経営学部
2024.02.29

【前編】「自分たちがどこよりも先にやっている。」先端技術を使い、DXの推進と新しい価値の創出を目指す"別宮ゼミ"

【前編】「自分たちがどこよりも先にやっている。」先端技術を使い、DXの推進と新しい価値の創出を目指す

企業を取り巻く経営環境が日々変化する中で、近年はデータとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズに応えることが求められています。経営学科 別宮ゼミでは、AIを含む先端技術を理解し、企業に対して新たなビジネスやコンテンツを提案できる人材の育成を目標としています。学生がそれぞれ興味のある研究テーマを掲げてグループをつくり、興味のある研究を行うという別宮ゼミの授業は、とても人気があります。前編では、担当教員の別宮先生に、ゼミナールの様子や魅力について伺います。

別宮 玲
経済学部 経営学科 教授
IT企業で10年以上勤務した後、教育の道へ。IT企業では新しいシステムの研究開発や、海外の開発拠点の立ち上げ、グループ企業を横断するPMOに携わった。麗澤大学には、2022年に着任。専門分野は知能情報学とデータエンジニアリング。DXの実践型の授業を展開している。
目次

    新たなビジネスモデルの可能性を探り、構想する力を育む

    私のゼミナールでは、新しい技術を理解した上で、企業に対して新たなビジネスやコンテンツを提案できる人材となることを目指し、授業の到達目標として次の3つを設定しています。

    1. 近年、ビジネスへの活用の進んでいる技術を説明できる。
    2. 自ら先端技術を調べることができる。
    3. 先端技術を新たなビジネスやコンテンツへ活用する方法をグループで検討し、提案できる。
    • セメスターのはじめに、学生がそれぞれ興味のあるテーマを掲げてグループをつくり、自分たちが設定した目標の達成に向けて、グループのメンバー同士で切磋琢磨しながら研究を深めます。研究分野は、ドローンビジネス、VR、プロジェクションマッピング、ゲームビジネス、メタバースビジネスなど多種多様で、テーマの掛け持ちは可能です。この中でも、特にドローンが人気ですね。麗澤大学は東京ドーム9つ分の自然あふれる環境が特長ですが、このキャンパスの魅力を外部にアピールすべく、ドローンを飛ばして広報にも役立つドローン動画を学生たちがつくりたいと、自発的に制作中です。

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    その他に、生成AIのChatGPTの研究に取り組んでいるグループもあります。麗澤大学のWEBサイトには即時の問い合わせができるチャットボットがありますが、これにはChatGPTが使われておらず、限られた回答しか得られません。学生たちが実際に使ってみたら、利用者目線で少し不便に感じた部分があったそうです。大学に関する質問をしたら自動的に返してくれる、より高度なチャットボットに育てたいと、実はもう勝手に研究を始めていた経緯があります(笑)。

    ゼミナール内では様々なテーマを持ったグループが動いていますが、「先端技術を使って利益を生み出すためには、何をすればいいのか」という視点は常に持っていてほしいと学生には伝えています。その視点を持っていたら、どのようなテーマでも私は全力でサポートしたいと思っています。

    学生主体の雰囲気と、社会性のバランスを大切にしています

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    • 私のゼミナールは、自分で調べないと何も進められないフォーマットですので、自分たちでテーマを決めていく結果、自然に小グループが派生していきます。最初からリーダーシップを発揮する学生だけでなく、今まで比較的控えめだった学生たちがリーダーシップを発揮するタイミングもあり、良い化学反応が起きています。お互いの知識がオーバーラップし高め合う瞬間は、ゼミ生の大きな力になっていて、見ていて頼もしいです。コミュニケーションの中で、自分で得た知識をうまく加工したり共有したりしていく力と、それを形にしていく力および技術が身につきます。

    「学生主体で、やりたいようにやらせてあげる」ことをモットーにしている一方で、納期や時間については厳しく管理しています。授業に遅刻してしまう学生や、レポートの納期が守れない学生も中にはいます。そんな彼らに対して目を瞑るのではなく、しっかりと向き合うことで、卒業後に必要とされる社会性を在学中に身につける手助けをしたいと思っています。

    先端技術が創る未来社会とは

    私のゼミナールは設立してからまだ2年目ですが、昨年より女子学生の割合が増えています。先ほどドローンの話をしましたが、体力面などから女性の参入が少ない業界でもドローンパイロットとしてならば活躍することができます。またメタバースは性差を意識しない環境の好例ですね。先端技術は、性別の違いによる有利不利を減らすことができる――女性の社会進出の可能性を探るという点は、私のゼミナールで持つべき役割かなと思っています。

    「自分たちがどこよりも最初にやっているんだ」という想い

    • 大学の授業というのは高校までとは違い、一律に定められた教科書が無い内容を学んでいます。私のゼミ生の中にある共通意識は「自分たちがどこよりも最初にやっているんだ」という想いです。「別宮ゼミでは、この技術を使ったこんなビジネスをやりたいと提案すれば、それを本当にやらせてもらえて、きちんとそれが実現できている」と、学生間では評判があって、手前味噌ながら、とても嬉しいことです。

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    各グループ、予算には限りがありますが、昨今は資金を募る方策もたくさんあるので、実現の可能性をきちんと示してあげることを重視しています。プロジェクションマッピングのチームは麗澤大学の助成金制度を利用していますし、今後、額が大きくなったらクラウドファンディングも積極的に取り入れたいと思います。協賛企業を探して足を使って汗をかくのもいい経験です。経営学科の学びとして、ビジネスへの貢献を目指し、きちんとプロジェクトを完結させるゼミナールでありたいと思っています。

    ―後編では、一番人気のドローンチームに密着し、特別講義の模様をお届けします! お楽しみに。

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