【麗澤大学監修】英語をスラスラと話し、会話をスムーズに進めるためにも正しく発音することは必須。英語の発音方法のコツや勉強、練習方法を押さえて正しい発音をしましょう。 今回は、英語の発音について説明します。ネイティブのように上手に発音するコツや練習方法はもちろん、麗澤大学の英語2専攻(英語コミュニケーション専攻、英語・リベラルアーツ専攻)についても紹介していきます。
海外ではもちろん、日本で英語を話す機会に正しい発音でスムーズに会話がしたい!でも正しい発音ってどうやって学んだらいいの?と悩んでいる皆さん。
正しく発音をするためには、まず正しい音を知る必要があります。
国や地域によっては発音が変わる場合もありますが、基本を押さえることでどんな発音、アクセントやイントネーションにも対応できるようになりますよ。
今回は、なぜ英語の発音が難しく感じるのか、英語の発音のコツや勉強法、麗澤大学の英語2専攻(英語コミュニケーション専攻、英語・リベラルアーツ専攻)でできることなどもあわせて紹介します。
まず英語の発音は国や地域によって違うことを知ろう
まず初めに知っておきたいのが、英語の発音は国や地域によって違ってくるということです。
アメリカ英語やイギリス英語ではもちろん、オーストラリア英語やカナダ英語、そしてベトナム人が話す英語も訛りがあったり、インド人やシンガポール人が話す英語はインド英語やシングリッシュなどとも呼ばれ、話す国が違えば訛りやアクセントの違いが目立ち、発音のリズムも変わってきます。
そのため、教科書のような綺麗な英語に慣れてしまっている人は、現地の英語が聞き取れなかったり、英語習得者(ネイティブではない人たち)の英語が訛っていて理解できないなんてこともよくあるんです。
「英語」とは一括りにはできませんが、それも含めて国・地域ごとに特色のある英語の発音を学び始めると、とても面白いですよ。
好きな国の英語を極めることは異文化交流にもなり、学ぶ楽しさがあります。
なぜ英語の発音は難しいのか? 発音のコツは?
まず、英語の発音が難しく感じる理由としてはさまざまですが、主な原因は5つ。
- 音節(シラブル)の区切り方が違う
- リズム(アクセント)が違う
- 音声変化がある
- 日本語にはない音の数が多い
- 子音で終わる単語がある
これらが難しいと感じる理由としてよく挙げられます。
では、それぞれ詳しく説明していきましょう。
音節(シラブル)の区切りが違う
「シラブル」は、英語発音を上達させるコツとしてとても大切です。
シラブルとは「音節」のこと。音節とは母音を中心に一つにまとまった音の単位のことをいいます。
英語のシラブル(音節)の基本は「子音+母音+子音」で一つのシラブルとして構成されます。他にも「母音のみ」「母音+子音」「子音+母音」があり、子音は複数ある場合もあります。
日本語のリズムは拍(モーラ)を基本とし、かなを1拍とカウントして区切ります。
「あ/い/う/え/お」のように直音や「きゃ/きゅ/きょ」のような拗音(ようおん)と呼ばれる自立した拍をそれぞれ区切って発音し、「っ」や「ー」のような特殊拍も1拍でカウントし、音節は「きっ/ぷ」と繋げて2拍で発音します。
しかし英語では「子音+母音+子音」のようにまとまりで区切るため、英語の音節の区切りに慣れていない多くの日本人が英語の発音を苦手とします。
どういうことかというと、例えば「美しい」という意味の単語のbeautifu l[bjúːtəfəl] は、英語では beau / ti / ful の3音節に分けて発音します。
日本語式で発音すると、ビュー/ティ/フ/ルのように音節は4音節(5拍)に分けて発音しますよね。
英語は、正しいシラブルの数で発音しないとネイティブには意味が通じません。
この日本語と英語の音節の区切りの違いに慣れるまでは発音が難しく感じてしまうことでしょう。
このシラブルは英語圏の学校では小学生や早くて幼稚園から習うもので、発音の基礎ともいえます。
リズム(アクセント)が違う
発音のリズムとは抑揚や強勢のことを言い、日本語は「ピッチアクセント(音が高いか低いか)」で、英語は「強さアクセント(音が強いか弱いか)」の違いであるといえます。
