国際学部
2022.11.25|最終更新日:2023.09.29|

【後編】Everybody is welcome! すべての学生に開かれた場所、それが「iFloor」です

【後編】Everybody is welcome! すべての学生に開かれた場所、それが「iFloor」です

「英語圏の人と英語で会話をし、英語の実践力をつけたい」「いろいろな国の人たちと交流したい」そんな学生の要望に応えるのが「iFloor」(International Floor、以下iFloor)です。iFloorとは一体どのような場所なのでしょうか? iFloorコーディネーターとして語学教育やイベントの企画実施などを担当するコリン先生、SS(Student Support)スタッフ(以下、SSスタッフ)としてiFloor利用者をサポートする大槻さんにインタビューをしました。後編では、iFloorの活用法、iFloorで学生に身につけてほしいことについてお話を伺います。

MITCHELL, Colin(ミッチェル,コリン)
CEC(Reitaku Center for English Communication)講師、iFloorコーディネーター
イングランド リバプール出身。英語教育のスペシャリストCECの講師として、2017年より麗澤大学に勤務。趣味はジャズやロックのレコード収集。
大槻 一成
外国語学部 外国語学科 英語・リベラルアーツ専攻 2021年入学
日本で生まれ、ブラジルのサンパウロで育ち、中学3年生の時に帰国。iFloorのSS(Student Support)スタッフ。趣味は、ラップやエレクトロニックミュージック、民族音楽など世界中の幅広いジャンルの音楽を聴くこと。
※取材時、2年次生
目次

    自主自律の姿勢をiFloorの活用を通して身につけてほしい

    ―iFloorの良い活用法はありますか?

    コリン先生:たとえばこんな学生がいましたよ。彼女は1年次の時は英語が一番下のクラスで、おそらく英語をほとんど話せなかったのでしょう。最初の頃はiFloorに来てもほかの人が話すのを聞いているだけで、英語を発することはありませんでした。それが毎日iFloorに通ううちに、彼女の英語力はどんどんと伸びていき、4年次生になった今はTOEIC®900点に達しています。

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    • iFloorに来たからといって、英語を無理に話すことはありません。彼女のように聞くだけでも良いのです。長時間いる必要もなく、10~15分もいれば十分です。ただ、ここへ来て、誰かと会い、楽しい時間を過ごすだけなら、負担がなく日々通うことができるのではないでしょうか。大事なのは、iFloorに通うことをルーティンにすることです。ルーティン化すればiFloorに親しみが湧き、リラックスして過ごせるようになり、これからも通い続けようと思えるようになります。そして通い続けることによって、語学力は向上します。

    母国語ではない言語を話すのは誰でも不安で、怖いと感じるものです。だからこそ私たちは、学生が心から安心して快適に過ごせる環境を提供したいと、日々努めています。リラックスできるソファを置いているのも、大槻さんのように素晴らしいSSスタッフがいるのもそのためですよ。iFloorでは、すべての学生が歓迎されています。iFloorを居心地の良い場所だと感じると同時に、少しずつ語学の自信をつけて、いつか自分の気持ちを外国語で自由に表現できるようになってほしいと思います。

    ―iFloorでの学びを通して、学生に身につけてほしいことは何ですか?

    コリン先生:大きく3つあります。1つ目は自信をつけること、2つ目は異文化に対する理解を持つこと、そして最後が自主自律です。この自主自律はとても重要です。iFloorの利用は、基本的には学生の自主性に任され、どう活用するかは学生次第です。そのような中で、自らの意志でiLoungeに行き、そこで誰と話そうかと考えたり、Writing Centerの利用の有無を判断したり、興味のあるテーマを選んでイベントに参加したりなど、こういったことは自律した学習者でなければできないことです。社会に出たら、そこでは誰も、やるべきことや答えは教えてくれません。iFloorで主体的に学び、何をすべきかを自分で判断し、行動できるスキルを身につけてほしいと思います。

    iFloorがすべての学生にとっての「Home」となるように

    ―iFloorで印象に残る思い出はありますか?

    コリン先生:一昨年はコロナ禍により授業がオンラインになり、iFloorに学生を呼ぶことができないという困難な事態に直面しました。iFloorから学生が消え、アットホームな雰囲気、活気が消えてしまったのです。その後、対面授業が再開し、iFloorに学生を呼び戻すために行ったさまざまなイベントは、私にとって一番の思い出です。iFloorに学生のロックバンドやアカペラグループ、英語劇グループを招き、Presentation Terraceの窓を開放し、外のテラスをステージにしてパフォーマンスしてもらいました。イベントの結果は、大成功。閑散としていたiFloorに活気が戻り、それまでずっと自宅にいてお互いに交流を持てなかった学生が、ほかの学生の活動を知る良い機会にもなりました。クリスマスには国際学部の国際交流・国際協力(IEC)専攻の学生とコラボレーションし、地元のパン屋さんからお菓子を仕入れてiFloorの「Comorebi Café」で販売し、利益をタイやラオスの子どもたちに寄付するチャリティイベントを行いました。iFloorに学生が集まり、いきいきと活動する様子を見るのは本当に嬉しく、改めて、ここは学生のための場所なのだと実感できました。

    ―今後、iFloorをどんな場所にしていきたいですか?

    • コリン先生:私はiFloorに、学生の皆が参加できるコミュニティを築きたいと考えています。私はこれまで、この場所でたくさんの学生たちと出会ってきました。1年次生は皆、未知の世界に対する希望と緊張を抱き、戸惑いながらここを訪れます。そして教員やほかの学生とふれあううちに、ここを「Home」と感じるようになるのです。私はそれがとても嬉しく、また、素晴らしいことだと思っています。「すべての学生が、ここは自分のHomeだと思える場所にすること」この想いは少しずつですが、実現に近づいていると思いますよ。

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    オープンでいよう! 人生に情熱を持ち、生きた言語を学びましょう!

    ―大槻さんの将来の夢を教えてください。

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    • 大槻:言語学者になってラテン語の研究をしたいです。ラテン語はスペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語の起原で、英語やドイツ語にも影響を与えている言語です。私は英語、スペイン語、ポルトガル語を使えますが、ラテン語を研究することによって、各言語に対する理解をもっと深めたいと考えています。世界には私が知らないことが、まだまだたくさんあるので、言語の研究を通して世界中の人とつながり、さまざまな知や情報にふれたいと思います。言語の学びは私に新しい気づきをもたらしてくれて、どんなに学んでも、飽きません。

    ―最後に、高校生にメッセージをお願いします。

    大槻:私は高校生の時、最初は医学の道を目指していましたが、自分が得意な言語を学んでみようと途中で路線変更し、今は言語学者を目指しています。その経験から伝えたいことは、高校生のうちに将来やりたいことが見つからなくても、遅いことはないし、今決める必要もないということです。時間もチャンスも、この先まだいくらでもあります。焦らず、自分が本当に好きなことや、やってみたいことを見つけていきましょう。

    コリン先生:オープンでいましょう! 外に出て、新しいアイデア、新しい学び、新しい出会いを体験していきましょう! 教室で基本を学ぶことは大事ですが、本当の言語の学びは、教室の外にあります。夢、友情、勉強、仕事――人生に情熱を持って取り組み、豊かな人生経験を通して、生きた言語を学んでいってほしいと思います。

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