

    ――まず、模擬国連とはどのような活動か教えてください

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    • 学生が一国の大使として、疑似的に国際連合(以下、国連)の会議を行う活動です。それぞれ担当する国の立場から、政策立案やスピーチ、他国との交渉を行い、国際問題や国連の機能、国際政治の仕組みを理解することを目的としています。麗澤大学は2011年からワシントンD.C.で開催される全米模擬国連大会に10年連続参加し、昨年も過去最高の4つの賞を受賞するなど、毎年優秀な成績を残しているんですよ。

    ――先生はなぜ"Introduction to UN Studies"という授業を設置されたのでしょうか?

    全米模擬国連大会では、アメリカ人学生をはじめとする世界各国の学生と、国際問題について英語でスピーディに議論しなければなりません。とてもハイレベルな活動ですが、そのおかげで全米大会に参加する麗澤大学の学生は事前準備で鍛えられ、英語力もディベート力も格段にレベルアップします。と同時に、学生は世界各国の学生と議論する中で大きな壁にぶつかります。それは英語力だけの問題ではありません。日本人学生は国際的なトピックを今ひとつ自分事として捉えられていないことから、議論そのものを難しく感じてしまうという点です。

    • その壁を乗り越えるには、普段から、国際的なトピックについて英語で議論するトレーニングを積めば良いのです。つまり「慣れ」が重要です。模擬国連同様のトピックを授業で扱って、慣れていくことで、模擬国連大会に参加する学生もそうでない学生もスキルアップできる。そう考え、20204月"Introduction to UN Studies"の授業を設置したのです。また、国連は世界平和と安全保障そして社会の発展を目的とした普遍的な素晴らしい国際組織です。国連の役割やシステムについても理解を深めてほしい。そういう想いもあります。

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    教材は"今"起こっている国際問題。それらに対し「自分の意見を持つ」ことが重要です

    ――授業ではどのようなことを学ぶのでしょうか?

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    • 最新のニュースやトピックとSDGs(全国連加盟国で採択された世界共通の持続可能な開発目標)の各目標について学びながら、国連や様々な国際問題に対する理解を深めていきます。授業は英語で行われ、学生は英語によるディベート、外交シミュレーション、ポジションペーパー(政策提案書)の作成などを実践します。たとえば先週は、SDGsの目標のひとつ「ジェンダー平等を実現しよう」をテーマに、日本がジェンダー平等を推進し、パフォーマンスを上げるにはどうすれば良いかを議論しました。

    • 授業を通して身につくスキルは、英語力、プレゼン力、ディベート力など様々ですが、中でも私が重視しているのは、「自分で考える力」。授業では、今まさに世界で起きている最新のトピックを取り上げます。いずれも正解のない難しい問題ばかりですが、重要なのは正しい答えを見つけることではなく、何がより良い選択なのか、自分なりに懸命に考え、意見を持つことです。授業では学生が自分で考える機会をできるだけ多く提供し、世界が抱える問題を自分事として立ち向かう力をつけることを目指しています。

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    学生と先生が一緒に創り上げるハイレベルで白熱した授業

    ――授業を受講するのはどのような学生でしょうか?

    この授業に参加するのは、外国語学部の英語コミュニケーション専攻と英語・リベラルアーツ専攻、国際学部の国際交流・国際協力(IEC)専攻の1、2年次生が中心です。

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    • 参加している学生の中には模擬国連団体に所属している学生もいますが、その他にもディベート力や英語力を磨きたい学生もたくさん受講してくれています、また、アシスタント兼聴講生として模擬国連団体の4年次生も参加してくれて、サポートしてもらっています。1年次では英語の授業についていくだけでも大変だと思いますが、ほとんどの学生が内容をしっかりと理解できていますよ。中にはサポートが必要な学生もいますが、この授業が6限目でなければ、彼らも問題なく理解できるはずです()

    • 授業がスタートするのは夕方6時。一日の最終授業で学生は相当疲れているでしょう。疲れも吹っ飛ぶくらいのエンターテイメントの要素を取り入れて、わかりやすい易しい授業をすることもできますが、私は授業の難易度を下げたくありません。敢えてハイレベルな授業をしたほうが学生にとってもチャレンジしがいがあり、力がつくと思っています。また、学生の声に耳を傾けることも大切にしています。今年は「もっとディベートがしたい」と学生からの要望を受けて、ディベートの機会をさらに増やしました。計画通りに進めるだけでなく、学生の要望も聞き、良いものはどんどん取り入れる。常に授業をブラッシュアップしていきたいと考えています。

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    ――ありがとうございました。後編は"Introduction to UN Studies"が実際どんな授業なのか? 現場からレポートします!

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