
日本人学生と外国人留学生が "日常的異文化空間"で、共に多文化共生と日本について学ぶ、国際学部の日本学・国際コミュニケーション(JIC)専攻。前編では、実際に学生はどんな環境で、どのように学んでいるのか、3人の留学生にお話を伺いました!

※取材時、2年次生

※取材時、2年次生

※取材時、2年次生
文化的背景の異なる学生と、ともに学ぶ。真の国際性を身につけたい
―皆さんが日本に興味を持ったきっかけを教えてください
グェン:幼い頃に、父から日本へ旅行した時の話を聞いて、日本は「相手を思いやり、マナーを守る人が多い素敵な国だな」と思ったのがきっかけです。
羅:小学生の時に、日本のアニメ『スラムダンク』を見て、町中を走る路面電車や踏切など、韓国では見たことのない景色に驚き、日本って一体どんな国なんだろう、日本をもっと知りたいと思うようになりました。
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カク:私の母国であるマレーシアは、多民族国家で多言語の国。私も子どもの頃からマレー語をはじめ、英語や広東語などを勉強してきました。さらに新しい言語を身につけたい、次はどの言語を学ぶのが良いかなと考えた時に、日本文化が好きな父の影響もあり、日本語に興味を持ちました。
―麗澤大学、日本学・国際コミュニケーション(JIC)専攻(以下、JIC専攻)に進学を決めた理由は何ですか?
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羅:一番の理由は、2020年4月に麗澤大学に国際学部が新設されたことです。私は「国際学」とは変化を続ける学問であると考えています。そのため、新設された国際学部JIC専攻であれば、"新時代のグローバルリーダー"としての素質を養えると思いました。また、「協働・共生の力を養うためには"他者理解"は不可欠」という国際学部の考えにもとても共感しましたし、様々な国籍の学生と、日本語だけでなく英語や中国語など多言語でコミュニケーションを図ることができる環境が整っているので、国際性を身につけられるその環境にも惹かれました。
カク:将来、グローバルな仕事に就くために、大学では国際学について学びたいと考えていた私に、当時通っていた日本語学校の先生が国際性の高い大学として麗澤大学を薦めてくださったことがきっかけです。2021年現在、麗澤大学は約9人に1人の割合で外国人学生が在籍しており、異なった文化的背景を持つ学生とともに学ぶことで、国際性を身につけることができると思い、進学を決めました。
グェン:世界の国々を旅することが好きなので、私も大学ではグローバルな環境で学びたいと考えていました。麗澤大学は、日本語学校の先生に薦めていただいたこともありますが、アルバイト先で麗澤大学の卒業生を紹介していただき、その先輩から「麗澤大学は留学生が多く、異文化交流の機会がたくさんあるので日々刺激的で楽しいですよ」と伺ったことが、進学する決め手となりました。
国や文化、人によって、それぞれ考え方が違うのは当たり前。本音で語り合える環境です
―麗澤大学、JIC専攻で実際に学んでみていかがですか?
カク:JIC専攻では、日本のことだけでなく、国際的な事柄も含め学べることが楽しいです。様々な国籍の学生が在籍しているので、それぞれの国ならではの価値観や意見を交わし合うことができます。たとえば、「社会学概説」という授業では、社会で問題視されている時事問題について学びを深めています。先日の授業では、「ジェンダー平等」をテーマに討論しました。中国の家庭では、「夫よりも妻の地位が高い」ことや、日本人の中には「夫は外で働き、妻は家庭を守るのが当たり前」と考える人もいたことに驚きました。母国マレーシアは、男女平等社会なので性別で役割を決めることはしません。しかし、マレーシアはマレー人を経済的に優遇する国策「ブミプトラ政策」があるため、逆に民族間での平等はありません。その国々で、こんなにも考え方が異なるんだと痛感しました。
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グェン:私も「社会学概説」は好きな授業のひとつです。印象深いのは、賄賂問題について議論した時のこと。大多数の学生が、親が子どものために賄賂を贈ることについて反対派でしたが、私は子どもに良い教育を受けさせるためなら、必ずしも悪いこととはいえないと意見を述べました。しかし、同じベトナム出身の学生の意見は「私は賄賂を贈ることについて反対です。私は贈りません」と。同じ国の人であっても意見や考え方まで同じとは限らないなと思いました。
羅:日本と世界の歴史やつながりについて学ぶ「国際交流史」もおもしろいですよ。この授業では、最後に講義の感想を全員で共有しています。先日、日清戦争について学んだ際に、日本人学生の発言から自分とは違う目線の意見を聞くことができ、考えさせられました。JIC専攻では、ひとつのテーマを様々な観点から考える機会が多く、世界について深く学ぶことができるようになりました。
―意見の違いから衝突することはありますか?
グェン:国や文化、人によって、それぞれ考え方が違うのは当たり前。自分と意見が違うからといって、衝突はしても相手を否定したりすることはありませんよ。
カク:私はむしろ、母国と異なる文化や考え、価値観を知り、理解したいと思っています。それがJIC専攻で一番学びたいことだから、この環境はすごく楽しいです。
羅:JIC専攻の学生は、どんなテーマについても真剣に考え、自分の意見を率直に伝えることができる人が多いと思います。一方で、相手の意見ももちろん尊重しますよ。自分の意見や母国で経験してきたことを本音で語り合える環境で、たくさんの貴重な経験をし、私自身大きく成長することができていると思います。
日本人学生が、私たちの母国に興味を持ってくれることが嬉しい
―授業以外に、日本人の学生や他の留学生と関わる機会はありますか?
一同:あります!
羅:私は、普段から日本人の友達と日本語で会話しながらお昼ご飯を食べていますよ。この時間が学生生活の中で一番好きな時間で、毎日楽しく過ごしています。
グェン:私のクラスには、フィリピンやベトナム、韓国からの留学生6名を含む12名の学生が在籍していますが、本当に全員が仲良しです。入学後、コロナ禍のためなかなか集まる機会を持つことができませんでしたが、一度だけ全員で集まることができ、その時のことはとても大切な思い出になりました。
羅:皆でいろんなことを話せて本当に楽しかったよね。