【前編】幼い日の体験から芽生えた国際協力への情熱。自分ならではの国際協力を目指して。
幼少期のベトナム滞在経験から国際協力に興味を持ち、麗澤大学の国際交流・国際協力(IEC)専攻(以下、IEC専攻)へ進学した荒井航平さん。自分らしく国際協力に携わる道を模索し、学生団体「Tweedia」の立ち上げや、カンボジアスタディツアーの企画運営、「東南アジア青年の船」事業に従事しました。前編では、麗澤大学との出会いと印象に残っている授業、「Tweedia」の活動などについて伺います。
ベトナムでの体験から始まった、国際協力への道
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私は小学生の頃、父の仕事の関係で2週間ほどベトナムに滞在したのですが、そこで目にした光景が今でも忘れられません。それは、観光客向けに靴磨きをする現地の少年でした。自分とそれほど年齢の変わらない少年が、道行く人に無視されながらも、一生懸命に声をかけている姿を目の当たりにし、日本で暮らす自分の生活との違いに、幼いながらに衝撃を受けました。この出来事が、国際協力に興味を持つきっかけになったと思います。
高校時代に将来の進路を考える中で、青年海外協力隊の募集要項を見る機会がありました。そこで国際協力の分野では様々な専門性を活かせることを知り、漠然とですが海外で活躍したいという想いを抱きました。
そんな中、高校3年生の夏休みに参加した麗澤大学のオープンキャンパスで出会ったのが、JICA(独立行政法人国際協力機構)の職員として、イランなどで活躍されたご経験のある松島正明先生でした。その時先生から教わったのは、国際協力に貢献する道として、専門知識を持つ「スペシャリスト」になる選択のほかに、幅広い知識を活かす「ゼネラリスト」として関わる方法もあるということでした。
松島先生からは「ゼネラリストには、知識や業務効率を上げるためのスキル・コミュニケーション能力・語学力などが必要であり、大学の4年間はこれらのスキルを磨く期間でもいいのではないか」という助言を頂きました。
松島先生のお話や活動経験が魅力的で、「この先生に教わりたい!」と思ったので、麗澤大学への進学を決意しました。
麗澤大学には、社会課題の解決に役立つ学びがある
私が在籍しているIEC専攻では、国際協力や異文化理解について幅広く学んでいます。特に印象に残っている授業は次の3つです。
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1つ目は、異文化共生やボランティアについて学んだ知識を活用し、グローバル人材として必要な実践力を身につける「国際ボランティア論」の授業です。この授業での学びがきっかけとなり、学生団体「Tweedia」を立ち上げることになりました。
2つ目は、1年次生の時に受講した「社会活動演習」です。この授業では、実際に企画書を作成したり、アンケートを実施したりして、イベントなどの企画を立案する方法を学びます。この経験が、後の学生団体設立やイベント企画の基礎となりました。
3つ目は、3年次生で受講した「国際協力演習」です。これは松島先生の授業で、国際協力や異文化交流に関する基礎的知識のほか、プロジェクトを成功へ導くための手法などを学びました。国際協力の現場だけではなく、課外活動や、個人的な課題を解決する場面でも応用できると感じています。
コロナ禍の最中に立ち上げた「Tweedia」。おにぎりの力で世界を変える取り組みを!
大学1年次の6月に、「Tweedia」という「食」を通じて社会貢献を目指す学生団体を学内で設立しました。きっかけは、コロナ禍で海外渡航が難しくなり、「4年間何もできないのではないか」という不安を感じたことでした。
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そんな中「国際ボランティア論」の授業で、Table For Two(テーブル・フォー・ツー)という団体の活動を知りました。Table For Twoは、世界規模で起きている食の不均衡を解消し、先進国の私たちと途上国の子どもたちが食事を分かち合う活動を行っている団体です。その活動のひとつとして「おにぎりアクション」を行っており、協賛パートナーを募っていました。「これなら日本からでも海外支援ができるかもしれない!」と思い、すぐにIEC専攻の先輩に相談し、「Tweedia」を立ち上げることにしました。
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「Tweedia」の主な活動は「おにぎりアクション」です。これは、おにぎりの写真をSNSに投稿すると、協賛企業から途上国に給食が寄付されるという仕組みです。具体的な活動としては、大学内や近郊のレストラン、幼稚園等とコラボレーションして、おにぎりの販売イベントを企画しました。ただ、食品を扱うには衛生面での制約があり、学生課から許可を得るのに苦労しましたが、大学内のレストランとコラボレーションし、レストランがつくったおにぎりを私たちが販売するという形で実現しました。
また、フードロス問題にも取り組み、レストランの余った食材を使ったおにぎりを考案して、シェフと一緒にアイデアを出し合いながら、おにぎりをつくり上げました。
結果として、「Tweedia」に賛同する仲間は増えていき、14名までメンバーが増えました。「おにぎりアクション」の実績が認められ、産経新聞系列のJapan Forwardにも取り上げていただき、大きな達成感を得ることができました。