卒業生の活躍
2023.07.27

【ドミニカ共和国で活躍する卒業生】好きなことを仕事にする。そのチャンスは挑戦することから生まれる

【ドミニカ共和国で活躍する卒業生】好きなことを仕事にする。そのチャンスは挑戦することから生まれる

2019年3月に麗澤大学を卒業後、新卒で興和通商株式会社に入社し、主に自動車部品を中南米諸国、カリブ海諸国へ輸送する貿易業務に携わっている臼井拓未さん。現在は、カリブ海にあるドミニカ共和国に駐在し、スペイン語を使って、日々業務に励まれています。今回はドミニカ共和国にいる臼井さんに、学生時代のことや仕事内容について、また、今後の目標についてお話を伺いました!

臼井 拓未
興和通商株式会社 ドミニカ共和国駐在
【外国語学部 外国語学科 日本語・国際コミュニケーション専攻(現在の国際学部 国際学科 日本学・国際コミュニケーション(JIC)専攻) 2019年3月卒業】
千葉県出身。小学生の頃から英会話教室に通い、英語に慣れ親しむ。麗澤大学在学中、スペイン・アリカンテ大学の語学研修に参加。卒業後の2019年に興和通商株式会社に入社し、現在はドミニカ共和国へ駐在。スペイン語・英語・フランス語圏の顧客を持つ。
目次

    英語の楽しさ、教える喜び。得意なことを仕事にしようと決めた学生時代

    私が語学に興味を持ったのは、小学1年生の時に親の友人と親からの勧めで英会話の体験教室に行ったことがきっかけです。その時、初めて英語に触れて、英語を話すことが楽しいと感じたことを覚えています。一緒に通い始めた友人たちがどんどん退会していく中、中学3年生まで続けました。

    小学生から英会話を始めたおかげで、中学校から始まる英語の授業ではそれほど苦労することもなく、自然と英語が5教科の中で1番の得意科目になっていましたね。

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    • 高校時代も変わらず英語が得意でしたので、よく友人たちから「ここがわからないから教えてくれる?」とか「これってどういう意味?」と質問されることが多くあり、答えるうちに教えることの楽しさに気づきました。「もしかすると人に教えることが自分は得意なんじゃないか、誰かの助けになるのでは?」と感じ、その頃から将来は英語の教員になりたいと思うようになりました。

      英語の教員になるために、最初は教育学部のある首都圏および地方の国公立大学を志望していましたが、志望校から合格を獲得することができず、麗澤大学の3月入試を受験し、入学を決めました。

    麗澤大学は、高校1年生の時に「総合」の授業で大学見学会に参加したり、大学祭に遊びに行ったり、キャンパス内を散歩で利用していたこともある馴染みのある大学でした。

    日本語・国際コミュニケーション専攻を選んだ理由は、高校3年生の時にお世話になった先生から、海外で日本語を教える「日本語教員」という仕事があるということを教わったからです。当時、日本語・国際コミュニケーション専攻には、英語の教員免許が取れる教職課程があり、日本語教員になるために有利になる養成課程修了証書も取得できるということだったので、志望しました。両方の資格・証書を得ることで将来の選択肢を広げたいという希望がありました。

    もちろん入学当初は、第一志望ではなかったので悔しい気持ちもありましたが、同じように国公立大学を受験した人や教員になりたい人など、似た境遇の友人に恵まれ、オリエンテーションが終わる頃には、「ここで頑張っていこう」とすっかり気持ちも切り替わっていました。

    入学後は、シラバス(授業計画書)を見ながら、英語の教員免許取得には何の科目を、いつまでに、どのくらい履修する必要があるのか、すぐに調べて時間割を組みました。一方で、日本語教員になるための授業は、専攻の必須科目としてカリキュラムに組み込まれていて迷うことがなかったのはありがたかったです。とはいえ、授業内容は外国語の授業も日本語の授業も、どのようにしたら相手にわかりやすく伝わるか、ということを常に意識しなければならなかったので苦労した思い出があります。

    結果として、在学中に欲しかった資格も取れましたし、外国語の力を磨くこともできたので、麗澤大学に入学して良かったと思っています。

    ※2023年度現在では、外国語学部 外国語学科 英語コミュニケーション専攻と英語・リベラルアーツ専攻のみ取得できます。

    スペイン語と少林寺拳法との出会い。自分の新しい強みになった

    外国語学部に入学した学生は第二外国語を履修する必要があり、私はスペイン語を選びました。当時はスペイン語がどういう言葉なのか、どこの地域で話されているのかもほとんど知りませんでした。

    ただ、主に自国だけで話される韓国語やイタリア語、地域が限定される中国語などと違い、スペイン語は公用語として使われている国や地域が多いという印象を持っていて、話せると活躍できる場が増えること、そしてスペイン語の発音が日本人にとって発音しやすいことを魅力に感じて選択したことを覚えています。

    • スペイン語の授業では、最初は基本の表現を覚えていたのですが、活用や文法、より複雑な表現を勉強し、時に先生のところへ質問に行ったり添削をしてもらったりしているうちに、英語とはまた違うスペイン語のおもしろさを感じるようになりました。次第にもっと勉強したいと思うようになり、そこからどんどんスペイン語に魅了されていきました。

      そして2017年の3月に1ヶ月間、スペインのアリカンテという街にある大学へ短期語学研修に行きました。私は日本でのスペイン語の授業にはかなり力を入れていて、クラスの誰よりも時間をかけて勉強していたという自負もあったので、現地に行っても大丈夫だろうという自信があり、自分を過信していたところがありました。