あくまで単語のレベルで日本語は、かな1文字(拍あるいはモーラ)を基本として「ピッチアクセント」を持ち、抑揚(要するに高いか低いか)で意味を区別します。
共通語では、例えば「はし(橋)」は低高、「はし(箸)」は高低のリズムです。声に出して見るとよくわかりますね。
一方、英語は単語を基本単位として「強さアクセント」をもちます。
単語内の母音が一つだけ第1強勢を持ちその位置で意味を区別します。
例えば、砂漠の意味のdesert [dézɚt]では最初の/e/に、スイーツの意味のdessert [dɪzˈɚːt]では後ろの/er/に第1強勢が置かれます。
英語のリズムは第1強勢のある母音がリズムを作るので、通じやすい英語を話すには母音を正しく、はっきりと発音するのがとても大切です。そしてあとはちょっといい加減でもいい(伝わる)ということにもなります。
音声変化がある
音声変化とは、ネイティブスピーカーが何か自然に話すときに、簡単に省略したり、音と音を繋げて発音したりして起きる音の変化のことをいいます。
リスニングをしながら教科書に書いてある通りに文章を目で追っても、ちゃんと書いてある通りに聞こえない経験はありませんか?
ネイティブスピーカーは教科書に書いてあるアルファベットの通りに発音しているわけではないので、当たり前なことなのです。
音声変化を理解して発音することを習得すれば、相手が何を言っているかも理解できるようになるので、同時にリスニング力をあげることにもつながってきますよ。
音声変化については後ほど説明しますので、早く知りたい人は「英語発音の音声変化を知る」の見出しまで飛んでくださいね。
母音の数が日本語よりも多い
英語は日本語では発音しない音の数が多いのも発音が難しく感じる一つの理由です。
例えばblack の [æ] 、mustardの [ʌ]、olive の[a]は、日本語話者には全て「あ」と聞こえてしまいますよね。
日本語の「あ」で発音する母音も、英語では少なくとも3つの異なる母音( [æ]、[ʌ]、[a]など)で発音されます。
また、earth [ˈɚːθ] やabout [əbáut] など英語の中で1番発音されているSchwa Sound(シュワサウンド)と呼ばれる母音[ə]は、「曖昧な母音」とも言われており、ネイティブな発音には欠かせない母音です。
日本語の母音は「あいうえお」の5個なのに対し、なんと英語は細かく分類していくと約20個以上もあるんです。
英語の母音の数がはっきりしていないのは、どこの英語について話しているかによって異なるためです。
例えば標準的な南イギリス英語(SSBE:Standard Southern British English)と一般的なアメリカ英語(GenAm:General American)を見ていくと、一般的に英語には約20の異なる母音音素があると言われています。
国際音声記号をベースにアメリカ英語に用いられている「Jones式発音記号」では、母音は細かく分類すると26個あると言われています。
このように、英語は世界の言語の中で最も複雑な母音体系を持つ言語の一つです。
日本人の知る母音の音では、英語の発音をするのには圧倒的に足りませんね。
この異なる母音の音を少しづつ認識し覚えていき、発音の幅を広げていくことが大切です。
子音で終わる単語がある
英語と日本語の決定的な違いでもありますが、日本語は「ん」以外は全て母音で終わります。
「学校(Gakkou)」、「車(Kuruma)、「ありがとう(Arigatou)」など、言葉の終わりには母音がきますよね。
英語は母音で終わるもの、子音で終わるものに分かれています。
子音で終わるものだと、例えば「choice[tʃˈɔɪs]」は「Choisu(チョイス)」とは発音せず、最後のスは「無声歯茎摩擦音」と呼ばれる舌先と歯、歯茎の隙間から空気を吐き出すように声を出さずに /s/ を発音します。
でも日本人は母音で終わる日本語が染み付いているので、無意識に /s/ をス(su)と、終わりにUの母音をつけ発音してしまい、うまく伝わらないということになるんです。
日本人が英語を話す際につまずきやすい発音
日本人が英語を話す時につまずきやすい発音として、「TH [θ] [ð] 」や「R [ɑ'ːr] 」と「L [él] 」、「V [víː]」や「B [bíː] 」などがよく挙げられます。
