【後編】学生が地元企業とコラボレーション。「柏といえば...」と想起される特産品づくりに挑戦!

麗澤大学の経営学部には、企業と連携し、「生きた経営学」を学ぶ授業があります。キャンパスから飛び出し、企業や地域が抱える課題の解決策を模索し、経営の実務を体験することで実践力が身につきます。今回、吉田健一郎教授と横田理宇准教授が担当するビジネスソリューション基礎Bを履修している14名の学生が4チームに分かれ、地元企業である「中国料理店 文菜華」との産学連携プロジェクトを通じて、柏市の特産品づくりに挑戦しています。この日は、商品化する食品企画を決めるプレゼンテーション大会が行われました。後編では、学生と商品づくりに取り組む文菜華オーナーシェフ渡辺氏にもインタビューにご参加いただき、麗澤大学との産学連携、協業して感じた学生の成長について伺います。






一般の食品メーカーの商品と比べても遜色のない、レベルの高い商品ができ上がりました!
―まずは麗澤大学との産学連携プロジェクトを引き受けてくださった理由を教えてください。
渡辺さん:これまで私自身、恵まれた環境で育つ季節折々の柏野菜や千葉県産品を用いた料理をご提供してまいりましたが、今回、大学からお話を頂いた際には、地元の飲食店を代表して、学生たちと協業して地域の活性化に貢献できることをとても光栄だと感じました。同時に、今の若い学生たちが、柏市に対してどんな思いを持っており、どのように表現して商品をつくり上げていくのか、非常に関心を持ちました。それがプロジェクトに参加した大きな理由の1つでもあります。
―試作品づくりと学生のプレゼンを終えて、ここまでの手ごたえを教えてください。
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渡辺さん:4種の試作品は、一般の食品メーカーと共同で商品開発したものと比べても遜色がなく、レベルの高い商品ができ上がりました。最終的に1、2品に絞り込まなければなりませんが、学生たちにプレゼンテーションしてもらった、ターゲット層、競合分析、販売チャネル、マーケティング戦略、予算と収益予測という観点は、企業の商品企画部の方々が市場分析する手法と同じです。我々も食品を提供する以上、相手が学生だからという忖度はありません。結果として、価格はもちろん、衛生面や長期間保存しても安全かつおいしく保てるかなど、難しい課題を一緒に考え、クリアしてくれた4品だと感じています。その分、どれも甲乙つけがたく悩ましい限りです。
地域産業が期待する若い世代の力
―プロジェクトに取り組む学生を見て、どのような印象を持ちましたか?
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渡辺さん:学生全員が真剣に、責任感を持って取り組んでくれたことに感謝しています。試作品づくりにあたっては「これでいい」と妥協せず、何度も改善を求めてきたことが、非常に印象的でした。彼ら若い世代の視点やアプローチは、我々が考える従来の方法とは異なる点も多く新鮮で、私も今回たくさん勉強させてもらったと感じています。
同時に、学生が頭の中で描いている商品のイメージを自分たち飲食店側がどれだけ正確に捉えることができるか、私たち地域産業を担う事業者にとっても、若い世代からこれからの産業のヒントを得られる重要な機会になると感じました。今回、麗澤大学が取り組んでくれた産学連携プロジェクトは、授業の枠に止まらず、地域社会との架け橋になっていく活動ではないでしょうか。
学生と目指すゴールは、まだ先があります!
―現在のプロジェクトの進捗と、今後の展開を教えてください。
横田先生:学生たちは夏前から商品案の企画を考えてきて、10月に試作品づくりまで終えました。4種つくった試作品について渡辺さんへのプレゼンテーションを行い、現在は最終案を決定する段階です。
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今後、最終案の商品を柏市内のイベントで披露し、テスト販売を行います。食べていただいたお客様の反応を加味して商品を完成させる予定です。また、12月に開かれるSDGsフォーラムでも販売し、学生プレゼンテーションにもエントリーしています。そのほか、年明けに外部コンテストにもエントリーして商品の知名度を上げていきたいですね。道の駅や柏市を活動拠点とするスポーツ団体の競技場等へ、販路を開拓する営業活動をしやすくするためにも、外部コンテストで良い結果を出したいところです。
最終的には、麗澤大学がある柏市が令和3年度からスタートさせている「ふるさと産品認定」の認定製品としていただき、市内産業の振興、地域経済の好循環につなげていくことを学生たちと目指していきます。(※2024年10月時点のインタビューをもとに、商品進捗をお伺いしています。)
少人数だからこそ、1年次生でも安心してプロジェクトに挑戦できる
―それでは最後に、麗澤大学のおすすめポイントを教えてください。
笠原さん:麗澤大学は、少人数の授業が多いのですが、各プロジェクトでは多くとも15名程度と、さらに少人数で取り組むことができます。先生と直接相談しながら進めていけるので、1年次生でも安心してプロジェクトに挑戦できる点は良いなと思います。
横田先生:今回のようなプロジェクト系の授業は、今後さらに立ち上げていく予定です。もちろんほかの大学にもあるとは思いますが、うちも負けていません。大学で積極的に活動したい方はぜひ麗澤大学に来ていただきたいと思います。