経営学部
2024.02.29

【後編】「自分たちがどこよりも先にやっている。」先端技術を使い、DXの推進と新しい企業価値の創出を目指す"別宮ゼミ"

【後編】「自分たちがどこよりも先にやっている。」先端技術を使い、DXの推進と新しい企業価値の創出を目指す

企業を取り巻く経営環境が日々変化する中で、近年はデータとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズに応えることが求められています。経営学科 別宮ゼミでは、AIを含む先端技術を理解し、企業に対して新たなビジネスやコンテンツを提案できる人材の育成を目標としています。学生それぞれが興味のある研究テーマでグループをつくり、興味のある研究を行うという別宮ゼミの授業は、とても人気があります。後編では、ドローンチームに密着し、特別講義の様子をレポートします。

別宮 玲
経済学部 経営学科 教授
IT企業で10年以上勤務した後、教育の道へ。IT企業では新しいシステムの研究開発や、海外の開発拠点の立ち上げ、グループ企業を横断するPMOに携わった。麗澤大学には、2022年に着任。専門分野は知能情報学とデータエンジニアリング。DXの実践型の授業を展開している。
永浜 敬久
大村印刷株式会社 ICTディレクター
2014年に大村印刷株式会社に入社。ICTディレクターとして、Web・AR・VR案件を担当。2019年よりドローンパイロットを担当。総飛行時間は100時間以上。
目次

    「先端技術によるビジネスの開拓」に必要な知識と実践を深める

    3、4年次生の計7名の学生が所属するドローンチーム。この日はプロのドローンパイロットをお招きし、ドローンの知識と実践を深めるための特別講義が行われました。座談会方式でテーブルが円形に並べられて、学生たちは興味津々で講義に耳を傾けました。

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    • ゲスト講師は、大村印刷株式会社の永浜様です。2019年より社内で空撮事業を立ち上げ、総飛行時間は100時間以上のベテランパイロットです。氷点下の雪山、花火大会、夜のイルミネーション、国宝建築物、都心部など、様々な場所やシチュエーションで空撮の経験があります。永浜様から「皆さんのドローン技術が上達して、自由にどこかで空撮できるとしたら、どこで撮りたいですか?」と尋ねられると、学生たちは目を輝かせながら「ディズニーランドのシンデレラ城」「花火大会」と、次々に声を上げました。

    ドローンにまつわる法制度と安全運用

    まずは永浜様から「ドローンパイロットの心構え」について学生たちにお話をされました。これから練習を重ねて操縦技術を磨く事はもちろん大事ですが、一番大事なのは安全に飛行するための知識や危険察知能力をしっかり備えておくこと。それは航空法を学んでおく事や、練習中に常に「今こんなトラブルが起きるかもしれない」「起きたら自分はどう対処するか」を考えながら操縦すること、と話されました。

    • 続いて、ドローンで空撮する際の飛行許可申請について、学生から質問がありました。ドローンに360度カメラを装着して飛行する場合には、国土交通省の航空局に「改造機種」として申請することと、最大離陸重量を満たした大型の機体を用いることが必要になり、要件を満たさない場合、違法飛行となってしまいます。適切にドローン空撮を行うためには、まずは機体の登録とパイロットの登録が必要になります。実際に申請フォームを確認しながら、永浜様から申請方法に関するアドバイスを頂き、一つひとつ疑問を解決していきました。

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    麗澤大学ではドローンのライセンス制度をきちんと整備していきたいと、別宮先生は仰っています。「飛行許可が不要なケースでの操縦においても、ライセンス制度に基づき、ドローンの知識と飛行技術を確かに示すことで、大学の立場として安全面を保証した上で、キャンパスの外で飛ばして良いというガイドラインを設定したいと思います。将来プロになる学生が、私のゼミナールから出たらいいな」と思いを語られました。

    プロが使用する機体を実際に体験

    講義終了後、学生たちは大教室へ移動し、いよいよドローンの操縦体験が始まります! 今回は特別に普段触れることができない産業用ドローンをお持ちいただき、学生たちは興味津々です。永浜様の「ドローンを飛ばしたい人?」の声がけに嬉しそうに手を挙げます。最初は操縦に緊張していた学生たちですが、「のびのび動かしていいよ」という永浜様のアドバイスを受け、思い切って操作してみます。

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    • 永浜様は、操縦者の学生の横に立ち、丁寧に操作を説明してくださいます。「まずはプロペラを回してみよう! プロペラを回す時はここを動かして、上昇する時はスティックを上に倒してみてね。」学生の中には、ドローン操作が初めての人もいましたが、永浜様の声がけに合わせて操作するうちに徐々に慣れ、次第に目線の高さより上まで自由自在にドローンを飛ばすことができるようになりました。ドローンの操縦を終えると、教室では拍手喝采が起きました。永浜様からは「上手! 素晴らしい!」とのお言葉を頂き、嬉しそうな様子でした。

    特別講義を終えて、学生からは、「実際にさわってみたドローンは遊び感覚ではなく、社会貢献の一助となる最先端の重みがありました。それを体感できてよかったです。」「コロナ禍で旅行が楽しめなくなった人を対象に、海外の風景を撮ったり、身体の不自由な人の代わりに登山の過程を撮影したり、これまでのカメラ撮影とは全く違う迫力を味わえる活用が広まってほしいです。マニアックな場所なら、さらにドローンビジネスの需要は増すと思います。今回の講義を受けて、どこに飛ばすかの発想やアイデアに無限の可能性を感じました。」などの声が寄せられました。実際にドローンを操縦することで、社会の問題を解決する視点が次々に生まれた現場でした。

    ―先端技術のビジネスへの活用を目指して様々な研究に取り組む別宮ゼミの活動が、今後も楽しみです。

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