外国語学部
2024.01.14|最終更新日:2024.01.17|

【前編】外資系ラグジュアリーホテルの現場で学ぶ。「臨機応変な対応力」と「想像力」が求められる、プロのホスピタリティ精神とは

【前編】外資系ラグジュアリーホテルの現場で学ぶ。「臨機応変な対応力」と「想像力」が求められる、プロのホスピタリティ精神とは

麗澤大学の外国語学部の2専攻、英語コミュニケーション専攻と英語・リベラルアーツ専攻では、 航空業界・ホテル業界をはじめとするホスピタリティ業界で活躍する人材育成を目指して、プロの講師が担当する「ホスピタリティ科目※」を設置しています。授業内での学びを実践の場で活かす機会として、学内での厳しい選考を突破した学生4名が、国際色豊かな外資系ラグジュアリーホテル「パーク ハイアット 東京」で2週間から1ヵ月間のインターンシップを体験しました。前編では、インターンシップ期間中のインタビューをお届けします。宿泊部担当の石田さんと、料飲部担当の塩見さんに、現在の業務内容や今後の目標など、生の声を伺いました。

※2025年度からは外国語学部の全専攻が履修可能となる予定。1年次生を対象とした「Introduction to Hospitality Ⅰ・Ⅱ」、2年次生を対象とした「Advanced Hospitality Studies Ⅰ・Ⅱ」があります。

石田 来美
外国語学部 外国語学科 英語コミュニケーション専攻 2022年入学
千葉県出身。インターンシップでは、宿泊部を担当。趣味は、映画鑑賞と音楽鑑賞。
※取材時、2年次生。
塩見 あやね
外国語学部 外国語学科 英語コミュニケーション専攻 2022年入学
長野県出身。インターンシップでは、料飲部を担当。趣味は音楽で、大学内ではロック研究会とフォークソング研究会に所属。
※取材時、2年次生。
目次

    ずっと憧れていたホテル業界でのインターンシップ

    ―今回、なぜ「パーク ハイアット 東京」でのインターンシップに応募されたのですか? 宿泊部と料飲部をそれぞれ志願した理由も教えてください。

    • park_hyatt_tokyo2.jpg
    • 塩見:私は長野県出身で、毎年、東京ディズニーリゾートへ家族旅行に行っていました。その際に、よく東京ディズニーリゾートの提携ホテルに宿泊していたのですが、子ども心にホテルの非日常感が大好きで、昔からホテルで仕事をしてみたいとずっと思っていました。

      そして、今回ホスピタリティ科目の授業で、パーク ハイアット 東京でのインターンシップの話を聞いて、長年あこがれていたホテル業界で働く絶好のチャンスだと思い、応募しました。高校生の頃から飲食店でアルバイトをしていたので、これまでの経験を活かして少しでもホテルの力になりたいと思い、料飲部を希望しました。

    石田:私も、子ども時代からよく両親が旅行に連れていってくれて、ホテルや旅館での宿泊にたくさんの良い思い出があり、ホテル業界に興味がありました。実は、私は慣れない場所だと消極的で自信がなくなってしまうことが多い性格なのですが、ホテルでアルバイトをするという経験はなかなかできないですし、インターンシップを通してできるだけ多くのことを勉強したいと思い、勇気を出して応募しました。以前旅行をした際に、ホテルのスタッフのサービスに感動し、「時間や形にとらわれないお客様へのサービス」にとても良い印象があったので、宿泊部を希望しました。

    記憶力とスピード、臨機応変な対応が試される宿泊部門

    ―宿泊部ではどのような業務をされていますか。

    石田:私は2週間のインターンシップで、「ハウスキーピング」を3日間、「クラブ オン ザ パーク」(クラブ会員と宿泊客だけが利用できるスパ&フィットネス施設)の管理を3日間、「ベルアテンダント」を今日から4日間経験させていただきます。

    ハウスキーピングでは、宿泊されているお客様の電話対応や、お客様の状況に応じたベッドメイキングの順番の指示出し、そしてチェックアウト後の客室の確認作業を行いました。

    • クラブ オン ザ パークでは、使用後のロッカーの清掃と、タオルなどのアメニティの補充が主な業務でした。常連のお客様がいらしたら、声をかけられる前に、いつも使用されている椅子や、水、新聞を用意するなど、そのお客様のルーティンを把握している社員の方に教えていただきながら、お手伝いをしました。

      ベルアテンダントは本日からの業務なので、まだ数時間しか体験できていませんが、ホテルの入り口に待機して、ホテルに来られたお客様をお出迎え・ご案内、ホテルから出られるお客様には、タクシーの利用有無をお伺いするなど、お客様の状況に応じてお声がけをするということを学んでいます。

