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2020.12.01|最終更新日:2022.06.15|

【前編】変化する環境に楽しんで適応しよう!それも「いち早く」!

【前編】変化する環境に楽しんで適応しよう!それも「いち早く」!

「企業倫理(ビジネス・エシックス)」をテーマに研究活動をされている寺本佳苗先生。麗澤大学の卒業生でもあります。 前編では、先生の研究テーマや学生時代のこと、後編では、授業にかける思いや、コロナ禍をどう乗り越えるか?についてお話を伺います。

寺本 佳苗
経済学部 経営学科 准教授
茨城県阿見町出身。専門分野は「企業倫理」。趣味は読書。幅広いジャンルを読み、特に好きなものはミステリーと経済小説。「好きな作家さんはたくさんいますが、一人あげるなら、池井戸潤さん。全作読んでいて、中でも『架空通貨』がとても面白かった!」。夢は、周りの人が幸せになること。「周りの人が幸せなら、私も幸せになれる気がするから」。
目次

    「企業と倫理って両立するの?!」ビジネス・エシックスとの出会い

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    • 私は大学の選択科目で「ビジネス・エシックス」と出会い、初めてその言葉を知った時はとてもびっくりしました。というのも「企業(business)と倫理(ethics)って両立するの?」と、不思議に思ったから。「企業倫理って何?一体どういうこと?」と、そこから興味を持ち始めたのです。「ビジネス・エシックス」とは何なのか?――今の私なりの回答は「社員一人ひとりが、家族や友人に言えないようなことをしない。自分も含めた周りの人達のためにまじめに良い仕事をする。それを積み重ねていくこと」だと思います。

    • たとえば、ちょっと魔が差してずるいことをしそうになった時、いつもまじめに仕事をしている同僚や上司、社長、または取引先などの存在が抑止力となって、「倫理的に正しい判断をしていこう」と、社員に良い行動を促す空気がある。それが「企業倫理」を実践している会社だと、私は思います。麗澤大学の創立者は「道徳と経済は一体である」と言いました。社員一人ひとりが道徳心に則って懸命に仕事をすることで、企業が永続するという考えです。麗澤大学の理念とビジネス・エシックスは似ていると思います。

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    会計学ゼミナールで、企業の「環境会計」導入の現場に立ち会う

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    • 大学3年次の時に会計学ゼミナールに入りました。そこでの経験は、今の私に大きく影響しています。ゼミナールの先生の仕事のつながりで、ある企業の「環境会計」を導入するお手伝いをさせていただく機会に恵まれたのです。環境会計とは、企業が環境保全のためにどれだけコストをかけ、効果を上げているのか、社内外にわかりやすいように数値で表すもの。企業活動をより適切に評価するための手法として、当時、取り入れる企業が増えてきていました。私は毎月、企業に出向いて会議に参加し、議事録もとらせていただくなど、学生でありながら本当に貴重な経験をたくさんさせていただきました。

    「企業って儲けることだけじゃなくて、環境や社会のために、こんなに色々な取り組みをしているんだ!」と知ることができましたし、そうした取り組みが、企業にとって大きなチャレンジでもあることを、肌で感じることができたのです。

    チャレンジする企業の人たちを応援したい!その思いが研究の原動力

    • 企業が存続するには当然、利益を上げなければならず、そのために、どの企業もコストをギリギリまで削減するなど、日々、努力をしています。そうした中、利益に直接結びつくわけではない環境保全などにコストをかけるのは、決して簡単なことではありません。このような仕事は「結果的に会社の利益になるからやっているのでは」と言われることもあります。たとえば、「業務指示だから...」とか、「会社のイメージアップのため」などの理由で取り組む方ばかりだと、そのように言えるかもしれません。ただ、私が様々な方にお会いしてじっくり話をしてみると、実は本気で周りのために良い仕事をしようという熱意を持っている方も少なくないのです。

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    このような方々は「企業は自己利益のみを追求する」という一般的な見方にもチャレンジしているのだと思います。私はチャレンジする企業の皆さんを見ると「すごい、チャレンジしている!」と今でも感動しますし、もっと知りたい、どうにか力になりたい!と勝手ながら思います。働く人たちや取引先など、周りの人たちを幸せにする企業を深く知ること、そしてそれらの企業が長く存続できるようにサポートする。これが、私の研究者としての目標です。

    麗澤大学の先生方はとってもサポーティブ!それは学生の頃から、今も変わりません

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    • 麗澤大学の学生と触れ合う中で、おもしろいなと思うのは、学生の考え方が見事に「まちまち」だということ。もちろん、良い意味ですよ(笑)。これまで教員として複数の大学勤務を経験してきましたが、ほとんどの大学では学生の中にマジョリティが存在するのに、麗澤大学の学生にはそれがないんです。就きたい職業や、興味関心の向くところ、取り組んでいることなどが、十人十色です。海外からの留学生が多いことも影響しているのでしょうね、多様性に富んでいると思います。授業をしていても、ひとつのトピックに対して色んな意見が飛び交い、「そうきたか!」と想定外の意見が飛んでくることも。予定調和に終わらないのがおもしろいです。私も毎日、学生から刺激を受けていて、学生に「ありがとう!」と言っています。

    また、麗澤大学の先生方は、とってもサポーティブ。学生の頃、論文の締め切り前で気分が沈んでいるところに「元気か?!」と声をかけて励ましてくださったり、学生が少しでも研究しやすいよう、研究環境を整えようと奔走してくださったり。学生を常に応援し、引き上げようとしてくれる先生方に、どれだけ助けられたかわかりません。

    • 教員となった今もそれは変わることなく、先生方は何かにつけてサポートしてくださいます。学生時代にお世話になった先生方が今もなおたくさん在籍されていて、何かあればアドバイスやお力添えをしてくださいます。そもそも、麗澤大学では学生を育てるために、教職員が一丸となって全面的にサポートします。こうした助け合いの精神(思いやりの心)は、大学のいたるところで感じることができます。「小規模の大学だから」ということだけではなく、麗澤大学の教育の根幹でもある心豊かな人間性を大切にする雰囲気があるのだと思いますよ。

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