筑波大学名誉教授、日本地域学会副会長、ペンシルベニア大学・レディング大学等の客員研究員併任。 名古屋市立大学経済学部教授、筑波大学教授・生物資源学類長・生物資源科学専攻長を歴任。1996年5月から1997年11月にかけて、インドネシア国家経済開発庁(BAPPENAS)経済顧問(JICA長期専門家)を務めた。1999年に日本地域学会論文賞、2009年・2015年に同学会著作賞を受賞。
麗澤大学において、よりグローバルな人材を育成するための国際学部(設置構想中)。今回は教育ジャーナリストとして活躍する山内太地氏をゲストにお迎えし、2019年4月に学長に就任した徳永澄憲特任教授、同じく学長補佐(国際学部設置準備担当)に就任した野林靖彦教授との対談形式で「国際学部の存在意義」について語っていただきました。
麗澤大学ならではの道徳教育を礎にした国際学部を新設する理由とは
既存の外国語学部と経済学部に加え「国際学部」を新設することで麗澤大学は更なる進化を遂げようとしている。しかし、「国際学部」は他大学にも存在し、決して麗澤大学だけのものではない。麗澤大学ならではの教育方針と独自性とは何なのだろうか。
徳永:国際学部で目指しているのは『グローバルリーダー』の育成です。加速度的に国際化する社会においてリーダーシップを発揮できる人間を育てることは急務です。また、麗澤大学では品格のあるグローバルリーダーを育成することを目標にし、本学の教育理念である『道徳教育』を徹底しています。
野林:簡単に言えば、言語学や多文化共生学、コミュニケーション論といった人文科学的な学びと、国際関係・地域や経済理論・ビジネスといった社会科学的な学びとを融合させることで、外国語学部とも経済学部とも異質の、より現実的で国際的な新しい学びを実現しようとしたのが、麗澤大学の国際学部です。こういう幅広い学びを身に付けた人材こそが、国内外を問わず、今まさに世の中に求められているように思います。例えば、海外だけでなく、地方公共団体におけるコミュニティのコーディネートにも大きく貢献できるリーダーのような人材、麗澤の国際学部が考えているグローバルリーダーというのはこうした人材です。
他大学でも注目を集めている国際学部だが、麗澤大学の「国際学部」の独自性について教育ジャーナリストで全国の高校、大学に足を運び教育業界を知り尽くしていると言っても過言ではない山内氏は客観的にどんな印象を持ったのだろうか。
山内:他大学では外国語学部は語学の専門家、経済学部は経済の専門家を作ると考えるのが一般的ですが、麗澤大学では『道徳教育』を通して国際人を育成するという。これは非常に興味深い。正直な話、国際学部とは名ばかりで形骸化していることも多く、学生は『グローバル=成田空港から外の世界』だと思っています。
しかし、混迷する日本社会において既に日本国内での国際化は始まっている。その現実に向き合わず、イメージ先行型の国際学部では本当のグローバルリーダーを生み出すことはできません。内なる国際化に対応できる人材の育成・輩出は他大学とは異なる魅力であり、麗澤大学ならではの独自性になるはずです。
国際社会が抱える問題は、身近な場所で起き始めている
国際学部にも、外国語学部に匹敵する語学教育や留学制度が用意され、より良い環境で学ぶことができる。また、留学に対してもメリットの多いシステムを構築し、留学中でも就職活動の心配を軽減するサポートも行う。
徳永:外国語学部と同程度の留学システムを用意しています。ただし、語学系学部ではありませんから国際学部では異なるコンテンツがあり、専門領域、学問領域を学ぶための留学制度も用意しています。留学先の大学でも単位を取得することができます。留学(6ヶ月から1年間)しても単位を取得し4年間で卒業することができます。国際学科では、言語学、コミュニケーション論、文化研究等の専門領域を学ぶことを目的とし、留学先の大学に学部留学をする形になります。
また、グローバルビジネス学科では、英語で経営・経済を専門科目として学ぶ『GBS(グローバル・ビジネス・スタディ)コース』を入学した時から導入していて、英語で専門知識を学ばせることで、よりハイレベルな知識を身につけることができると考えています。
そして、もう1つの特長が『ダブル・ディグリー』を採用していること。例えば3年間麗澤大学で学び、残りの1年をオーストラリアの大学へ留学することで、両国の大学から同時に学位を取得することができるのです。オーストラリアで学位を取得した場合には2年間の就労ビザが与えられ、オーストラリアの企業への就職活動を行うこともできます。大学を卒業すると同時にグローバルな企業へのエントリーが可能になるということは大きなアドバンテージになると考えています。本学のキャリアセンターでも就職活動のサポートを行っているので、日本国内での就職に対しても心配はありません。
卒業後に海外の企業へのエントリーを可能にする『ダブル・ディグリー・プログラム』のメリットは大きい。しかし、山内氏は国際社会に対する考えの甘さを懸念する。
山内:国際学部を卒業した後のイメージは『グローバル企業でクリーンに活躍する姿』だと思うのですが、実際には語学力が堪能な人間はトラブルの対処を求められることが多い。特にグローバルな社会で活躍するためには文化・風習・宗教を含めて価値観の違う人間と対峙し、数多くの問題を克服しなければなりません。異文化への親和性やトラブルに対峙した時の柔軟な対応力を持つことがグローバルな社会人として最も必要なことだと思います。従来の経済、経営学は座学だけのイメージが強いのですが、ビジネスパーソンを鍛える意味では行動力が必要になるカリキュラムは大きな力になる。麗澤大学の国際学部のカリキュラムがどうなっているのかが重要です。
山内氏の指摘はまさにその通り。麗澤大学の教育方針はどうなっているのか。
【この記事を読んだ方にオススメの記事】
近年、国際社会全体が取りくんでいる「持続可能な開発目標(SDGs)」や、また金融やビジネス分野に急速に広まっているAI技術など、麗澤大学では多様に変化する社会の状況に対応し、様々な視点から課題を解決出来るビジネスパーソンになるためのカリュキュラムを豊富に用意しています。学びの特色や先生からのメッセージなど、気になる方にオススメな記事をご紹介します。
-
ITの学びをAIに発展させ、ビジネス+金融を学ぶ専攻です。
学びの幅を広げ、AI技術をビジネス、⾦融分野に応⽤できる⽂理融合型⼈材の育成を⽬指します。
学びの特色や4年間の学習の流れなど、詳細はこちらからご確認ください。