学生の活躍・課外活動
2023.10.05

【前編】努力の結果が如実に出る陸上競技。箱根駅伝本選に向けて全力投球の日々です

【前編】努力の結果が如実に出る陸上競技。箱根駅伝本選に向けて全力投球の日々です

麗澤大学陸上競技部主将の工藤大和さんは、2023年の正月に開催された第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)にて、往路2区を関東学生連合チームの選手として力走しました。工藤選手が走った2区は、各大学のエースが集う通称「花の2区」。全区間の中で最長の23.1kmのコースを1時間10分7秒で走り抜け、襷をつなぎました。前編では、3年次生ながらキャプテンとしてチームを引っ張る工藤さんに、陸上競技を始めたきっかけや麗澤大学陸上競技部に入部した経緯、そして関東学生連合チームとして走った箱根駅伝での走りについて伺います。

工藤 大和
経済学部 経営学科 スポーツビジネス専攻 2021年入学
千葉県出身、八千代松陰高等学校卒業。麗澤大学陸上競技部所属。2022年には副将、2023年には主将に就任。趣味はカラオケで、back numberやVaundyが好き。「思いっきり歌うと練習のプレッシャーも吹き飛びます!」
※取材時、3年次生。
目次

    自分の頑張りが、記録として残る駅伝に惹かれて

    ―工藤選手が陸上競技を始めたきっかけと、中学・高等学校時代の話を教えてください。

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    • 幼い頃から、バスケットボール、サッカー、野球などたくさんのスポーツに親しんでいて、中学時代はバスケットボール部に所属していました。私はあまり身長が高くないので、バスケットボールでこの先上を目指すのは厳しいのではないかと、内心思い悩んでいた時期でした。その時、中学校の行事で駅伝大会に出る機会がありました。もともと駅伝観戦が好きでしたが、実際に走ってみて、ちゃんと自分の頑張りが記録として残ることに魅了されました。

    そして、高校では陸上競技の強豪校である八千代松陰高等学校にスポーツ推薦で入学しました。陸上競技部に所属し、高校3年生の時には部長を務め、全国高等学校駅伝競走大会では、留学生が集中する3区を任されるまでに成長することができました。

    ―なぜ麗澤大学陸上競技部を選んだのですか? 

    他大学からもスカウトを頂きましたが、麗澤大学の陸上競技部を選んだ一番の理由は、魅力的な監督とコーチが自分を必要としてくれたからです。高校時代にスカウトに来ていただいた時に、最初にコーチとお話をしたのですが、「この代の高校生の中で、きみに一番最初に声をかけさせてもらった」と言ってくださり、その当時そこまで好タイムも無かったのですが、そういう中でも声をかけていただきとても嬉しかったです。その後、山川監督にもお会いすることになりました。テレビで何度か拝見したことがあり、優しくて、選手との距離が近い印象を抱いていました。高校時代の陸上競技部の顧問の先生は、風格のある感じで少し近づきにくい距離感だったので、同じ目線で話をしてくださる山川監督がすごく新鮮でした。また、両親を交えて山川監督と面談した後に、父が「監督は、あなたのことをとてもよく見てくださっていると思う」と言ってくれたことも大きく心に残りました。

    高校は正直「勝って当たり前」と思われるような強豪校でしたので、まだ箱根駅伝に出たことがない、これから自分たちが歴史をつくっていくという麗澤大学で挑戦することに新たなやりがいを感じました。また、一番に見つけてくださったというのも何かの縁だと感じていて、そういうご縁は大事にしたいと思い、麗澤大学陸上競技部に入部することを決めました。

    怖さは目標に向かって成長できている証

    ―2年連続で挑んだ箱根駅伝予選会。第99回予選会はどのような想いで臨みましたか?

    • 前年度の第98回予選会は、28位の結果に終わりました。私自身が予選会前に新型コロナウイルス感染症に罹患してしまい、チームとしても満足できる準備を十分にすることができず、責任を感じて後悔でいっぱいでした。4年次生は箱根に挑戦できる最後の年だったので、本当は悔しいはずなのに、すごく温かく受け止めてくださって心苦しかったです。だからこそ、卒業してしまった4年次生のためにも、次の年は皆の力を結集させて、必ずチームで箱根駅伝本選に出たいという思いが人一倍強かったです。

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    予選会に向けて着実に練習や合宿をこなしていく中で、「本当に自分たちはやれるんじゃないか」と、チーム全体の雰囲気が良くなっていきました。ですが、予選会の2週間前ぐらいに、個人的にすごく怖くなってきたのです。緊張とかではなく、ただ怖くて...。それをメンタルトレーニングの先生に話した時に、「何かが怖いっていうのは、自分がもうその目標を達成する、その世界に足を踏み入れているから。人間の脳は現状に戻ろうとする傾向があるから、どうしても怖さの部分が出てきているけど、その怖さは既に目標に向かって成長できている証だよ」と言ってくださいました。その言葉が胸にすっと落ちて、「やれる」と気持ちを切り替えることができました。前年に1年次生ながら関東学生連合チームのメンバーとして箱根駅伝を走った同学年の鈴木康也が、精神的にチームの柱になってくれたことにも救われました。

    第99回予選会は、結果14位でした。昨年に比べると大きく順位を伸ばすことができましたが、本選出場まであと1歩及ばず、その年の挑戦も終わってしまいました。

    沿道の声援を全身で受け止めた箱根駅伝本選

    ―工藤選手は、関東学生連合チームに選抜されましたね。実際に箱根で花の2区を走ってみてどうでしたか?

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    • 箱根での経験をチームに伝えていくためにも、この本選の舞台に挑みました。実際に走った感想としては、思うように自分の力が発揮できず、正直内容は良いものではありませんでした。しっかり準備をしていたつもりでしたが、やはり甘かったです。いくら練習をしていても、「本当に戦うんだ」「やってやるんだ」という強い精神の準備ができていないと、全く歯が立たないと体感しました。
      沿道のお客さんの声援は走りながらもしっかりと耳に入ってきていて、苦しい場面で自分を鼓舞してくれました。「麗澤頑張れ」と言ってくださる声は、すごく嬉しかったです。

    ―箱根駅伝を走って学んだことを、チームや後輩にどのように伝えましたか?

    皆に伝えていることは、いくら準備をしても、本選に向けて「こういう走りをしたい」とか「やってやる」という強い思いがないと、箱根駅伝常連校と戦えないということです。予選会はあくまで本選へのワンステップで、予選会で燃え尽きないように、本選を見据えて強い精神を維持することが大事です。口で言うのは簡単ですが、体現することはとても難しいので、日々意識して努力しています。

    ―ありがとうございました! 後編では、第100回箱根駅伝予選会に向けての意気込みと、学業との両立について伺います。

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