うまく発音できなかったり混同してしまったりと理由はさまざまですが、こういった細かいポイントをピックアップして練習することも発音を上達させることに繋がります。
ではここからは日本人がつまずきやすい発音にフォーカスして説明していきます。
RとLの発音の違いとコツ
RとLの発音の違いのコツは口の形と舌の位置に注目すること。
/r/ は舌を内側(喉の方向に)に少し丸め、口内のどこにもつけないことと、口を少しすぼめ「う」という形をとりながら声帯を震わすのがポイントで、 /l/ は前歯の裏側に舌をあてながらそのまま「あー」と声帯を震わせる形をイメージして発音しましょう。
実際に単語を使って発音するとRの方が少し籠ったような、カタカナで表すと小さな「ゥ」が入ったような音に聞こえます。
L:lead [líːd] (リード)
R:read [ríːd] (ゥリード)
このように違ってきます。
違いを表すために「ゥ」を入れましたが、実際にカタカナで読むのではなく、舌の位置を変えることで正しい発音になりますのでチャレンジしてみてください。
発音の違いは何度も聞くことで感覚でもわかるようになるので、発音の練習と共にリスニングもいれるとより効果的です。
実はLには2つの発音がある? ライトL(明るいL)とダークL(暗いL)
一般的に明るいL「Light L(ライトL)」と暗いL「Dark L(ダークL)」と呼ばれています。
ライトLは基本的なLの発音で、先ほど説明した前歯の裏側に舌をあてながら発音するLのことです。
ダークLの発音の仕方として、舌の根元に力を入れ上顎と舌に隙間を作り喉の奥でLの発音をします。カタカナで表すと小さな「ォ」のように聞こえます。
この時に舌先が前歯の裏側にあたってしまってもちゃんとダークLの発音で聞こえるので大丈夫です。
【例】
ダークL:milk [mílk](ミユク)、girl [gˈɚːl](グーォ)
都合上近い音をカタカナで表記していますが、カタカナ読みはせずに、舌の位置を意識してLを発音して英語の発音に慣れていきましょう。
日本語の発音に慣れていると舌の根元に力を入れ発音することは難しく感じますが何度も練習してみてください。
ダークLの条件として、母音の後のL(milkやhelp)、Rの後に続くL(worldやgirl)、文末のL(beautifulやwell)の場合にダークLが含まれていることが多いです。
「L」の発音記号をみても、発音記号で明るいLか暗いLかの表記が分けられていることはほとんど見かけませんので、上記の条件で発音を分けます。
とはいえ、ダークLの発音をライトLの発音にしても聞いている側としては違和感はさほどありません。
あまり気にしすぎずLの発音に挑戦してみましょう。
VとBの発音の違いとコツ
vとbの発音は唇を意識することが大切です。
/v/ は摩擦音、 /b/ は破裂音といわれており、実際にvを発音する際は歯を下唇に置く感じで声帯を震わせ、下唇が振動したら歯から唇を離すのをイメージして発音してみましょう。
/b/ を発音する際は、歯はそのままでどこにもつけず、閉じた口をはじいて出す音をイメージして発音しましょう。同様に /p/ も破裂音です。
V:vet [vét](ヴェット)
B:bet [bét](ベット)
実際に単語を使って発音すると、このように違ってきます。
bのほうがvと比べ強めの発音で鋭いイメージですね。
THの発音方法のコツ
THには発音記号 [θ] と [ð] の2種類あり、無声音と有声音に分かれます。
[θ] は声帯を震わせない無声音で、空気がぬけるように発音しましょう。
[ð] は声帯を震わせる有声音で、どちらとも前歯の裏に舌を当てる感じで発音します。
前歯で舌を軽く挟むと発音しやすいです。
th【θ】:think [θíŋk] (シンク)/ both [bóuθ](ボウス)
th【ð】:there [ðər] (ゼェア)/ weather [wéðər](ウェザァ)
実際に単語を使って発音すると、このように違ってきます。th [θ]は /s/、th [ð]は /z/ の発音と間違えられることが多いので気をつけて発音しましょう。
英語の発音を向上させたい人におすすめの勉強・練習方法は?