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    しかし、実際にスペインに行ってみると、ネイティブスピーカーの授業に圧倒されてしまい、初日から心が折れて泣いてしまいたいくらいでした。授業が終わってから寮に帰り、「明日学校に行くのをやめようかな...」と思うほど落ち込みましたが、ここまで来たからには逃げ道はないと覚悟を決めて、なんとか最後までやり遂げることができました。

    スペイン滞在中は、授業以外の学校のイベントや地域の祭りなどが催されていて、現地でできた友人と一緒に参加することができ、良い思い出もたくさんできました。

    また、麗澤大学入学当初は今までの経験を活かしてサッカーのサークルとESSの部活動に所属しました。しかし、高校時代まではサッカーの大会に出ることや、試合で得点することなど高い目標が掲げられていた部活動に所属していたので、皆で集まり楽しく活動するサークルは、もちろん楽しかったのですが、だんだんと物足りなく感じるようになってしまいました。

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    • 大学2年次生の時に、より自分を高められる何かを見つけるために、課外活動について麗澤大学のホームページで検索してみました。そこで出会ったのが、少林寺拳法でした。それまでは空手道や太極拳との違いもよくわからず、YouTubeで動画を見比べてみたのですが、少林寺拳法の動画を見た時に「これをやりたい!」と心に熱くグッと来るものを感じて、少林寺拳法部に入部することを決めました。少林寺拳法を通して師範から教えていただいたことが多くあり、特に、身の回りの安全を確保する力、相手の考えを読む力、洞察力、観察力、自信の付け方などは、社会人になった今でも活かされています。

    ※2023年度現在、外国語学部では第二外国語として英語・中国語・韓国語・ドイツ語があります。専攻によって選べる言語が異なり、今後変更となる可能性もあります。

    様々な言語が飛び交うカリブ海の国で得られる仕事にはやりがいが詰まっている

    大学入学当初は英語の教員免許を取って教員になる道を考えていましたが、4年次生の教育実習で実際の現場を体験した時に、「本当にこのままでいいのか」とハッとしたのです。自分には英語の知識が全然足りないこと、自分は世の中のことも何も知らないこと、そして教員になったら授業の運営だけでなく生活指導も行わなければならないということを、身をもって知りました。今の自分のままでは教員は全く務まらないと感じたのです。

    このような経緯もあり、教員になる前に一度民間の企業に就職して社会人として経験を積み、語学力を磨きたいという考えに至り、就職活動を行うことにしました。

    就職活動では、最初は業種にはこだわらずに食品業界、IT業界など色々調べていましたが、最終的にはスペイン語や英語などの語学を使う仕事をしたいと強く感じ、会社を絞っていきました。

    実は、現在の会社を知ったきっかけは、麗澤大学のキャリアセンターのイベントでした。スペイン語を使う仕事がしたいと職員の方に伝えたところ、幸運にも現在の会社を紹介してもらい、面接を経て、無事に新卒として入社することができました。

    • 私が勤める会社は簡単に言うと商社で、取引先は中南米諸国、カリブ海諸国になります。タイヤ・バッテリー・オイルを中心とした自動車部品などをメインに取り扱い、海上コンテナで輸送する会社です。

      入社したての頃は基本的な仕事を先輩から教えてもらっていたのですが、大学時代に所属していたゼミナールが情報系だったこともあり、エクセルなどのPCスキルはスムーズに仕事で使いこなすことができ、大学での学びが活かされて良かったなと思います。

      その後中国出張なども経験し、入社1年目のうちにドミニカ共和国への駐在辞令が出ました。最初にドミニカ共和国と聞いた時は、正直に言うと「どこにあるの? どんな国だろう?」と驚きましたが、スペイン語を使って仕事ができることはうれしかったし、採用面接の際に世界のどこにでも転勤できるとあらかじめ伝えていたので、不安よりも前向きな気持ちの方が強かったです。

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    ドミニカ共和国の第一印象は、温暖な気候と陽気で積極的な国民性でした。積極的というのは、自動車の運転にも当てはまります。運転はかなり荒く、交通ルールをしっかり守って運転している日本の景色とのあまりの違いに衝撃を受けました。食事は美味しく、日本の食べ物も手に入るので問題なく暮らせています。

    ドミニカ共和国の事務所では、ドミニカ人スタッフとともに輸出先の顧客に連絡を取り、新規注文・販売状況や支払いの確認・税関に提出する書類の内容確認などを行っています。顧客はスペイン語圏のドミニカ共和国をはじめ、英語圏やフランス語圏のカリブ海諸国まで多岐にわたり、現在100社以上とやりとりをしています。自分で獲得した新規顧客から注文が入った時に、一番仕事のやりがいを感じます。

    「後悔しないように生きる」がモットー。やりたいことには常に挑戦していくことが大切

    海外で働いている自分を改めて振り返ると、好きなことや得意なことで働けている私は幸せだと感じます。

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    • ドミニカ共和国での駐在は3年目になりますが、タイミングを見て準備ができれば、教員になるという夢も叶えたいと思っています。今はドミニカで働くことで色々な経験ができていると思うので、自分にとっても将来の生徒にとっても納得のいく授業や指導ができると信じています。未熟な自分のまま教員になって、生徒たちに物足りない思いをさせるのは嫌ですからね。

      英会話教室を続けたこと、教員を目指したことやスペイン語に取り組んだこと、少林寺拳法を学んだことなど、これまでのエピソードにもあるように、私は「やりたい!」と心に思ったことには徹底的に取り組んできました。後悔しないように生きるのが私のモットーだからです。

    これから進路を決めようとしている高校生の皆さんも、自分が興味を持ったことには、誰かに遠慮することなくどんどんチャレンジしてほしいと思います。麗澤大学は自分がやりたいことが見つかる場所、やりたいことを叶えるきっかけをつくってくれる場所ですよ。

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