麗澤大学に通う学生たちのキャンパスライフを彩る大学祭「麗陵祭」。コロナ禍で、2019年を最後に対面式での開催を中断していましたが、ついに2022年10月に、3年ぶりのリアル開催が復活しました。新たなスタートを切った麗陵祭を、麗陵祭実行委員長として率いた経済学部経営学科経営専攻の田邊圭汰さんに、開催までの道のりを伺いました。
※取材時、4年次生。
友達ゼロからのスタート。麗陵祭実行委員会で一生の仲間と出会う
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「自宅から電車で通える」「経営を学べる」この2つを条件に大学を選び、縁があって麗澤大学に入学することになりました。経営専攻を選んだのは、将来やりたいことがまだ見つからない中、経営を学んでおけば、どんな職業に就いても活かせると思ったからです。
通っていた高校から麗澤大学に進学する人には知り合いがおらず、大学生活は友達ゼロからスタートしました。せっかく大学には色々な人が集まるのだから、友達をたくさんつくろうと、入学してすぐに入ったのが麗陵祭実行委員会でした。色々な学部専攻、学年の人達と出会えて、皆で麗陵祭というひとつの目標に向かっていけるところに魅力を感じました。
麗陵祭実行委員会には、イベントの企画運営をする企画局や、麗陵祭の円滑な運営を担う総務局など全部で5つの局があり、僕はホームページやパンフレット、ポスターを制作する広報局に入りました。そしてすぐ、同じ局の同学年の仲間や先輩たちと大の仲良しに! コロナ禍前、1年次生として皆で臨んだ麗陵祭はとても楽しくて、終わる頃には、広報局のメンバーとは卒業後もずっと付き合っていけると思える仲になりました。
麗陵祭が3年ぶりに復活。「起"始"回生」をテーマに新たなスタートを切る
その後の麗陵祭は残念ながら、コロナ禍の影響で2年次の時は中止、3年次の時はオンライン開催となり、4年次の第58回麗陵祭でようやく、対面式での開催が復活することになりました。従来、麗陵祭実行委員会の活動は3年次までですが、対面式開催の経験者が4年次生だけになってしまったため、委員会に残ることを決断しました。僕は、せっかくなら最後は広報局だけでなくほかの局のメンバーとも関わりたいと思い、全5局を統括する本部に入り、勢いで委員長にも立候補しました。
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第58回麗陵祭のテーマは「起"始"回生」です。起死回生の「死」の漢字を「始」にしたのは、危機を乗り越えて復活し、新たなスタートを切る。そんな意味をこめて「始」という言葉、そしてテーマを決めました。3年前と今回では状況が大きく変わっています。伝統を引き継ぎながらも、自分たちの手で、一歩でも進化した新しい麗陵祭を創っていこう。そんな気持ちを胸に、皆で臨みました。
実行委員会の活動が本格始動したのは、例年より3ヵ月遅れの6月からでした。対面式の麗陵祭の運営をまともに経験したことがあるメンバーがいない中、まさに手探りの状態です。まずは本部にある過去の資料を引っ張り出し、各局の役割を把握することから始めました。部室も3年間放置されていたので荒れていて、掃除と整理をしながらの作業でした。
いざ準備を進めていくと、コロナ禍前と同じようにはいかないことも多々出てきました。開催期間が例年の3日間から2日間に短縮され、プログラムのスケジュール調整に追われたり、麗陵祭恒例のミスター・ミスコンテストを実施しないという決断など、大きな企画変更が生じました。時間もない中だったので大変でしたが、これがまさに自分たちで新たに創るということを実感しました。問題にぶつかった時は、皆で考えながら、ひとつひとつ壁を乗り越えていきました。
自分にとって大きなチャレンジ。この半年間で人生が変わった
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本番2日間は、インカム片手にとにかく走り回りました。椅子に座ってできるオンライン開催と違って大変で、予期せぬトラブルもありましたが、「やっぱりリアル開催は良いな」と素直に思いました。展示もイベントも充実していて、ゲストの芸人さんも生で見ることができましたし、卒業した先輩や学外の友だちもたくさん遊びにきてくれました。そして、実行委員会のメンバーと現場で直接やりとりしながら、3年前に感じたような一体感をまた感じることができた点が、何よりも嬉しかったです。
今回の麗陵祭は、僕にとっても大きなチャレンジでした。僕はもともと、いつも人の後についていくばかりで、人を引っ張っていくような柄では全然なかったのです。そんな自分が、麗陵祭の復活・新生に向けて委員長として先頭に立ち、皆を引っ張る役割を担いました。各局を飛び回って局と局の仲介をしたり、参加団体と交渉したり。イベント保険の手続きや近隣の方へのご挨拶、協力企業との企画打ち合わせなど、学外とのやりとりも担当し、本番直前にはバンドコンテストの予選の審査員も(笑)。自分でもここまでできるとは思っていなかったので、新しい自分に出会えたのが嬉しかったです。委員長を務めたおかげで、色々な人と関わることができ、気づけば友達もたくさんできていました。この半年間で人生が変わったと思います。
皆と試行錯誤しながら創り上げた第58回麗陵祭。事故もなく大盛況のうちに終わった時は心からほっとして、大きな充実感と達成感を味わいました。復活・新生を遂げた麗陵祭のバトンは、頼もしい後輩たちがしっかりと引き継いでくれると信じています。