

[外国語学部 中国語学科(現在の中国語・グローバルコミュニケーション専攻)2010年3月卒業]
日本→中国→ハワイ、そして台湾へ。
私は2010年に麗澤大学を卒業したのですが、その年は日本経済がリーマンショックの影響を引きずっており「100年に1度の就職氷河期」などと呼ばれていました。同期の友達はエントリーシートを100社に提出するなど、就職戦線を勝ち抜こうと頑張っていました。
一方私は、4年次までテニス部を続けていたこともあり、本当に就職したいと思った6~7社しかエントリーシートを提出しませんでした。航空会社やホテルなど、厳選した会社のみ受けたのですが、残念ながら全て落ちてしまいました。落ち込むかなと思っていたのですが不思議とそんなことはなく、内定先ゼロにも関わらず、就職活動中に家族でハワイ旅行に行ったりしていました(笑)。
そんな中、もともとよく足を運んでいた大学のキャリアセンターに相談をしたところ、いくつかキャリアセンターが厳選した企業を紹介してくださいました。最終的に大阪に本社がある貿易商社から内定をいただき、東京支社で働くことになりました。東京支社で3年勤務したあと、取引企業の多い台湾へ駐在員として赴任することになったのです。社内で中国語を使える人が私しかおらず、東京支社にいた時から中国語の対応は全て私が担当していました。
台湾支社で1年ほど勤務した後に、ふと、就活中に訪れたハワイでの経験を思い出し、ハワイでガイドをやってみたいと思い立ちました。当時、ジュラシックパークの撮影地にもなったクアロア牧場でガイドさんが案内をしてくれたのですが、シンプルに素敵な仕事だなと思ったんです。クアロアにある壮大な山脈に心を奪われ、直感で働いてみたいと決意しました。
ハワイに行こうと思い立ってからすぐクアロア牧場に直接電話をかけました。ちょうど、中国語圏のお客さまの担当ガイドが不足していたこともあり、1年ほどの期限つきで採用されることになったんです。ハワイで中国語と英語両方のスキルアップになると思って挑戦したことが良かったと思います。良い経験を積むことができました。
ハワイでは、ガイドは自分でバスを運転しながら観光スポットを案内して、ハワイの魅力を説明します。その他にもクルーズのツアーでは船の操縦もしました。牧場なのでもちろん乗馬ツアーもあります。馬に乗りながらのガイドは大変でしたが楽しかったです。全て中国語でガイドを行うため、この時に中国語スキルが一気にレベルアップしました。観光の際に使う用語など、今まで知らなかった言葉をどんどん覚えましたね。
ハワイでのガイド業を終えて東京に戻った後は銀座三越で勤務した後に、赴任先の台湾で出会った今の主人(台湾人)と結婚して台湾へと移住しました。現在は、主人の家族が経営している台湾料理屋で仕込みから接客まで全て対応しています。最初は不安も大きかったですが、主人を含め、ご家族があたたかく迎えてくださり感謝しています。
実は、主人の母が日本語を少し話すことができます。主人も私と結婚をするにあたり日本語を勉強するために1年日本に来てくれました。台湾と日本は歴史上切っても切れない関係です。台湾を知ることで日本を知る機会が増えました。皆とても優しくて、日本人である私を受け入れてくれました。日本と同じアジア圏ということもあり、今では台湾人に間違われることがほとんどです(笑)。
台湾では主に中国語が使用されるのですが、年配の方や少し田舎のエリアでは台湾語が使われています。台湾料理屋のお客さまのほとんどは地元の方で、台湾語を話される方も多いです。台湾語は中国語とは全然違う言語のため、今必死に勉強しています。まさか、4つ目の言語を学ぶことになるとは思っていませんでしたが、少しずつ台湾語も覚えられるようになってきました。
自分で選んだ道を正解にする努力をしてほしい
これから大学進学を考えている高校生の皆さんにお伝えしたいことは、「大学生活はすごく貴重で戻ることができません。一瞬一瞬を無駄にしないで楽しんでください。」ということです。社会人になると職場が変わることで環境が変わったりしますが、大学生活は1度きりで、だからこそ、一瞬一瞬を無駄にせず楽しみながら過ごしてほしいです。
大学ではよくも悪くも、全て自分で選択して決めていきます。カリキュラムも、留学も、就職先も全てです。勉強するかしないかも自分自身の選択です。もし、自分で選んだことが楽しくなかったとしても、楽しめるようにポジティブな考え方をしてみてください。昔、テニスのコーチから「何事もポジティブに考えないと、どんどん悪い方向にいってしまう。逆にポジティブに考えるといろんなことがうまくいく。」と言われたことがあります。
今は楽しくないと思う環境だったとしても、考え方次第です。ポジティブに捉えることで物事が良い方向に向かっていくと信じています。そして、辛いことや苦しい中にこそ、楽しさを見いだすことが大切です。どんな環境でも自分を成長させられるように目標設定をしたり、工夫をしてみてください。苦しい道を選ぶことは、その時は本当に辛くても、後から振り返るとこの道を選択してよかったと思えるものです。「自分で選んだ道を正解に」してほしいと思います。