では実際に英語の発音を向上させるには何をしたらいいのでしょうか?
発音をより良くするための勉強方法、練習方法を紹介します。
英語発音の「音声変化」を知る
英語の「リンキング」や「リダクション」「フラッピング」など、発音を勉強している人は必ず聞いたことがあるのではないでしょうか?
英語の音声変化とは、自然に会話する時に単語内の変化や、一つの文の中にある2単語以上が繋がることで生じる発音の変化のことを指します。
音声変化には連結(Linking)脱落(Reduction)同化(Assimilation)弾音化(Flapping)があり、これらを深く知ることで、発音しやすくなるのはもちろん、聞き取る力を養うことができます。
例えば日本語でも「小雨」と発音する時に「こあめ」とは発音せず「こさめ」と発音したり、「自動販売機」と発音する時に「う」をはっきり発音せず繋げたように「じどーはんばいき」などと自然に言いやすいように略して発音したりしていますよね。
英語の音声変化も同じように、自然と言いやすいように省略したり、繋げたり英語の音を変化させて発音を楽にしています。
音声変化は発音のルールとしてかなり重要になってきますので、一つ一つの単語の正しい発音をマスターしたならば、次に音声変化のルールを覚えていきましょう。
連結(リンキング)
連結(リンキング)とは単語同士がつながって発音されることを言います。
ちなみに合わせてよく聞くリエゾンとリンキングの違いは、意味は2つとも音がつながるという意味では同じで、リエゾンがフランス語で起こる音声変化の呼び方なのに対し、英語ではリンキングが一般的です。
連結に関しては、
- 母音と母音
- 子音と母音
- 子音と子音
が繋がることで発音に変化が起きます。
例をあげると以下のような場合があります。
【母音と母音】
come on、go ahead、take offなど
【子音と母音】
keep out、both of、think about、far away、in a minuteなど
【子音と子音】
help you、thank you、hope you、catch youなど
3パターンに分けていますが、連結の基本は、語末の子音が、次の単語の最初の母音と連結することです。
ここでのポイントは、発音記号が子音で終わっていれば、実際の単語が母音で終わっている場合でもリンキングが起こるということです。
スペル上「母音と母音」のパターンでも、発音は子音と母音のルールで連結しているのです。
つまり「母音と母音」のtake off [téikɔ̀f] の場合、 take は、スペル上は母音の e で終わりますが、発音では /téɪk/ と子音 /k/ で終わっているので、次の母音ではじまる off [ɔːf] に繋がり、「テイクオフ」ではなく「テイコフ」のように発音されます。
大事なのはスペル(文字)で母音なんだと認識するのではなく、「音(発音)」が子音ということなんです。
また、「Thank you [θˈæŋkjʊ]」のように、「you [jʊ]」がつく場合も連結がおきます。
みなさんも「サンク ユー」と発音するのではなく、「サンキュー」という発音の方がきっと馴染みがありますよね。
日常会話では「you」の頻度はとても高いため、初めの頃は会話の中で連結を意識するといいですね。
リンキングがある理由として1番にあがるのは、やはり話す時に言葉同士をつなげて発音することで早くスムーズに話せるという点です。
単語単体で話してしまうと、意味は伝わりますが自然な発音とはいえずそれだけでスムーズなコミュニケーションは難しくなります。
ネイティブやスムーズな英語を話せる人は自然とこの「連結」を使っています。
流れるような発音は聞いている側も聞きやすく、リンキングはフレーズや単語と一緒に覚えてしまうと楽でしょう。
脱落(リダクション)
脱落(リダクション)は、本来発音されるべき音が発音されない、または聞こえにくくなることを脱落といいます。
脱落には子音と子音で重なった前の音が落ちる(なくなる)もしくは文末の破裂音が落ちる(なくなる)の2パターンが基本です。