    • park_hyatt_tokyo3.jpg

    ―石田さんは、様々な部署を体験されているのですね。大変なことはありますか。

    石田:いくつかの部署を体験し、難しいと感じることは、お客様に対するベストな対応が部署ごとに異なることです。例えばクラブ オン ザ パークだと、お客様のお名前を覚えて、お話をする際は比較的フランクにやりとりをさせていただく機会が多かったのですが、ハウスキーピングだと、逆にお客様のいない時間帯に客室を見て、お客様のお部屋のご使用状況を見ながら、その方にふさわしいサービスの方法を考えます。

    一番印象に残ったのは、ベルアテンダントの社員の方が常連のお客様の車のナンバーと名前をすべて記憶されていて、「この方はお名前を呼ばれることを好まないから、あえてお名前を呼ばないでください」、「この方は荷物を先だって運んでください」ということが、すべて頭に入っておられることです。お客様の情報や、好まれることをすべて把握している現場の担当の方と仕事をする中で、お客様によって違うサービス、ホスピタリティが求めれていて、臨機応変に対応することが大切なのだということを身にしみて実感しています。

    ホテルのレストランで求められる、ホスピタリティ

    ―料飲部での業務内容を教えてください。

    • park_hyatt_tokyo11.jpg
    • 塩見:私はパーク ハイアット 東京1階にあるショップ「デリカテッセン」(食材にこだわったサンドイッチや総菜、ケーキなどを販売/店内で飲食可)で約1ヵ月のインターンシップを経験させていただいています。11時からお店がオープンするので、39階のキッチンから1階まで種類豊富なケーキを運ぶことが、出勤してからの第一の仕事です。お店まで運んできたら、ケーキの向きや見せ方を気にしながらショーケースに綺麗に並べ、グラスの用意や、机や椅子のセッティングをオープン前までに完了させます。

    お店がオープンしてからは、主に接客を担当します。来店されたお客様を席にご案内するところから、ドリンクやお食事の提供、お客様が帰られた後のバッシング(お皿やコップを片付ける作業)までを行います。最近はバリスタのトレーニングもはじまり、お客様においしいコーヒーを提供できるように修業中です。

    ―塩見さんは、何か大変なことはありますか。

    塩見:これまではずっと居酒屋でアルバイトをしてきたのですが、ホテルのレストランとはまったく所作が違うので苦労しています。居酒屋では、賑やかな雰囲気の中で、お料理やお酒をお客様のテーブルにいかに早く出すかを考えていましたが、ホテルでは音を立てずにそっと置くことが基本のマナーです。コップを置く向きも気にしながら、自分の所作のひとつひとつに気をつけています。今までのアルバイトとは全く違う毎日で神経を使いますが、そういった所作を学び、習得することも今回インターンシップを応募した目的のひとつなので、皆さんに教わりながら楽しく学ばせていただいています。

    言葉も所作もスマートが目標

    ―最後の勤務日までの目標はありますか?

    • 塩見:レストランには海外のお客様が多くいらっしゃるのですが、英語で場所を尋ねられた際に、戸惑って言葉に詰まってしまう時があるので、スムーズにご案内できるようになりたいです。あとは、食器の音を立てずに、お客様にお食事やドリンクを提供できるようになることです。今はまだまだ難しいですが、言葉も所作もスマートが目標です。

      石田:まずは業務内容や1日の流れをしっかりと知るということが、1つ目の目標です。様々な部署の業務を経験させていただいていますが、私一人では対応しきれないこともまだたくさんあるので、例えばお客様から私が知らないことを質問された際は、「こちらで少々お待ちいただけますか」とご案内したり、お伺いした内容を社員の方にきちんとお伝えしたりするなど、基本的なことがしっかりできるようにマスターしたいです。

    • park_hyatt_tokyo8.jpg

    2つ目の目標としては、お客様によって求められるベストな対応は異なるので、お客様に伺わなくても、雰囲気や状況から察知して、必要なサービスやおもてなしをご提供できるようになりたいです。実際に、一流ホテルの社員の方々のプロの対応を間近で見ることができて、毎日本当に多くの気づきを得ています。この学びをしっかり実践につなげていきたいです。

    パーク ハイアット 東京 人事部 鈴木様より
    • park_hyatt_tokyo5.jpg
    • インターンシップが始まる前の顔合わせの時は、学生皆さんがとても緊張している印象でしたが、実際業務が始まってからは楽しいという言葉も聞かれました。初めてのことで大変なこともたくさんあると思いますが、できることが着実に増えていて、パーク ハイアット 東京で働く仲間として本当に頼もしく感じます。

      ホテルの仕事は一見すると華やかですが、裏側では厳しいことや難しいこともあります。それらを含めて色々と習得してほしいと思います。苦労して頑張った先には、きっとお客様の笑顔を見出すことができますよ。

    ―インターンシップ中のお二人の奮闘ぶりが伝わったでしょうか。後編では、インターンシップを終えたお二人に、インターンシップの感想と、大学生活について伺います。

    SNSでこの記事をシェア