教職員
2022.06.13

【前編】2024年度に向けて工学部の設置を構想中!
実践的なスキルが確実に身につく教育の実現を目指して

【前編】2024年度に向けて工学部の設置を構想中!実践的なスキルが確実に身につく教育の実現を目指して

今回お邪魔したのは、小塩先生の研究室。小塩先生は専門分野であるデータサイエンス、AI、未来学などを背景に研究者・経営者としてご活躍されています。麗澤大学ではデータサイエンス教育センターの授業を担当し、2024年度に向けて新設予定の工学部の構想にも携わっています。前編は、小塩先生が現在の仕事に就くまでの道のりと先生のビジネスや研究について伺います。

※2022年6月現在、工学部の設置を構想中。構想中のため、学部の名称やその内容は変更になる場合があります。

小塩 篤史
特任教授/EdTech研究センター センター長/データサイエンス教育センター 副センター長
兵庫県出身。東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程在籍時に起業。専門分野はデータサイエンス・人工知能(機械学習・集合知)。特に医療や教育など人間と密接な領域での情報システムに関する研究や教育、社会実装を行っている。現在は、社会貢献を目指す人工知能や新規事業開発を行う株式会社IF 代表取締役、株式会社Four H代表取締役、株式会社HYPER CUBE最高情報責任者を務める。休日は家族でキャンプをするのが楽しみ。焚火が好き。
目次

    技術を実世界で応用するために独学していた学生時代。進化が速い技術の世界へ

    ―小塩先生はどのような高校、大学時代を過ごされましたか?

    私は、数学と社会がすごく好きな高校生でしたね。数学のコンテストに出たり、世界史の本をたくさん読んだり。あとは冒険も好きで、中国地方から九州、四国を巡る自転車の旅なんかも経験しました。逆に答えがすでに用意されている問題を解く受験勉強が苦手でした。

    ―大学は意外にも法学部なんですね

    社会への興味から法学部に進みましたが、法律は少し主観性が強いように感じて、私はうまく馴染めませんでした。何か自分の武器になるものがほしかった私は、当時から得意だったデータ解析やプログラミングを勉強することに。勉強のほかには、日本アルプスで山岳ガイドをしたり、ヒマラヤやアルプスに登ったりしていました。当時は冒険家に憧れていましたね。

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    • 卒業後は大学院に進み、データサイエンスの研究をしました。もちろん授業で学ぶこともありましたが、技術の世界は進化がとても速いので最先端技術に携わるためには自分自身での勉強は必須。とにかく独学を続け、「実践」を重ねました。大学構内の張り紙や先輩からの紹介をつてにシンクタンクやコンサルタント会社でアルバイトをしていた時は、依頼された業務が自分にできるかどうかわからなくてもすべて引き受けることを意識していました。

    学生だったからこそ許されたことだと思いますが、その業務には何が必要であるかを理解してからデータ解析の手法やプログラミングについて勉強していました。仕事は締切が設けられているので、ある意味限られた時間の中で、集中して勉強できましたので、働きながら学ぶスタイルは自分に合った学習手段でした。

    データを活用して社会貢献したい! 大学院時代に起業した理由

    ―どのようなところにデータサイエンスのおもしろさを感じたのでしょうか?

    世の中にはいろんなデータがあり、そのデータを自分なりに料理して、答えを創り出していくことがおもしろかったです。ただの数字に見えても、そこから鉱脈のようなものを探り当て、手繰り寄せていくと新しい発見があります。さらにプログラミングもそうですが、データ解析は世界共通のスキルで、世界中どこにいてもパソコン一台あれば仕事ができることも魅力的です。

    ―なぜ大学院時代に起業されたのですか?

    一刻も早く技術を社会の役に立てたくて、そのための手段が起業でした。学生時代、登山でネパールなど海外を訪れた際に、スラム街や子どもたちの貧困を目の当たりにした経験があります。貧困、飢餓、環境、医療、教育といった地球規模の課題に対して、「自分には一体何ができるのだろう?」と、模索するようになりました。

    • そんな時、デニス・メドウズらの著した『成長の限界』という本に出会い、私は大きな影響を受けました。それは、マサチューセッツ工科大学の研究グループがデータをもとに未来をシミュレーションし、「人口増加や環境汚染などがこのまま続けば100年以内に地球は限界に達する」と予測を打ちたてたという内容でした。「彼らのようにデータを使って、世界のさまざまな課題に対して解決策を考えることなら自分にもできるのではないか。そのような仕事を通じて社会貢献したい」と考えるようになりました。

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    データには社会に大きな価値を生み出す力がある、近い将来、データやAIの時代が来るという推測をしていました。しかし、大学の中では、方法論の研究が中心で、社会実践につながるような活動が少なかったです。それならば自分でやりたいことをやろうと思い、大学で研究しつつ、ビジネスにも取り組み始めました。

    さまざまな分野で挑戦できる。データサイエンスの醍醐味

    ―経営者、研究者として、今どのような取り組みをされていますか?

    現在は会社を2つ経営し、ヘルスケア領域を中心に、データサイエンス、AIなど最先端技術を活用したさまざまなシステムやサービスの開発を手がけています。たとえば、医師などの専門家と協力しながら"AIによる診断サポートシステム"や、医師が医薬品と同じように処方する"治療用アプリ"の開発などを行っています。ほかに、データサイエンスを用いてサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を削減するプロジェクトや、麗澤大学では教育環境の向上を目的とした教育関連のデータ解析を行っています。

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    • 私が今力を入れて取り組んでいるテーマのひとつは、プライバシーを守りながらデータを活用するための技術的な解決策です。データ解析はデータをたくさん集めた方がさまざまな解析ができますが、たくさん集めるためにはコストもかかりますし、個人情報を侵すリスクもあがります。特に私が対象にしている医療や教育は、機微な個人情報を扱うことが多いです。近年、EUではデータの保護規制も厳しくなっていますので、Google社らもこの問題に対応するために最先端技術を注いでいます。プライバシーを守りつつ、データの価値を最大限に活かす手法の開発を行っています。

    このように、分野を問わずありとあらゆることに挑戦できることもAIやデータ解析のおもしろいところだと思います。私はその中でも特に社会的課題の解決にフォーカスし、人々がより生活しやすくするためのAIを、これからどんどんつくっていきたいと思っています。

    ―ありがとうございました。後編では、2022年6月現在、構想中の工学部についてお話を伺います。

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