
麗澤大学の外国語学部ドイツ語・ヨーロッパ文化専攻は、ドイツ語に初めて触れる学生も安心して学べる独自のカリキュラムと、充実した留学プログラムが特長です。語学を学ぶだけでなく、異文化理解や国際社会で活躍するための実践力を育むことができ、多くの学生にとって飛躍の場となっています。今回は、専攻を率いる草本晶先生と、現在ドイツに留学中の飯野杏奈さんにインタビューしました。前編では、専攻の魅力をたっぷりとご紹介いただきます。

※取材時、2年次生

ドイツ語・ヨーロッパ文化専攻の魅力
―ドイツ語・ヨーロッパ文化専攻の概要を教えてください。
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草本先生:麗澤大学のドイツ語・ヨーロッパ文化専攻は、大学創立当初から語学学習を超えた実践的な教育を提供し、多くの学生を世界へ送り出してきた伝統ある専攻です。語学力を伸ばすだけでなく、異文化の中でのコミュニケーション力や信頼関係を築く力を重視し、学生たちが国際社会で活躍できるようサポートしています。
多くの大学では教科書を使った座学中心の文法学習が一般的ですが、麗澤大学では本物の素材を活用した教材を用いてグループワークやディスカッション、プレゼンテーションを通じて、実際に海外へ出た時に役立つコミュニケーション力を養います。また、ドイツ語を通じてヨーロッパ全体の文化や歴史を学び、国際的なキャリアを築く基盤をつくることができます。
― 卒業後に、海外で活躍する人もいるのでしょうか?
草本先生:将来ドイツで働きたいと考える学生は毎年数名いますし、卒業後に海外で活躍するケースも多く見られます。一旦日本で就職して資金を貯めた後にワーキングホリデービザで働いたり、日本企業の駐在員として外国で働いたり、留学中に出会った方と家庭を築き暮らすなど、進路は様々です。海外志向が強い学生が多いことに加え、麗澤大学での学びを通じて自信をつけた結果、夢を実現しているのだと思います。
―飯野さんの心に残っている授業や体験はありますか?
飯野さん:特に印象に残っているのは、1年次生の夏に行われたインタビュー形式の授業です。クラスメイトとペアを組み、テレビのクルーになりきってドイツ語を使いながら20年後の世界を想像してインタビューを行い、その内容をプレゼンテーションするというものでした。限られた語彙の中でうまく伝えることに苦労しましたが、相手の話を理解して、自分の言葉で伝えるプロセスを通じて、ドイツ語の実践力が大きく伸びたと感じました。
留学することが当たり前! 麗澤大学独自のプログラム
― 麗澤大学の大きな特徴である留学プログラムについて、具体的な内容を教えてください。
草本先生:麗澤大学の留学プログラムは40年以上の歴史を持ち、これまでに約1,700名の学生が参加しています。現在も90%以上の学生が長期留学を経験しており、日本に残る学生が少ないというのは、麗澤大学ならではです。これは、実践的な学びを重視する教育方針の成果だと思います。
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さらに来年度からは、「ヨーロッパ横断研修プログラム」が本格的にスタートします。このプログラムでは、1年次生の夏にイスタンブールからベルリンまで旅をしながら、各地の文化や社会的背景について学びます。現地の人々と直接交流することで、言葉の壁を乗り越える経験を積み、多文化共生の重要性を肌で感じてもらうことを目的としています。
こうした取り組みを通じて、学生たちは教室で学んだ知識を実際の体験に結びつけ、国際的なキャリアを築くための確かな基盤を身につけていきます。
ヨーロッパにおけるビジネスの最前線を体感できる集中講義
―集中講義「ヨーロッパ・キャリア研究」について詳しく教えてください。
草本先生:この講義では、ドイツをはじめとしたヨーロッパ諸国でキャリアを積んだ卒業生を講師に招き、現地のビジネス文化や生活の知識を直接学ぶことができます。「自分たちの海外経験を後輩に伝えたい」という卒業生からの提案で実現したもので、留学や将来の就職に向けた準備として大きな助けになっています。
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講義の中では、ビザ取得や賃貸契約、生活費の計算といった日常生活に必要な知識から、給与事情や職場文化、国際ビジネスマナーまで幅広いテーマについて学びます。また、就職面接やインターンシップの準備について具体的なアドバイスを受けられる場でもあり、実践的なスキルを身につけることができます。さらに、現地ゲストを招いたオンラインセッションやマーケティング演習、最終プレゼンテーションなど、学びを実際に活かす機会も多く用意されています。
留学中の生活を安心して送るためのサポートになるだけでなく、卒業後のキャリアづくりにも直結しており、1年次からこうした実践的な学びを経験することで自信を持って世界に羽ばたいていくことができるでしょう。
― 「ヨーロッパ・キャリア研究」の講義を受けて感じたこと、印象に残ったことはありますか?
飯野さん:一番印象に残っているのは、2人1組で取り組んだ最終プレゼンテーションです。実際に現地で働いているマーケティング担当者に向けて英語で行う本格的なもので、約1ヵ月半の準備期間をかけて挑みました。ペアで協力してマーケティングコンセプトを練り上げ、資料を作成し、何度もリハーサルを重ねました。
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講師の方々は、ドイツでの実際の働き方や会社の仕組み、ビジネス文化について詳しく教えてくださり、そのお話はとても興味深く、刺激を受けました。さらに、進捗確認や具体的なフィードバックを繰り返し提供してくださったおかげで、自分たちでは気づけなかった点を改善し、内容を大幅にブラッシュアップすることができました。この経験を通じて、自分の強みや課題をはっきりと認識することができました。完璧な結果ではなかったものの、この挑戦が大きな自信につながったと感じています。