その他にも、 /nt/ の /t/ の音が落ちる(なくなる)パターン、 /t/ や /d/ が子音に挟まれると落ちる(なくなる)などのパターンもありますが、これらはカジュアルな会話の時にこのパターンの脱落が使われます。
こちらもリンキング同様発音する時に使うことで会話がスムーズになるため使われています。
ただし、言葉や単語を強調する際にはこれにならわず、わざとはっきりと発音する場合もあります。
そのため明確なルールとして定められているわけではなく、あくまでも会話・発音にあたってなくとも意味が十分伝わるものに限ります。
wrong person、could have、give him、take careなど
よくあるパターンで、同じ子音が連続する場合に、1度の発音にしようとする場合に前にある子音が聞こえなくなる脱落が起こります。
例えば、「take care [ˈteˈkɛr] 」は、take [téɪk] とcare [kéɚ] で子音の/k/が連続しています。なので、「テイク ケア」とは発音せず、 take の /k/ が消えて「テイケア」に近い発音となります。
hurry up、what's up? 、good morning、help meなど
破裂音とは、有声音の /b/ /d/ /g/ 、無声音の /p/ /t/ /k/ の音のことを指し、唇や歯の裏、上あごの奥あたりで空気を破裂させるように出す音のことをいいます。
例えば、/p/の音を出すときに、唇を合わせて「プッ」と唇を弾くように空気を吐くと発音できます。
文末の破裂音が脱落するパターンを例に出すと、「hurry up [hə'riʌ`p] 」は、「ハリー アップ」とは発音せず、存在するはずのpは消えて(聞こえず)「ハリアッ」のような発音になります。
破裂音で終わる単語の後に、子音で始まる単語が続く場合も前にある破裂音が聞こえなくなる現象も脱落です。
例えば、「good morning [gù(d)mɔ'ɚniŋ]」の場合も、「グッドモーニング」ではなく good の文末の /d/ の音が消えて「グッモーニング」のような発音になります。
internet、Santa Claus、enter、twentyなど
/nt/ と連続する時に、 /t/ にアクセントがかからない場合に脱落することがよくあります。
イギリス英語ではこの条件で脱落することは少なく、アメリカ英語によく見られる音声変化の一つです。
例えば、internet [íntərnèt] の最初の /t/ の発音が、直前の /n/ によって脱落が起こり、「インターネット」ではなく、「イナネェッ」のような発音になります。
Santa Claus [sˈænṭəkl`ɔːz] は「サンタクローズ」ではなく、「サナ(サンナ)クローズ」のように発音されます。
exactly、kindnessなど
/t/ /d/ が子音に挟まれると音が脱落することもあります。
例えば、exactly [ɪgzˈæk(t)li]の /t/ が /c/ と /l/ に挟まれることで /t/ を発音しなくなります。
「イグザクトリー」ではなく、「イグザクリー」に近い発音です。
語尾の /ly/をはっきりと発音することを意識するとネイティブに近い発音になります。
同化(アシミレーション)
同化(アシミレーション)は、リンキングのように音と音が繋がるという点では似ていますが、違った点は特定の条件下で隣り合う繋がった音が前後に影響をうけ、異なった音に変わるというところ。
例えば前の単語の終わりが /s/ や /t/ 、/d/ で終わる場合に、続く /y / の発音(jの発音)が「チュ」や「ヂュ」と変化します。
「s+y」「z+y」「t+y」「d+y」の場合は同化しやすいので押さえておきましょう。
miss you、about you、did you、need you、would you、not yetなど
例えば、 miss you は「ミス ユー」ではなくs+yで同化して /s/ の発音は /ʃ/ シュとなり「ミシュー」と発音します。
「need you」は「ニード ユー」ではなく「ニージュー」のように発音します。
