「私たちが受講している授業が素晴らしいので、いろんな人に魅力を知ってほしい、発信したい!」と自らインタビューに立候補してくれた奥山さんと佐藤さん。お二人が絶賛する「Kommunikation und Sprache(コミュニケーションと言語)」とは一体どんな授業? その魅力とは? さっそくお話を伺いましょう!
ドイツについて知っていることを何でも自由にプレゼンテーション!
―「Kommunikation und Sprache」とはどんな授業なのでしょうか?
たとえば私がプレゼンテーションしたのは、ドイツの地理について。地図を示しながら、ここはチューリッヒ、ここはデュッセルドルフ...と地名を説明した後に、「ここはどこでしょう? ここは?」と、ドイツ語で皆に質問して、ドイツ語で答えてもらうクイズ形式で行いました。
佐藤:私は自分がドイツ語を勉強していてわかりづらかったところや、皆にも気をつけてほしいと思う文法をテーマにすることが多く、最近はドイツ語版の「5W1H(疑問詞)」についてプレゼンテーションを行いました。
奥山:一番盛り上がった授業は、ドイツ語の慣用句がテーマの時でした。登壇していた学生が「ドイツにはソーセージ"Wurst"を使った慣用句がたくさんあるので紹介します」と言って、お姉ちゃんにおもちゃを取られて泣いている女の子の絵を見せながら「お母さんは女の子に何と声をかけたでしょう? 次の慣用句から選んでください」とクイズを出したのです。
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その慣用句が「Wurst wider Wurst!(ソーセージにはソーセージを。目には目を、歯には歯を、の意)」、「Es geht um die Wurst!(ここが正念場だ、取り返せ!)」、「Armes Würstchen!(かわいそうなソーセージちゃん!)」の3択で、皆「どれもいけるよね?」と、そこでまず大盛り上がり。その後、登壇者が「正解は"かわいそうなソーセージちゃん!"です」と答えると、草本先生が「この"かわいそう"はちょっと人を小馬鹿にするニュアンスがある。この場合は"ここが正念場だ、取り返せ!"のほうが正解なのかもしれない」と解答を覆したので、皆はもう大爆笑。おかげで新たな慣用句を覚えることができました。
佐藤:この授業の良いところは、学生が皆それぞれに興味のあること、気づいたことを持ち寄ってシェアできるところです。自分一人では知り得ないような知識を得られるので、学びの幅がどんどん広がっていきます。
奥山:授業の最後には、質疑応答の時間が設けられています。プレゼンテーションの内容や、自分がドイツ語を勉強していてわからなかったところについて草本先生に質問することができる時間です。草本先生は「皆がドイツのことをいろいろ聞いてくれるから、これも、あれも教えてあげるよ!」と、どんどん話を広げて教えてくださるのです。先生ご自身が楽しそうにしているので、私たち学生もすごく楽しんで学べているのだと思います。
ドイツ語が自然と身についた! 仲間とのコミュニケーションが秘訣
―「Kommunikation und Sprache」はどのような授業形式ですか?
佐藤:この授業は、中学生や高校生が受ける英語の授業のように教科書を使って「文法はこうです、これを覚えなさい」と先生が一方的に教えるスタイルではありません。そもそもこの授業では、文法について触れないのです。
奥山:最初の授業からそうでしたよね。いきなりドイツ語の資料が配られて「これを読んでみましょう。ただし、単語を調べてはいけません」と言われ、「え? どうやって?」と目が点になりました。プレゼンテーションについても「ドイツについて知っていることを何でもよいので取り上げて、挑戦してみましょう!」としか言われませんでした。文法も何も教わっていないのに、皆できるの? と思っていました(笑)。
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佐藤:私は、大学に入学してからドイツ語を学び始めたので、最初の2ヵ月ほどは授業の内容がさっぱりわからなくて落ち込みました。しかし、わからないのは皆同じ。授業を重ねるうちに、「ああでもない、こうでもない」と皆で話し合いながら、一緒に学んでいくことが少しずつ楽しくなっていきました。一人でドイツ語を必死に覚えようとするよりも、皆とたくさんコミュニケーションをとったほうがドイツ語も自然と身につくのです。そうと気がついたら、この専攻での学びがどんどんおもしろく感じられるようになり、最近は語学力が向上したなと思う瞬間が増えました。
―授業ではどんな学びがありますか?
奥山:この授業は、ドイツ語ももちろん学びますが、授業の名前にある通りコミュニケーション能力の向上にもつながっています。グループの意見をまとめるのに苦労することもありますが、プレゼンテーションの内容を良くするためにはコミュニケーションをしっかり図る必要があります。私は、どうすれば相手に自分の意見が伝わるかを考えること、そして周りの意見にも耳を傾けることを意識しています。
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佐藤:私はグループでプレゼンテーションする時に、皆の意見が対立し板挟みになり悩んだことがあります。その時は、奥山さんに相談してアドバイスをもらえたおかげで、プレゼンテーションを無事に成功させることができました。この授業で異なる意見を調整する経験を積みましたし、私にとって何よりの変化は、人に相談できるようになったことです。これまでの私は、悩みがあっても一人で抱え込んでいましたが、この授業で皆といろんなことをシェアするうちに、悩み事も誰かとシェアして解決することができるのだと学びました。授業を通して、自分自身が少しずつ成長しているなと感じます。
失敗こそが学び。今の私たちは最強です!
―この授業のどんなところが素晴らしいと思いますか?
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奥山:一番素晴らしいと思うところは、失敗を恐れずに挑戦できる環境であること。授業でも社会においても、物事の多くは正解・不正解のどちらかに分けられ、不正解だと「それは違う」と否定されてしまいます。しかし、この授業ではどちらか一方に当てはめることはしません。正解か不正解の2択ではないのです。たとえば、プレゼンテーションの内容が間違っていたとしても、クラスの皆がサポートしてくれます。こうかな? 違うんじゃない? じゃあこういうことかも! と、より良い答えを皆で見つけていきます。間違えるからこそ、一生懸命に考えて真の学びとなる。まさに「失敗こそが学び」で、失敗をたくさん乗り越えながら学んでいくことができます。
佐藤:先生の言葉をただ覚えるのではなく、皆で授業をつくり上げていく楽しさを味わえるのもこの授業の魅力です。質疑応答の時間に、登壇者が質問されたことに答えられなくても、わかっている学生が代わりに答えてくれます。登壇者がプレゼンテーションを行いますが、皆で一緒にプレゼンテーションをつくり上げているような感覚があります。
奥山:しかも、皆やる気があって真剣です。切磋琢磨しながら成長できるところも素敵ですね。
―今回、麗澤ジャーナルで発信したいと思ったのはなぜですか?
佐藤:私は奥山さんに誘ってもらい、高校生まではインタビューを受ける機会などなかったので楽しそうだなと思ったからです。そして、私たちがこの授業の魅力を発信することで、高校生の皆さんが「ドイツ語を学ぶという道もあるんだ」と、興味を持つきっかけになってくれたらいいなと思います。