その他にも、have to [ˈhæf.tu] 、has to [ˈhæstu] なども同化が起こります。
これらは後ろの音に影響を受けて前の音が変化するので、「逆行同化」と呼ばれています。
つまり、have to の have が後ろに続く to の /t/ に影響をうけ、/v/から/f/に変化して「ハヴ」が「ハフ」になります。同じようにhas to も後ろの /t/ に影響をうけ、/z/から/s/に変化するんですね。
Of course(/v/→/f/)やGood morning(/d/→ /m/) も逆行同化です。
日常会話ではよく使われるので覚えておきましょう。
弾音化(フラッピング)
フラッピングは、 /t/ や /d/ の音が日本語でいえば、「ら行」の音に変化することをいいます。
もう少し細かくいうと、フラッピングが起きる /t/ や /d/ は、母音と母音に挟まれ、 /t/ や /d/の 後にアクセントがないことが条件の場合に起こります。
単語だけでなく、 2つの単語をまたぐ場合も、/t/が2つの母音に挟まれていればフラッピングが起こり、また、母音と /l/ に挟まれる場合にもフラッピングが起こります。
イギリス英語では /t/ は強く発音されるためにフラッピングは起こらない音声変化で、アメリカ英語でよく使われます。
みなさんも聞いたことがある人が多いと思いますが、よく聞く例として、「Water」の /t/ が /a/ と /e/の母音に挟まれることで、「ウォーター」が、「ウォァラー」のように発音されることは有名ですね。
water、better、ladder、little、get up、not at allなど
better [bétər] もwaterと同様、 /t/ が母音に挟まれているので「ベター」ではなく「ベラー」のような発音になります。
get up [gétʌ`p] やnot at all [nátətɔ́ːl] のように2語、3語の場合も /t/ を母音で挟む場合はフラッピングが起こります。
get upは「ゲットアップ」ではなく「ゲラッ」、not at allは「ノットアットオール」ではなく「ナラロー」のような発音になります。
ちなみに、get upは /t/ にフラッピング、末尾の /p/ が脱落しています。
口の動きや筋肉を意識した発音練習
日本語は大きく口を動かさず、口周りの筋肉を使わなくても話せることが多いため、英語を話す時も同じように話しがちです。
しかし、英語を話すには口や舌、口周りの筋肉の動きは必須!
舌の位置だけでも、前後、中間でとどめたり、上顎に舌をあてたりと色々な動きをします。
例えばTH [θ] [ð] の発音をするときには歯の間で舌先を挟む位置だったり、/k/や/g/の発音の場合は、舌で喉を塞ぐように舌の奥を上顎にあてます。
R [ɑ'ːr]の場合は舌を思いきり喉の奥の方に引くのに対して、L [él]の場合は前歯の裏側に舌をあてます。
口周りの筋肉の動かし方も、さまざま。
例えばCheck/tʃék/の/tʃ/の発音の場合は、口を前に突き出し、舌は歯の裏にあて、少し弾くといいです。
fish/fíʃ/の/f/の発音は口を「い」のように軽く横に引き、前歯で下唇を軽く噛み弾くようにして発音します。
英語の発音を練習する時はこういった筋肉や舌の位置などポイントを意識しながら練習するといいでしょう。
英語を使った映画や動画を見る・聴く
発音の練習にはリスニングも効果的です。
自分ではなかなかうまく発音できない音を、実際に聞くことで耳で聞きながらコピーをする感じで発声練習することで、発音ができるようになるケースも。
映画はもちろん海外ドラマ、YouTubeなどで海外のチャンネルを見たり、英語の勉強動画や発音動画を見たりするのもおすすめです。
発音のために見る場合は配信者がネイティブ、もしくは英語習得者ではっきりとした綺麗な発音、口の動きを説明してくれるものを選びましょう。字幕がついたものでシャドーイングするのがとくにおすすめです。
発音にあわせ、アクセントやイントネーションも確認するのを忘れずに!
TED Talksは英語勉強中級者以上におすすめです。トピックを選べるので自分の好きなものや、興味のある内容のものを選ぶと勉強も捗りますよ。
英語のニュースを見れば発音の勉強のみならず、世界情勢も同時に学べるのでチェックしてみましょう。
麗澤大学の英語2専攻(英語コミュニケーション専攻、英語・リベラルアーツ専攻)で発音がもっと上達する!
麗澤大学の英語コミュニケーション専攻と英語・リベラルアーツ専攻では、人対人のコミュニケーションを大切にしながら、異文化理解を掲げ、英語で意思疎通をはかるコミュニケーションの手段として学べるような体制を整えています。
卒業後の就業で役立つ世界に通用するホスピタリティや、英語を使ったプレゼンテーション能力を培い学ぶことで、英語を使ったグローバル社会でも通用する力を身に付けていけるよう全力でサポートします。
また、2・3年次は希望の提携校への海外留学も選択でき(条件有)、半年から1年にかけて現地の英語を学びネイティブに近い発音を身につけることができるのも魅力です。
麗澤大学の英語2専攻では、世界のどこでも通⽤する品格あるグローバル人材を育成します。
【カリキュラム】
英語コミュニケーション専攻 | 麗澤大学 (reitaku-u.ac.jp)
英語・リベラルアーツ専攻 | 麗澤大学 (reitaku-u.ac.jp)
麗澤大学の英語コミュニケーション専攻の先輩たちの声
齊藤晶(Akira Saito)
麗澤大学 外国語学部 外国語学科 英語コミュニケーション専攻3年
発音の重要性を理解し、練習に励むことは英語力向上の近道だと実感しています。
私は中学時代から英語学習を続けていますが、スピーキングスキルがなかなか上達しませんでした。その理由は「ネイティブスピーカーがどのように音を出しているのか」を理解できていなかったからです。
発音は英語の4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)の中で最も重視すべき「土台」です。発音の仕方を学ぶことでこれまで聞き取れなかった音をキャッチできるようになり、英語を英語のまま理解できることでリスニング力が飛躍的に向上し、英文を正確に理解し、作成できるようになります。
大学で発音の練習を実践し、力を入れたことで、目標であったiFloor内のライティングセンターの学生サポーターになることができました。英語の発音を学ぶことによって、効率的に英語4技能を向上させることができました。
コロナウイルスの影響により目標であった留学は断念しましたが、将来は世界遺産を巡る旅行をしたいと考えています。人生を豊かにするツールとして「通じる英語」の学習を継続していきます。
麗澤大学には発音を上達させるための講義やネイティブの先生方と英会話を楽しめる環境があります。英語を身に付けるためには「どのくらい」勉強したかではなく「どのように」勉強したかが重要です。
発音を習得することは決して簡単な道のりではありませんが、練習あるのみです。
一緒に頑張りましょう!
まとめ:大切なポイントを押さえて正しく発音しよう
英語の発音は一朝一夕では習得できないもの。
毎日の積み重ねが正しい発音を作っていきます。
発音には音声変化はもちろん、正しい発音をするための口の開きや舌の動きが重要になってくるので、口を動かす練習も同時に行うと効果的です。
発音の練習をする際は、実際の音声を聞きながら発音練習するのが効果的です。
発音に焦点をあててシャドーイングをするのもいいでしょう。
たくさん発音を練習すれば、ネイティブが話す英語よりも癖のない綺麗で流暢な英語を話せるようになるかもしれません。
大切なポイントやコツ、練習法を用いて自分なりに正しいアクセントや音節、リズムを身に着けて自信を持って英語を話しましょう。